顏色かほつき)” の例文
新字:顔色
と、黄昏たそがれ出會頭であひがしらに、黒板塀くろいたべい書割かきわりまへで、立話たちばなしはなしかけたが、こゝまで饒舌しやべると、わたしかほて、へん顏色かほつきをして
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かたり取たる段相違なきや此儀は證據人の久八の前にあり如何々々いかに/\糺問たゞしありしに長庵は仰天ぎやうてんせし顏色かほつきして是は/\又しても御奉行樣の御難題なんだいばかり私し曾て伊勢屋千太郎などと云名前も知らずましてや五十兩の金子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若氣わかげ思込おもひこんだやうな顏色かほつきをしてつた。川柳せんりう口吟くちずさんでかむりづけをたのしむ、結構けつこう部屋へやがしらの女房にようばうを、ものして、るからしからぬ。
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
最初さいしよから二人ふたり對坐さしむかひで、人交ひとまぜもせぬでなにむつまじさうにはなしをしてたが、みんながわい/\つて立騷たちさわぐのをようともせず、まるで別世界べつせかいるといふ顏色かほつきでの。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ばれてげると、かさやぶれて、かみかぶせた、黄色きいろくすぶつたほやのうへへ、まゆやさしいひたひせた、ほゝのあたりが、ぽつとしろく、朧夜おぼろよちたかづらと顏色かほつき
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
虎口ここうのがれたる顏色かほつきの、うだ、北八きたはち恐入おそれいつたか。餘計よけいくちくもんぢやないよ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そば黒人くろんぼたちも、めう顏色かほつきところ……ね……
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)