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塲合
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ばあひ
扨是等の石器は
如何にして
造られしやと云ふに、石斧石鏃の
塲合とは事變はりて、
半成品も
見當たらず、細工屑も
見當たらざれば
吾等を
此危難から
救ひ
出す
事は、
大佐の
智惠でも
迚も
及ばぬのであらうと、
私は
深く
心に
决したが、
今の
塲合だから
何も
言はない。
斯ういう
塲合に、いつでも
父さんを
連れに
來て
呉れるのはあのお
雛で、お
雛は
父さんのために
御飯までつけて
呉れましたが、
到頭その
晩は
父さんは
食べませんでした。
然し、
今は
其樣な
事を
悠長に
考へて
居るべき
塲合でない。
此時の
心痛は
實に
非常であつた。
櫻木大佐との
約束の
日は
既に
切迫して
居る。
住居の大小は
家族の多少に因る事
勿論なれど
塲合に由つては
一個の大部屋を
設くる代りに
數個の小部屋を作る事も有りしと思はる。
瓢形の
竪穴の如き即ち其例なり。
鳶口を
手にしながら
坂の
上の
方から
滑りますと、ツーイ/\と
面白いやうに
身體が
行きました。もしか
滑り
損ねて
鳶口で
身體を
支へ
損ねた
塲合には
雪の
中へ
轉げこみます。
今かく
空腹を
感じて
居る
塲合に、あの
魚を一
尾捕へたらどんなに
嬉しからうと
考へたが、
網も
釣道具も
無き
身のたゞ
心を
焦つばかりである。
斯かる
塲合に於ては、石器製造を
好む
者は多くの石器を
造り、
土器製造を
好む
者は多くの
土器を
造り互に余分の品を
交換すると云ふか如き
事も
有りさうなる
事ならずや。