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啄
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つゝ
ふりがな文庫
“
啄
(
つゝ
)” の例文
すると、
或
(
ある
)
日の事将軍家は皿の煮魚を
啄
(
つゝ
)
いてゐるうち、ふと膳部の上に好物の薑が載つてないのに気が付いて、不思議さうに給仕の者の顔を見た。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
垂飾
(
たれかざり
)
をつけた
日傘
(
ひがさ
)
、
花楸樹
(
はなかまど
)
よ、ジタナ
少女
(
をとめ
)
の
頸
(
くび
)
にある
珊瑚玉
(
さんごだま
)
、その
頸飾
(
くびかざり
)
と
柔肌
(
やははだ
)
を
巫山戲
(
ふざけ
)
た雀が來て
啄
(
つゝ
)
く。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
白
(
しろ
)
い
羽
(
はね
)
の
鷄
(
にはとり
)
が五六
羽
(
ぱ
)
、がり/\と
爪
(
つめ
)
で
土
(
つち
)
を
掻
(
か
)
つ
掃
(
ぱ
)
いては
嘴
(
くちばし
)
でそこを
啄
(
つゝ
)
いて
又
(
また
)
がり/\と
土
(
つち
)
を
掻
(
か
)
つ
掃
(
ぱ
)
いては
餘念
(
よねん
)
もなく
夕方
(
ゆふがた
)
の
飼料
(
ゑさ
)
を
求
(
もと
)
めつゝ
田圃
(
たんぼ
)
から
林
(
はやし
)
へ
還
(
かへ
)
りつゝある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
川面の處々に
洲
(
す
)
があツた。洲には枯葦が淋しく凋落の影を
示
(
み
)
せてゐて、
埃
(
ごみ
)
や
芥
(
あくた
)
もどツさり流寄ツてゐた。其の芥を二三羽の鴉が
啄
(
つゝ
)
き𢌞し、影は霧にぼかされてぽーツと浮いたやうになツて見えた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
雛鳥に
眼
(
め
)
を
啄
(
つゝ
)
かれて
しやうりの歌
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
▼ もっと見る
それが代変りになつて、七代目のアンドリウ・ジヤクソンになると、またワシントン並に
肉刀
(
ナイフ
)
で皿を
啄
(
つゝ
)
つき出した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一
旦
(
たん
)
塒
(
とや
)
に
就
(
つ
)
いた
鷄
(
とり
)
が
餌料
(
ゑさ
)
を
見
(
み
)
てはみんな
籃
(
かご
)
からばさ/\と
飛
(
と
)
びおりてこツこツと
鳴
(
な
)
きながら
爪
(
つめ
)
で
掻
(
か
)
つ
拂
(
ぱ
)
き/\
爭
(
あらそ
)
うて
啄
(
つゝ
)
いた。
勘次
(
かんじ
)
は
遂
(
つひ
)
に
鷄
(
とり
)
の
數
(
かず
)
の
不足
(
ふそく
)
して
居
(
ゐ
)
ることを
確
(
たしか
)
めざるを
得
(
え
)
なかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
尤
(
もつと
)
もトルストイ嫌ひな男に言はせると、いつも夜になると、こつそり台所へ
這
(
は
)
ひ出して来て、肉皿を
啄
(
つゝ
)
ついたといふが、そんな事は神様にでも
訊
(
き
)
かない限り、嘘か、
真実
(
ほんとう
)
か判らない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼
(
かれ
)
は
餘
(
あま
)
りに
悦
(
よろこ
)
んで
騷
(
さわ
)
いでひよつとすると
危
(
あぶな
)
い
手
(
て
)
もとで
鰌
(
どぜう
)
を
庭
(
には
)
へ
落
(
おと
)
す
事
(
こと
)
がある。
鰌
(
どぜう
)
は
乾
(
かわ
)
いた
庭
(
には
)
の
土
(
つち
)
にまぶれて
苦
(
くる
)
しさうに
動
(
うご
)
く。
與吉
(
よきち
)
が
抑
(
おさ
)
へようとする
時
(
とき
)
鷄
(
にはとり
)
がひよつと
來
(
き
)
て
嘴
(
くちばし
)
で
啄
(
つゝ
)
いて
駈
(
か
)
けて
行
(
い
)
つて
畢
(
しま
)
ふ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
で、梟のために散々に
啄
(
つゝ
)
かれた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
啄
漢検準1級
部首:⼝
10画
“啄”を含む語句
啄木鳥
啄木
剥啄
啐啄
啐啄同時
姑蘇啄麻耶啄
折々啄木鳥
石川啄木
長啄
飲啄
飲啄笑哭