トップ
>
主水
>
もんど
ふりがな文庫
“
主水
(
もんど
)” の例文
「あれは、福原
主水
(
もんど
)
の一件で、殿から、米を喰っているか、と訊かれたという無類の能なしだ。米喰い武士でのうて、米喰い虫だ」
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瑞雲斎と事を
与
(
とも
)
にした人に十津川産の
宮太柱
(
みやたちゆう
)
がある。当時大木
主水
(
もんど
)
と称してゐた。太柱は和漢洋の三学に通ずるを以て聞えてゐた。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかしそれは極秘であって、涌谷と亡き松山(茂庭周防)その子
主水
(
もんど
)
のほかには、この原田家でも側近の数人しか知ってはいない。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この上は主人の鈴川
主水
(
もんど
)
と、かゝり
人
(
うど
)
の杵太郎に逢つて、訊けるだけを聽き出し、それから證據を
手繰
(
たぐ
)
るほかはありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「鬼神お松」「鈴木
主水
(
もんど
)
」「おその
六三
(
ろくさ
)
」「明がらす」など、その当り作として知らる。浄瑠璃にも有名の作少なからず。
明治演劇年表
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
主水
(
もんど
)
も
澄江
(
すみえ
)
も失望したが、とにかく明朝宿を立ち、高萩へ行って猪之松親分を探り、さっきの武士が陣十郎か否か、確かめて見ようと決心した。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あらかじめ
斥候
(
せっこう
)
の連中が皆、上方勢を十万、十四五万と評価して報告して来るうちに、黒田家の毛谷
主水
(
もんど
)
だけが、敵は総勢一万八千に過ぎないと言う。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしてこの評判が源之助の芸格を狭める結果になった。遥かの後昭和十二年十一月明治座に久し振りで鈴木
主水
(
もんど
)
の芝居が出た。主水が宗十郎、白糸が時蔵であった。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
高須
隼人
(
はいと
)
、国家老、本多民部左衛門、川合
蔵人
(
くらんど
)
、家老並、松平
主水
(
もんど
)
、以下用人、番頭、物頭を大手門先の上邸へ招集し、大広間で古事披露の祝宴を張り、宴半ばで
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
この年、江戸で原
主水
(
もんど
)
はじめ五十名、芝で火あぶり。つゞいて、その妻子二十六名、同処で火あぶり。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
秋風が吹いて、
収穫
(
とりいれ
)
が済むころには、よく夫婦の
祭文語
(
さいもんかた
)
りが入り込んで来た。
薄汚
(
うすぎたな
)
い祭文語りは
炉端
(
ろばた
)
へ呼び入れられて、鈴木
主水
(
もんど
)
や
刈萱
(
かるかや
)
道心のようなものを語った。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二葉亭は
手拭
(
てぬぐい
)
を
姉
(
あね
)
さん
被
(
かぶ
)
りにして
箒
(
ほうき
)
を
抱
(
かか
)
え、
俯向
(
うつむ
)
き加減に白い眼を
剥
(
む
)
きつつ、「
処
(
ところ
)
、青山百人町の、鈴木
主水
(
もんど
)
というお
侍
(
さむら
)
いさんは……」と
瞽女
(
ごぜ
)
の
坊
(
ぼう
)
の身振りをして
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
鈴木姓は多く
重
(
しげ
)
の名乗りをつけるが、旗本の中にもある。「春は花咲く青山へんに、鈴木
主水
(
もんど
)
という
武士
(
さむらい
)
が……」などという有名なのがあり、紋所はみんな「稲の丸」である。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
森
主水
(
もんど
)
と云って、此の前にお紺婆の殺されたとき此の家へ出張して犯人夏子を取押えた人で、此の幽霊塔の境内の地理や家の間取りなどは充分に知って居るとの事だから最も妙だ
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
僕等は其夜、鈴木
主水
(
もんど
)
の講談を聞きましたが席が
終
(
はね
)
るや外に出ると、二三人の人が黒田下の交番の方を目がけて小走りに走るので、何事が初まつたかと、僕等も其後について走りました。
夜の赤坂
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
京師の画工丸山
主水
(
もんど
)
(応挙)、女鬼をえがくに名あり。予が蔵する物すぐれて妙なり。なにより思いを構えてえがきはじめたりしや、見る人、毛髪
竦然
(
しょうぜん
)
としてたち、実に神画と称すべし。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「御姓名、お身の上、先程露月よりうけたまわりました。是非一度はお目にかかり度いと存じたところ。わしは根岸に住居いたして当時浪々の大戸
主水
(
もんど
)
、片里と号する菲才でござる。この後とても露月同様、御懇意にお願いいたす」
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
有明
(
ありあけ
)
の
主水
(
もんど
)
に酒屋つくらせて
荷兮
(
かけい
)
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
鈴木
主水
(
もんど
)
というさむらいは
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
家老の
大村郷左衛門
(
おおむらごうざえもん
)
の一子大村
主水
(
もんど
)
を仮に藩侯の準養子として、幕府に十年の猶予をねがい、ほんとの世継を決定することになっている。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次で十九日に又大久保五岳、島根近路、
打越
(
うちごし
)
古琴と墨田川に遊んだ。五岳、名は
忠宜
(
ちゆうぎ
)
、当時の菓子商
主水
(
もんど
)
である。近路古琴の二人の事は未だ考へない。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
原
主水
(
もんど
)
以来の熱心な信者が、
刑戮
(
けいりく
)
に洩れて、地下に潜み、あるいは転び切支丹となって、ひそかに邪宗門帰依を続けていたことは充分想像されることで
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
青山五丁目六丁目は百人町の武家屋敷で、かの
瞽女節
(
ごぜぶし
)
でおなじみの「ところ青山百人町に、鈴木
主水
(
もんど
)
という侍」
半七捕物帳:54 唐人飴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
正座に二人、国老の柴田外記と原田甲斐が坐り、脇に三人、宿老の富塚
内蔵允
(
くらのすけ
)
、茂庭
主水
(
もんど
)
