噴水ふんすい)” の例文
眞中まんなかには庭園ていえんがあり、噴水ふんすいえずみづし、あたりには青々あを/\しげつた庭木にはきゑてあり、あつなつでもすゞしいかんじをあた
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
それは赤外線警報器を変形したもので、殺そうという人の通路に赤外線を左の壁から右の壁へ、噴水ふんすいを横にとばしたように通して置くのだ。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
女王は、その庭に見入っているの。そこには、木立こだちのそばに噴水ふんすいがあって、やみの中でも白々しらじらと、長く長く、まるでまぼろしのように見えています。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
しばらくゆくと、すこしひろいところがあって、大きな木が四五本うわっていて、そのなかに、ちいさな噴水ふんすいがありました。
銀の笛と金の毛皮 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
けんとははなれぬところへ、あかたまと、しろたまげるおもちゃの噴水ふんすいや、ばね仕掛じかけのお相撲すもう人形にんぎょうる、露店ろてんならんでいたのでした。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
噴水ふんすいが大理石の水盤すいばんの中でぴちゃぴちゃ音をたてているところではどこでも、わたしはその水にうかんでいる都市のおとぎばなしを聞いているような気がします。
薔薇ばらの花の中に噴水ふんすいあがっている。はじめは誰もいない。しばらくののち、マントルを着た王子が出て来る。
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ドーッと流れだしてきたかと思うと、つぎには噴水ふんすいのように、恐ろしい力でふき出すのです。
妖人ゴング (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ユトリオ張りの油絵が一枚、なげしにあかやり一本、六角型の窓の向うには、水の止まっている大きな噴水ふんすいがあった。その噴水のまわりには、あざみの花がくさむらのように咲いていた。
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
庭園には、きれいにりこまれた生垣いけがきや、あずまやや、池や、噴水ふんすいや、めずらしい大木や、短く刈りこんだ芝生しばふが見えます。その芝生には花壇かだんがあって、色とりどりの春の花が、きみだれています。
しかし、いまは噴水ふんすいや、相撲すもう人形にんぎょうなどをても、自分じぶんにはえんとおがしたし、べつにほしいともおもいませんでした。
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ほら、覚えているでしょう——庭、夜なか、噴水ふんすいのほとり——そういう場所で待ちせるんですな。いまに君は、僕にありがとうを言うでしょうよ
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
それからまた、戸口に書いてある名前や、むかしのままにかかっている看板を見せてやったりしました。その人たちは、小さい中庭では貝がらでかざられた噴水ふんすい受けの水盤すいばんを見ました。
まちかがやいた火影ほかげに、つい誘惑ゆうわくされて、りんごのはないましめもわすれて、んでいくと、そこにはいい音楽おんがくこえたり、うたこえがしたり、ほかにうつくしいとうや、噴水ふんすい銅像どうぞうなどがあったり
北海の波にさらわれた蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)