代理だいり)” の例文
半助はんすけどのに、代理だいりをお願いいたしたい。この呂宋兵衛は、さきごろ桑名くわなで少し右腕みぎうでをいためておりますので……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太郎樣たらうさまへの朝參あさまゐりはかゝさんが代理だいりしてやれば御免ごめんこふむれとありしに、いゑ/\ねえさんの繁昌はんじようするやうにとわたしぐわんをかけたのなれば、まゐらねばまぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
神武天皇じんむてんのうが、大和やまとくにのたかさじといふところで、のち皇后樣こう/″\さまになられた、いすけよりひめといふおかたに、はじめておひなされたとき、おとものおほくめのみことが、天皇樣てんのうさま代理だいり
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
宗助そうすけちゝんだとき東京とうきやうつた小六ころくおぼえてゐるだけだから、いまだに小六ころく他愛たあいない小供こどもぐらゐ想像さうざうするので、自分じぶん代理だいり叔父をぢ交渉かうせふさせ樣抔やうなど無論むろんおこらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
御安心ごあんしんなさいまし、大丈夫だいぢやうぶでせう。」といふところへ、濱野はまのさんが、下駄げたならしてんでもどつて、「づか/\にはからはひりますとね、それ、あのぢいさん。」といふ、某邸ぼうてい代理だいり夜番よばん
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仁和賀にわか金棒かなぼう親父おやぢ代理だいりをつとめしより氣位きぐらいゑらくりて、おびこしさきに、返事へんじはなさきにていふものさだめ、にくらしき風俗ふうぞく、あれがかしらでなくばと鳶人足とびにんそく女房にようぼう蔭口かげぐちきこえぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)