叢竹そうちく)” の例文
うしろは松やかえでの林です。低い灌木かんぼくの枝が手をつないで拒止している。一方の横は乱岩叢竹そうちく、作兵衛滝の水がその下を通っているのです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叢竹そうちくの中の一本が、ゆさっと仆れた。しばらくすると、無可先生は、尺八にするにしては太すぎるし、みじかくもある一節ひとふしを切って、藪から出て来た。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌朝、頼春と菊王が眼をさまして、裏庭の流れへ、朝のうがいに出てゆくと、もう叢竹そうちくにかこまれた書院風の一室では、若い人々の気配にまじって、時親の笑い声もながれていた。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
石の陰には叢竹そうちく
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)