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じゆもん
ふりがな文庫
“
呪文
(
じゆもん
)” の例文
家へ帰つて色々古い書物を
捗
(
あさ
)
つて見ると、封を解く
呪文
(
じゆもん
)
だけは
何
(
ど
)
うにか
了解
(
のみこ
)
めたが、さて封を解いたものか
何
(
ど
)
うか一寸始末に困つた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「それを出して、焼けてゐない方を前へ向けて、クウル、クリイル、ケーレと
呪文
(
じゆもん
)
をとなへるのだ。いゝか、やつてみなさい。」
夢の国
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
……
然
(
さ
)
うでないと、あの
梟
(
ふくろふ
)
が
唱
(
とな
)
へる
呪文
(
じゆもん
)
を
聞
(
き
)
け、
寢鎭
(
ねしづま
)
つた
恁
(
か
)
うした
町
(
まち
)
は、ふは/\と
活
(
い
)
きて
動
(
うご
)
く、
鮮麗
(
あざやか
)
な
銀河
(
ぎんが
)
に
吸取
(
すひと
)
られようも
計
(
はか
)
られぬ。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と、云つて、手にもつてゐた、数珠をもみながら、あじやら、もじやら、うじやら、もじやらと、
呪文
(
じゆもん
)
を、唱へはじめました。
岩を小くする
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
かくて果てしなき風と雲との爭ひ、その中を、せめてもの
呪文
(
じゆもん
)
の聲を張り上げ、鉢を鳴らして、人間は、はね飛ばされじと
爬
(
は
)
ひまはつてゐる。
山岳美観:02 山岳美観
(旧字旧仮名)
/
吉江喬松
(著)
▼ もっと見る
その時あの印度人の婆さんは、ランプを消した二階の部屋の机に、魔法の書物を拡げながら、
頻
(
しきり
)
に
呪文
(
じゆもん
)
を唱へてゐました。
アグニの神
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
かれはその
蝋燭
(
ろうそく
)
を小さい
白木
(
しらき
)
の箱に入れて、なにか
呪文
(
じゆもん
)
のやうなことを
唱
(
とな
)
へた上で、うや/\しく弥助にわたした。
影を踏まれた女:近代異妖編
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
高らかに
呪文
(
じゆもん
)
を稱へて、その法力を
誇示
(
こじ
)
してゐた壇上の東海坊は、何に驚いたか、急に壇上を驅け廻り、床を叩き、壇を蹴飛ばし、淺ましくも怒號する
態
(
てい
)
が、渦卷く焔の間から
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日此頃
(
けふこのごろ
)
の
全盛
(
ぜんせい
)
に
父母
(
ふぼ
)
への
孝養
(
こうよう
)
うらやましく、お
職
(
しよく
)
を
徹
(
とほ
)
す
姉
(
あね
)
が
身
(
み
)
の、
憂
(
う
)
いの
愁
(
つ
)
らいの
數
(
かず
)
も
知
(
し
)
らねば、まち
人
(
びと
)
戀
(
こ
)
ふる
鼠
(
ねづみ
)
なき
格子
(
かうし
)
の
呪文
(
じゆもん
)
、
別
(
わか
)
れの
背中
(
せな
)
に
手加减
(
てかげん
)
の
秘密
(
おく
)
まで、
唯
(
たゞ
)
おもしろく
聞
(
きゝ
)
なされて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何やら
呪文
(
じゆもん
)
をとなへると、すぐその指の
尖
(
さき
)
が
章魚
(
たこ
)
の
疣
(
いぼ
)
のやうになつたので、それでべた/\と壁に吸ひついて、その塀をのりこえて、また豆小僧のあとを追ひました。
豆小僧の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
鉄冠子はそこにあつた青竹を一本拾ひ上げると、口の中に
呪文
(
じゆもん
)
を唱へながら、杜子春と一しよにその竹へ、馬にでも乗るやうに
跨
(
またが
)
りました。すると不思議ではありませんか。
杜子春
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
蚊帳
(
かや
)
と線香と桑原の
呪文
(
じゆもん
)
で表象される迷信的な江戸つ子が、大雷鳴、大夕立の眞つ最中に、
冒涜
(
ばうとく
)
的な言動、——わけても人殺しなどといふ、だいそれたことをやりさうもないことは
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
呆
(
あき
)
れてみてゐましたが、たちまち何やら
呪文
(
じゆもん
)
をとなへると、大きな魚の形になつて、ざあ/\
浪
(
なみ
)
を立てながら、その広い川をまたたくうちに泳ぎきつて、向うへ渡つてしまひました。
豆小僧の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
あれは本當の惡黨さ、——自分で
謎
(
なぞ
)
の
呪文
(
じゆもん
)
を書いて置きながら、用人に、
耶馬臺
(
やばだい
)
の
詩
(
し
)
みたいだ——つて言つたさうだ。誰かに讀んで貰はなきや困るが、自分で讀んぢや
拙
(
まづ
)
かつたのさ。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうして? なぜ?」「あの男は俺の羊を呪つたやつだ。俺は俺の羊飼ひに教はり、三本の
釘
(
くぎ
)
を鍋の中で煮てから、
呪文
(
じゆもん
)
を唱へてやることにした。あの男はその晩に死んでしまつたのだ。」
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
占
(
うらな
)
ひ、
禁呪
(
まじなひ
)
、
呪文
(
じゆもん
)
、そんなものの外に、或種の魔法の杖を持つて歩き、それが倒れた方角と角度と、
顫動
(
せんどう
)
とで、地下の埋藏金を見出す方法をさへ、一般に信じられた時代があつたのでした。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「神農樣をお
祀
(
まつ
)
りして、朝夕燈明をあげて、
呪文
(
じゆもん
)
を稱へる」
銭形平次捕物控:322 死の秘薬
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“呪文”の解説
呪文(じゅもん)は、呪術的な効果を得るために使われる言葉であり、呪術の一要素を成す。多くは定式化されており、期待する効果に応じてそれらを使い分ける。呪文のフレーズには直喩・隠喩が多用されたり、擬音語・節回しなどの音声的な工夫がなされたりする。また神秘性によって効力が高まると考え、古語や意味不明な語句を用いたり、秘密にされたりする場合もある。またはそこから転じて、意味不明な言葉の羅列などを"呪文"と喩える場合もある。
(出典:Wikipedia)
呪
常用漢字
中学
部首:⼝
8画
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
“呪”で始まる語句
呪
呪詛
呪咀
呪禁
呪縛
呪法
呪術
呪師
呪言
呪符