塲合ばあひ)” の例文
扨是等の石器は如何いかにしてつくられしやと云ふに、石斧石鏃の塲合ばあひとは事變はりて、半成品はんせいひん見當みあたらず、細工屑も見當みあたらざれば
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
吾等われ/\この危難きなんからすくいだことは、大佐たいさ智惠ちゑでもとておよばぬのであらうと、わたくしふかこゝろけつしたが、いま塲合ばあひだからなにはない。
ういう塲合ばあひに、いつでもとうさんをれにれるのはあのおひなで、おひなとうさんのために御飯ごはんまでつけてれましたが、到頭たうとうそのばんとうさんはべませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、いま其樣そんこと悠長いうちやうかんがへてるべき塲合ばあひでない。此時このとき心痛しんつうじつ非常ひじやうであつた。櫻木大佐さくらぎたいさとの約束やくそくすで切迫せつぱくしてる。
住居ぢうきよの大小は家族かぞくの多少に因る事勿論もちろんなれど塲合ばあひに由つては一個いつこの大部屋をもうくる代りに數個すうこの小部屋を作る事も有りしと思はる。瓢形ひやうかた竪穴たてあなの如き即ち其例なり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
鳶口とびぐちにしながらさかうへはうからすべりますと、ツーイ/\と面白おもしろいやうに身體からだきました。もしかすべそこねて鳶口とびぐち身體からださゝそこねた塲合ばあひにはゆきなかころげこみます。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
いまかく空腹くうふくかんじて塲合ばあひに、あのさかなを一とらへたらどんなにうれしからうとかんがへたが、あみ釣道具つりどうぐのたゞこゝろいらだつばかりである。
斯かる塲合ばあひに於ては、石器製造をこのものは多くの石器をつくり、土器製造どきせいぞうこのものは多くの土器どきつくり互に余分の品を交換こうかんすると云ふか如きことりさうなることならずや。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)