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とりえ
ふりがな文庫
“
取得
(
とりえ
)” の例文
いったい、このつづみの与吉ってえ人物は、ほかに何も
取得
(
とりえ
)
はないんですが、逃げ足にかけちゃア天下無敵、おっそろしく早いんです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
早いばかりが
取得
(
とりえ
)
ではない、早いが上に、それがちゃんと物になっているのはさすがに偉いと、わたしはまた今更のように感心させられた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「馬鹿は附け燒刄で、——死んだお袋はさう言ひましたよ。馬鹿見たいに見えるのと、大飯を食ふのがお前の
取得
(
とりえ
)
だと」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それでも
強
(
し
)
ひて『古今集』をほめて言はば、つまらぬ歌ながら万葉以外に一風を成したる処は
取得
(
とりえ
)
にて、
如何
(
いか
)
なる者にても始めての者は珍しく覚え申候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
私
(
わたくし
)
にはそれが
何
(
なに
)
よりつらく、
今更
(
いまさら
)
何
(
なん
)
の
取得
(
とりえ
)
もなき、
昔
(
むかし
)
の
身上
(
みのうえ
)
などを
露
(
つゆ
)
ほども
物語
(
ものがた
)
りたくはございませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
これでは何の
取得
(
とりえ
)
もないが、ここに注意すべきは女房たるもの、兄とその
情人
(
いろ
)
のごときもの、且つ女中に至るまで、よく注意して秘密を守り遂げる信用があるので
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すはやとて両人衣服を
脱
(
ぬぎ
)
すて水に飛入り
泳
(
およ
)
ぎよりて光る物を
探
(
さぐ
)
りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得
(
とりえ
)
て家に
皈
(
かへ
)
り、まづ
灶
(
かまど
)
の
下
(
もと
)
に
置
(
おき
)
しに光り
一室
(
いつしつ
)
を
照
(
てら
)
せり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
見
(
み
)
たら
吃驚
(
びつくり
)
でござりませう
色
(
いろ
)
の
黒
(
くろ
)
い
背
(
せ
)
の
高
(
たか
)
い
不動
(
ふどう
)
さまの
名代
(
めうだい
)
といふ、では
心意氣
(
こゝろいき
)
かと
問
(
と
)
はれて、
此樣
(
こん
)
な
店
(
みせ
)
で
身上
(
しんしやう
)
はたくほどの
人
(
ひと
)
、
人
(
ひと
)
の
好
(
い
)
いばかり
取得
(
とりえ
)
とては
皆無
(
かいむ
)
でござんす
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
バリモントも
態々
(
わざ/\
)
日光へ出掛けるなぞ無駄な事をしたものだが、それでも感服しなかつただけが
取得
(
とりえ
)
だ。矢張評判に
背
(
そむ
)
かないだけの詩人の
感覚
(
センス
)
といふものを持つてゐると見える。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところが、色が黒うて、ただ男まさりな
気丈
(
きじょう
)
と、体の逞しいのが
取得
(
とりえ
)
の乳母じゃ。それをいつも、奥女中たちにからかわれてな、何かにつけ、色の黒いを恥ろうてばかりおった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
部屋は此通り余り好くはなかったが、
取得
(
とりえ
)
は南向で、冬暖かで夏涼しかった。其に一番
尽頭
(
はずれ
)
の部屋で
階子段
(
はしごだん
)
にも遠かったから、
他
(
た
)
の客が通り掛りに横目で部屋の中を
睨
(
にら
)
んで行く憂いはなかった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「馬鹿は付け焼刃で、——死んだお袋はそう言いましたよ。馬鹿見たいに見えるのと、大飯を食うのがお前の
取得
(
とりえ
)
だと」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ことし十八で、いわゆる山出しの世間見ずではあるが、正直一方に働くのを
取得
(
とりえ
)
に、主人夫婦にも目をかけられていた。
半七捕物帳:47 金の蝋燭
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それでも
強
(
し
)
いて『古今集』をほめて言わばつまらぬ歌ながら『万葉』以外に一風を成したるところは
取得
(
とりえ
)
にて、いかなる者にても始めての者は珍らしく覚え申候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
すはやとて両人衣服を
脱
(
ぬぎ
)
すて水に飛入り
泳
(
およ
)
ぎよりて光る物を
探
(
さぐ
)
りみるに、くゝり枕ほどなる石なり、これを
取得
(
とりえ
)
て家に
皈
(
かへ
)
り、まづ
灶
(
かまど
)
の
下
(
もと
)
に
置
(
おき
)
しに光り
一室
(
いつしつ
)
を
照
(
てら
)
せり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
聞説
(
きくならく
)
、曹丞相は、文を読んでは、孔孟の道も明らかにし得ず、武を以ては、
孫呉
(
そんご
)
の
域
(
いき
)
にいたらず、要するに、文武のどちらも中途半端で、ただ
取得
(
とりえ
)
は、
覇道強権
(
はどうきょうけん
)
を徹底的にやりきる信念だけであると。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こう
列
(
なら
)
べ立てると、かれは何だか
取得
(
とりえ
)
のない俳優のように思われるであろうが、なかなかそうでない。それをわたしがこれから語ろうとするのである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
真淵が万葉以外に一派を立てた(一派といひ得べきか否か知らず)のはえらしとするも、その一派なる者が万葉より劣りたる者ならんには、何の
取得
(
とりえ
)
かあるべき。
人々に答ふ
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「ウム、忘れッぽいのもお前の特色だが、早分りがするのもそちの
取得
(
とりえ
)
というもの。一つの大事にかかる以上は、それくらいな気組でいてくれなければ困る。……おお、それはそうと、鳩の密使はどうしたろう?」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そういう都合で、脚の高いのを
取得
(
とりえ
)
に先ずそれを買い込んで、そのまま今日まで使っているわけです。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
全体おもしろくもねえ野郎だと思ったが、おとなしいのを
取得
(
とりえ
)
に今まで可愛がって置いてやったのだ。それになんだ、柄にもねえ光る物なんぞを振り廻しゃあがって……。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕の郷里は田舎にしては珍しく路のいいところだ。まあ、その位がせめてもの
取得
(
とりえ
)
だろう。
こま犬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“取”で始まる語句
取
取出
取縋
取柄
取除
取次
取敢
取交
取做
取付