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雪沓
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ゆきぐつ
ふりがな文庫
“
雪沓
(
ゆきぐつ
)” の例文
みちももうそんなにけはしくはありませんでしたし雪もすこし薄くなったやうでした。それでも二人の
雪沓
(
ゆきぐつ
)
は早くも一寸も埋まりました。
ひかりの素足
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
蓑
(
みの
)
だとか
雪沓
(
ゆきぐつ
)
だとか、
背中当
(
せなあて
)
とか背負袋とか、そういう民具に立派な手の技を示します。集めたら心をそそる陳列となるでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
古い風呂敷で頭をネッカチーフのように包み、小さなリュックサックを背負い、もんぺに
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいている、りつ子であった。
おごそかな渇き
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この仕事が早いとともに純真なものだったら! 雪がふかいときは人々は鉄の馬に
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはかせ、巨大な
犁
(
すき
)
で山から海沿いにかけて
畝
(
うね
)
をつくり
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
吹雪の小やみに、時々、青い月かと思うような空明りが
映
(
さ
)
す。犬のように、宿場端れをのそのそと
雪沓
(
ゆきぐつ
)
で踏んで来ると
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
病室の片側には綱を掛けて
陸中
(
りくちゅう
)
小坂
(
おさか
)
の木同より送り来し
雪沓
(
ゆきぐつ
)
十種ばかりそのほかかんじき
蓑
(
みの
)
帽子など掛け並べ
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「あんた等に貸したその
雪沓
(
ゆきぐつ
)
は、脱いだらそのまゝ旅館へ預けて置いて下せえ。わしらもどうせ、五月八日の赤城さまのお祭りには大洞へ上りますだから」
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
或
(
あ
)
る
年
(
とし
)
の
冬
(
ふゆ
)
は
雪沓
(
ゆきぐつ
)
を
穿
(
は
)
いて、
吉備国
(
きびのくに
)
から
出雲国
(
いずものくに
)
への、
国境
(
くにざかい
)
の
険路
(
けんろ
)
を
踏
(
ふ
)
み
越
(
こ
)
える。
又
(
また
)
或
(
あ
)
る
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
には
焼
(
や
)
くような
日光
(
ひ
)
を
浴
(
あ
)
びつつ
阿蘇山
(
あそざん
)
の
奥深
(
おくふか
)
くくぐり
入
(
い
)
りて
賊
(
ぞく
)
の
巣窟
(
そうくつ
)
をさぐる。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
若者は、宵の口から、藁製の
雪沓
(
ゆきぐつ
)
を
穿
(
は
)
き、その下にかつちき(
樏
(
かんじき
)
の義)を著けて湖上へ出かける。綿入を何枚も重ねた上に厚い
袢纏
(
はんてん
)
を纏ふのであるから、体は所謂着ぶくれになる。
諏訪湖畔冬の生活
(新字旧仮名)
/
島木赤彦
(著)
雪沓
(
ゆきぐつ
)
などを取り騒いで買い込んでいる人たちを後にひとりでまた外に出てしまった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
珠運
(
しゅうん
)
梅干渋茶に夢を
拭
(
ぬぐ
)
い、朝
飯
(
はん
)
平常
(
ふだん
)
より
甘
(
うま
)
く食いて
泥
(
どろ
)
を踏まぬ
雪沓
(
ゆきぐつ
)
軽
(
かろ
)
く、
飄々
(
ひょうひょう
)
と
立出
(
たちいで
)
しが、折角
吾
(
わが
)
志
(
こころざし
)
を彫りし
櫛
(
くし
)
与えざるも残念、家は宿の
爺
(
おやじ
)
に
聞
(
きき
)
て街道の
傍
(
かたえ
)
を
僅
(
わずか
)
折り曲りたる所と知れば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
山人
(
やまびと
)
の
雪沓
(
ゆきぐつ
)
はいて杖ついて
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
雪の道は凍っていてぬかるみはない、空もようを慥かめたさわは、
被布
(
ひふ
)
をはおって
頭巾
(
ずきん
)
をかぶり、
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいてでかけた。
榎物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
同じ荒物屋で売る品で感心するのは
蒲
(
がま
)
で編んだ
雪沓
(
ゆきぐつ
)
で、男のは白いフランネルで女のは赤いので
縁
(
ふち
)
を取ります。編み方が丁寧で形に
品
(
ひん
)
があります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
「しょうがねえでさあ。あんな
雪沓
(
ゆきぐつ
)
なら何処にだってありまさあね。」とN老人。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
四郎とかん子とは小さな
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいてキックキックキック、野原に出ました。
雪渡り
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かれらはまた眼を見交わし、ぐずぐずと
蓑
(
みの
)
をぬいで、はいって来た。二人とも泥だらけの
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいていた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
会津の山々は雪の多いところとて、
藁
(
わら
)
で出来た
雪踏
(
ゆきぶみ
)
や
雪沓
(
ゆきぐつ
)
や、
曲木
(
まげき
)
の
樏
(
かんじき
)
や形の面白いのを見かけますが、かかる品を求めるには一番山奥の
檜枝岐
(
ひのえまた
)
を訪ねるに
如
(
し
)
くはありません。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
四郎とかん子とは小さな
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいてキックキックキック、野原に出ました。
雪渡り
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
彼女たちは
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をぬいで、腰掛の上に坐り、甲斐に給仕しながら、自分たちも飲みはじめた。彼女たちが飲むのは、酒を好むからではなく、話しのすべりをよくするためのようであった。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
四郎とかん子はそこで小さな
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいてお餅をかついで外に出ました。
雪渡り
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
四郎とかん子はそこで小さな
雪沓
(
ゆきぐつ
)
をはいてお餅をかついで外に出ました。
雪渡り
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
沓
漢検準1級
部首:⽔
8画
“雪”で始まる語句
雪
雪崩
雪駄
雪洞
雪隠
雪解
雪白
雪踏
雪舟
雪隱