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鳥目
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てうもく
ふりがな文庫
“
鳥目
(
てうもく
)” の例文
談話
(
はなし
)
が済むと、どんな人でもがついお
鳥目
(
てうもく
)
をはずみたくなるものだが、
生憎
(
あひにく
)
な事にモツアルトはその折
懐中
(
ふところ
)
に少しも持合せてゐなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
小助
(
こすけ
)
さん、
濟
(
す
)
みませんが、
其
(
それ
)
だけれど
私
(
わたし
)
お
鳥目
(
てうもく
)
は
持
(
も
)
ちません。
何
(
なに
)
か
品
(
しな
)
もので
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
はせておくんなさいまし。
其
(
それ
)
だと
何
(
ど
)
うにかしますから。」
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
買ふお
鳥目
(
てうもく
)
位はありますがな、大の男が餅屋の店先に突つ立つて頬張るのも色氣が無さ過ぎると思つて、ツイ獨り者らしい
愚痴
(
ぐち
)
を言つたんですよ
銭形平次捕物控:275 五月人形
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
厭
(
いと
)
はず
未明
(
みめい
)
より起出て
枝豆
(
えだまめ
)
其外時の物を
自身
(
じしん
)
賣歩行
(
うりあるき
)
難澁
(
なんじふ
)
をも
厭
(
いと
)
はず孝行盡し候
段
(
だん
)
幼年
(
えうねん
)
には似合ざる孝心
奇特
(
きどく
)
之事に候
依
(
よつ
)
て御
褒美
(
はうび
)
として
鳥目
(
てうもく
)
十貫文
取
(
とら
)
せ
遣
(
つか
)
はす
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
無暗
(
むやみ
)
にあわてた。折りも折、舎内で時計やお
鳥目
(
てうもく
)
の紛失が
頻々
(
ひん/゜\
)
と伝はつた。私は消え入りたい思ひであつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
▼ もっと見る
それからこん度島へお遣下さるに付きまして、二百文の
鳥目
(
てうもく
)
を戴きました。それをここに持つてをります。
高瀬舟
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
釋尊、八幡のうまれ替りとや申さん。日蓮は凡夫なれば
能
(
よく
)
は
知
(
しら
)
ず。
是
(
これ
)
併
(
しかし
)
、日蓮が
符
(
ふ
)
を
進
(
まゐ
)
らせし
故
(
ゆゑ
)
也
(
なり
)
。さこそ
父母
(
ふぼ
)
も
悦
(
よろこ
)
び
給覽
(
たまふらん
)
。誠に御祝として、餅、酒、
鳥目
(
てうもく
)
一
貫文
(
くわんもん
)
送給候畢
(
おくりたまひさふらひぬ
)
。
尼たちへの消息:――よく生きよとの――
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
承知
(
しようち
)
だよ、
承知
(
しようち
)
だよ。お
鳥目
(
てうもく
)
がねえとか、
小遣
(
こづかひ
)
は
持
(
も
)
たねえとか
云
(
い
)
ふんだらう。
働
(
はたらき
)
のねえ
奴
(
やつ
)
は
極
(
きま
)
つて
居
(
ゐ
)
ら、と
恁
(
か
)
う
云
(
い
)
つては
濟
(
す
)
まないのさ。
其處
(
そこ
)
はお
秋
(
あき
)
さんだ。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「世の中に何が嬉しいといつたつて、
途
(
みち
)
で落したお
鳥目
(
てうもく
)
が自分の手に
還
(
かへ
)
つた時の気持ほどいゝものはございません。お上人様は御存じでいらつしやいますか。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
二三本の
卒塔婆
(
そとば
)
が亂暴に突きさゝれた形ばかりの土饅頭にさぞ雜草が生ひ茂つてゐるだらうことを氣にして、
窃
(
そ
)
つと墓守に若干のお
鳥目
(
てうもく
)
を送つてお墓の掃除を頼んだりした。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
上て
回向
(
ゑかう
)
を願ひ度と夫九助へ頼みければ九助も其孝心を感じて今金谷村より歸りし
草臥足
(
くたびれあし
)
をも
厭
(
いと
)
はず再び白米五升と
鳥目
(
てうもく
)
二
貫文
(
くわんもん
)
を自身に
背負
(
せおひ
)
行
(
ゆき
)
大
源和尚
(
げんをしやう
)
へ回向を頼みしかば和尚も其
志操
(
こゝろざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それから口の小さい
素燒
(
すやき
)
の
徳利
(
とくり
)
へへちまの水を詰めさしたり、白粉と紅とを取揃へたり、お
鳥目
(
てうもく
)
を出さうとして帶の間へ手をやつた時は、先程から我慢して居た恐ろしい
眠氣
(
ねむけ
)
が急に
襲
(
おそ
)
つて來て
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
鳥目
(
てうもく
)
といふものもあつたが、主人の考へでは、あれは
他
(
ひと
)
から貰ふもので、
他
(
ひと
)
に呉れてやるものではなかつた。——所が、ふと思ひついたのは
件
(
くだん
)
の巻煙草で、主人はせつせと拾い溜めた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ある牧師がすつかり上機嫌でいつものやうに、
杖
(
ステツキ
)
を
小腋
(
こわき
)
に抱へ込んで
市街
(
まち
)
をぶらぶら散歩してゐると、ふと
途
(
みち
)
の片側に乞食が一人
衝立
(
つゝた
)
つて、
往来
(
ゆきき
)
の人にお
鳥目
(
てうもく
)
をねだつてゐるのが目についた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
僧侶
(
ばうず
)
の話では、仏様はそんな物よりもお
鳥目
(
てうもく
)
の方が好きらしかつたから。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鳥
常用漢字
小2
部首:⿃
11画
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
“鳥目”で始まる語句
鳥目取