“叢竹”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうちく66.7%
むらたけ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
うしろは松やかえでの林です。低い灌木かんぼくの枝が手をつないで拒止している。一方の横は乱岩叢竹そうちく、作兵衛滝の水がその下を通っているのです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叢竹そうちくの中の一本が、ゆさっと仆れた。しばらくすると、無可先生は、尺八にするにしては太すぎるし、みじかくもある一節ひとふしを切って、藪から出て来た。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初更しょこうながら深沈とした奥庭、秋草や叢竹むらたけが、程よく配られた数寄屋すきやの一亭に、古風な短檠たんけいに灯をともしてパチリ、パチリ、と闘石とうせきの音……そして、あたりは雨かとばかりきすだく虫。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石川数正は、黙然と、そのそばで、眼を、庭前の叢竹むらたけに遊ばせていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)