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叢
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むらが
ふりがな文庫
“
叢
(
むらが
)” の例文
そのとき天の方では、日の沈む側に雲が
叢
(
むらが
)
っていた。その一つは
凱旋門
(
がいせんもん
)
に似ていて、次のはライオンに、三番目のは
鋏
(
はさみ
)
に似ている。
冬日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
そのとき天の方では、日の沈む側に雲が
叢
(
むらが
)
っていた。その一つは凱旋門に似ていて、次のはライオンに、三番目のは鋏に似ている。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
パルプを解く槽のあたりに眼をやると、そこに
叢
(
むらが
)
るとうに盛りを過ぎて
萎
(
な
)
えしぼんだ黄水仙が、少し出て来た風に重く揺れている。
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
案内者は燭を點して、われ等をして各〻これを手にせしめつ。降りて石階の上に立てば、誰か能く懷舊の情の胸間に
叢
(
むらが
)
り起るを覺えざらん。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
悔恨と憂悶と希望と妄想と、あらゆる中年の感慨は雲の如くに
叢
(
むらが
)
り湧く。わたしは此の沈痛なる深夜の感慨をよろこぶ。
写況雑記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
間違いもなく、これが探しもとめた彼らのトウベツ川であった。上目づかいに見わたす上流の平原は、ひしめき
叢
(
むらが
)
る樹木つづきの緑の海であった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
高いところに樫の若葉、要の葉、桜、楓、地面に山吹や野茨が
叢
(
むらが
)
り出て緑のヷァリエーションをつくる。
わが五月
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
演奏が
畢
(
おわ
)
ってから、勝三郎らは花園を
観
(
み
)
ることを許された。
園
(
その
)
は
太
(
はなは
)
だ広く、珍奇な
花卉
(
かき
)
が多かった。園を過ぎて
菜圃
(
さいほ
)
に
入
(
い
)
ると、その
傍
(
かたわら
)
に
竹藪
(
たけやぶ
)
があって、
筍
(
たけのこ
)
が
叢
(
むらが
)
り生じていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
此處
(
こゝ
)
は
谷間
(
たにま
)
に
據
(
よ
)
る一
小村
(
せうそん
)
で
急斜面
(
きふしやめん
)
は
茅屋
(
くさや
)
が
段
(
だん
)
を
作
(
つく
)
つて
叢
(
むらが
)
つて
居
(
ゐ
)
るらしい、
車
(
くるま
)
を
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ないから
能
(
よ
)
くは
解
(
わか
)
らないが
漁村
(
ぎよそん
)
の
小
(
せう
)
なる
者
(
もの
)
、
蜜柑
(
みかん
)
が
山
(
やま
)
の
産物
(
さんぶつ
)
らしい。
人車
(
じんしや
)
の
軌道
(
きだう
)
は
村
(
むら
)
の
上端
(
じやうたん
)
を
横
(
よこぎ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
荒野に蔽われた田園は、今ちょうど満開のハリエニシダの花が、方々に
叢
(
むらが
)
り咲いていて、ロンドンの
暗褐色
(
あんかっしょく
)
黄褐色
(
こうかっしょく
)
、——
石板灰色
(
せきばんかいしょく
)
に、あきあきしている目には、とても素晴らしいものに見えた。
自転車嬢の危難
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
雲
(
くも
)
の
叢
(
むらが
)
り立つ
出雲
(
いづも
)
のタケルが腰にした大刀は
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
荷船の帆柱と工場の煙筒の
叢
(
むらが
)
り立つた
大川口
(
おほかはぐち
)
の光景は、
折々
(
をり/\
)
西洋の漫画に見るやうな一種の趣味に
照
(
てら
)
して、
此後
(
このご
)
とも案外長く
或
(
ある
)
一派の詩人を
悦
(
よろこ
)
ばす事が出来るかも知れぬ。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
地に
委
(
ゆだ
)
ねたる石柱の頭と瓦石の
堆
(
たい
)
とは高草の底に沒し、こゝかしこに
色硝子
(
いろガラス
)
の斷片を留めたる
尖弧
(
ゴチツコ
)
式の窓をば幅廣き葡萄の若葉物珍らしげにさし覗き、數丈の高さなる
墻壁
(
しやうへき
)
の上には
荊棘
(
けいきよく
)
叢
(
むらが
)
り生ぜり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
雲の
叢
(
むらが
)
り
起
(
た
)
つ
出雲
(
いずも
)
の國の宮殿。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
荷船の帆柱と工場の煙筒の
叢
(
むらが
)
り立った
大川口
(
おおかわぐち
)
の光景は、折々西洋の漫画に見るような一種の趣味に照して、この
後
(
ご
)
とも案外長く
或
(
ある
)
一派の詩人を
悦
(
よろこ
)
ばす事が出来るかも知れぬ。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
叢
漢検準1級
部首:⼜
18画
“叢”を含む語句
叢林
叢生
一叢
叢中
樹叢
草叢
叢立
叢雲
竹叢
叢竹
矮叢
木叢
叢葉
孔叢子
叢咲
叢書
葉叢
淵叢
稲叢
萩叢
...