叢竹むらたけ)” の例文
初更しょこうながら深沈とした奥庭、秋草や叢竹むらたけが、程よく配られた数寄屋すきやの一亭に、古風な短檠たんけいに灯をともしてパチリ、パチリ、と闘石とうせきの音……そして、あたりは雨かとばかりきすだく虫。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石川数正は、黙然と、そのそばで、眼を、庭前の叢竹むらたけに遊ばせていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)