、遠藤又七郎がいた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
前後を
囲繞
(
いにょう
)
した家臣の面々、志水浦太夫、原信濃、野尻右馬介、河越喜翁、千村民部、奈良井
主水
(
もんど
)
、萩原又兵衛、大妻三河、古畑権内、木曽
伯耆
(
ほうき
)
、山村七郎、馬場半左衛門、征矢野六郎、磯尾新兵衛
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
相客に松平
主水
(
もんど
)
を呼んでおくから
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
主殿助は、その前に、矢倉の上の兵を、みな遠ざけていたので、すぐ野々村
主水
(
もんど
)
からの密書を示し、前後を見まわして囁いた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この裁決は、茂庭
主水
(
もんど
)
から申し渡す、という報告が来たのは、三月末のことで、甲斐はいちおうほっとした。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「十五日。晴。今川橋大久保に行。」蘭軒の父
信階
(
のぶしな
)
の養母にして信政の妻であつた伊佐の生家、菓子商大久保
主水
(
もんど
)
は庚午の歳に猶店を今川橋に持続してゐて
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
それにも
拘
(
かゝ
)
はらず、進んで離屋に寢泊りすることを望んだのは、主人鈴川
主水
(
もんど
)
の眼をのがれて、自由自在に女を引入れられる、飛んでもない自由さがあつたからです。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
肩の格好や歩き方が、恋人
主水
(
もんど
)
に似ているからであった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
主水
(
もんど
)
は自若とした面持で
無惨やな
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
郷左衛門は、玉枝や
主水
(
もんど
)
と並んで、一同のうしろでその様子を眺めていたが、まず、これでよかったというように頷いて——
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尤も、後で主人の鈴川
主水
(
もんど
)
にも確かめましたが、猪之松の言ふことに間違ひはありません。
銭形平次捕物控:314 美少年国
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
或日鑑三郎は現住所福島市大町から上京して、
再従兄
(
さいじゆうけい
)
窪田
寛
(
くわん
)
さんと共にわたくしの家を訪うた。啓の父清三郎の子が
主水
(
もんど
)
、主水の子が即寛で、現に
下谷仲徒士町
(
したやなかかちまち
)
に住してゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
主水
(
もんど
)
とそうして
澄江
(
すみえ
)
とであった。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「はい、江戸表から参った玉枝でござりまする。お国家老
大村郷左衛門
(
おおむらごうざえもん
)
様か、ご子息の
主水
(
もんど
)
様にお取次をねがいまする」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「一應尤もだが、天下
靜謐
(
せいひつ
)
の折柄、無理な
詮索
(
せんさく
)
をして江戸から切支丹教徒を擧げるのは面白くない。原
主水
(
もんど
)
一味の刑死以來、久しく
血腥
(
ちなまぐさ
)
い邪宗徒の仕置が絶えてゐるのだから——」
銭形平次捕物控:135 火の呪ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
主水
(
もんど
)
様」
善悪両面鼠小僧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
与右衛門は勇躍して、
主水
(
もんど
)
を追跡した。そして南部領へ落ちて行こうとする彼を、出羽街道の
碇
(
いかり
)
ヶ
関
(
せき
)
の山中で見つけ
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元和九年十一月二十四日、イタリー人エロニモ師や、
嘗
(
かつ
)
ては千五百石を
食
(
は
)
んだ家康の小姓、ヨハネ原
主水
(
もんど
)
の党類を
漁
(
あさ
)
り尽すに、町奉行
米津勘兵衛
(
よねづかんべえ
)
以下
血眼
(
ちまなこ
)
になっておる時のことでした。
十字架観音
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
変に思って、顔をのぞいてみると、姿も皮膚の色もまるで変ってしまっているが、それは十数年前に
碇
(
いかり
)
ヶ
関
(
せき
)
の山中でわかれた福原
主水
(
もんど
)
のなれの果てであった。
鬼
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
別當赤井
主水
(
もんど
)
樣と、直々のお話もいたしましたが、お組もお蝶も、宗祖樣ことの外お氣に入りで、容易に歸してくれ相もなく、三輪の萬七親分にも頼み、寺社のお係にも申上げましたが
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
野々村
主水
(
もんど
)
は、ぜひなげに、立ち上がった。何か、胸のいたむものが、部下たちのうえに、思いやられ、つい、
憤然
(
ふんぜん
)
と、色になって、かれの顔をかすめていた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御隱居の
主水
(
もんど
)
樣、御隱居と申しても、實は御先代の惣領で、八十郎樣には、腹違ひの御兄樣に當りますが、御病弱の上お足も惡く、それに學問がお好きで、武家の跡取になるのはお嫌だと申し、屋敷の外に一軒小さい家を
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
主水
(
もんど
)
を用いて、大沢治郎左衛門を、斎藤家から離反させ——そしてまた、その大沢治郎左衛門を用いて、美濃三人衆の人物を、一人一人歯を抜くように抜いてゆくという順序だが」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
主水
(
もんど
)
樣は?」
銭形平次捕物控:216 邪恋の償ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「病中のため、御舎弟
主水
(
もんど
)
殿をあれに付き添わせましてござります」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どこにおるのか、その
主水
(
もんど
)
なる者は」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やあ、
主水
(
もんど
)
か。どうだ、陥ちたか」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
主
常用漢字
小3
部首:⼂
5画
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
“主水”で始まる語句
主水正
主水正正清
主水佑
主水司
主水町
主水元苗
主水重昌
主水佐重矩
主水正政成
主水正親業