“大和路”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やまとじ85.7%
やまとぢ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
奈良、大和路やまとじ風景は私にとっては古い馴染なじみである。あたかも私の庭の感じさえする。さてその風情ふぜいの深さも、他に類がない。
京都では父の御機嫌伺いをするだけで、その日のうちに奈良へ行き、二三日間春の大和路やまとじ経廻へめぐりたいと思っていること、ただしこれは自分だけの考なので
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これを聞いた瀬田と渡辺とは、「そんなら我々も是非共御先途ごせんとを見届けます」と云つて、河内かはちから大和路やまとぢはしることを父子ふしに勧めた。四人の影は平野郷方角へ出る畑中道はたなかみちやみうちに消えた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
後に庄司は天王寺村てんわうじむらかして、平野郷ひらのがうから河内かはち大和やまとを経て、自分と前後して大和路やまとぢはしつた平八郎父子には出逢はず、大阪へ様子を見に帰る気になつて、奈良まで引き返して捕はれた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)