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阿闍梨
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あじゃり
ふりがな文庫
“
阿闍梨
(
あじゃり
)” の例文
彼らは千枝太郎に礼をいって、まだ
哮
(
たけ
)
り狂っている老僧を宙にかつぐように連れて行った。狂える老僧は法性寺の
阿闍梨
(
あじゃり
)
であった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「そうとも、おのおのは、宿房に帰って、院主や
阿闍梨
(
あじゃり
)
たちにも、このことを告げて、一山をうごかせ!」と、さけんで、別れた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宮様の御忌日のことはあの
阿闍梨
(
あじゃり
)
に万事皆頼んできました。山荘のほうは私の希望を申せば仏様だけのものにしていただきたいのですよ。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
浄円
阿闍梨
(
あじゃり
)
といや、天海寺の天海僧正と、どっちこっちといわれたほどもこの江戸じゃ名の高かった真言宗のお坊さんなんだ。
右門捕物帖:29 開運女人地蔵
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
法然の師範であった功徳院の肥後
阿闍梨
(
あじゃり
)
皇円は、叡山杉生法橋皇覚の弟子で、顕密の碩才であったが、或時つらつら思うよう
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
かねがね、この御腹に、一人皇子が欲しいと望んでいられたが、当時、その道では聞えた三井寺の頼豪
阿闍梨
(
あじゃり
)
を呼び出した。
現代語訳 平家物語:03 第三巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
また朝日の
阿闍梨
(
あじゃり
)
という僧が、
安倍
(
あべ
)
の
某
(
ぼう
)
という
陰陽師
(
おんようじ
)
の家に忍び込んでいて、発覚して
遁
(
に
)
げ出そうとするところを見つけて
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
父が自分の娘を知ると、生れて来る子供はかならず
阿闍梨
(
あじゃり
)
になる。聖人はみなそのようにして生れでたもので、母方の祖父こそ、じつは聖人の父親なのだ
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
『
日吉
(
ひえ
)
社神道秘密記』に鼠の祠は子の神なり、御神体鼠の面、俗形
烏帽子
(
えぼし
)
狩衣
(
かりぎぬ
)
、伝説に昔皇子誕生あるべきよう三井寺の
頼豪
(
らいごう
)
阿闍梨
(
あじゃり
)
に
勅定
(
ちょくじょう
)
あり、百社祈って御誕生あり
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼はいう、——先師全和尚
入宋
(
にっそう
)
を企てた時に、その師
叡山
(
えいざん
)
の明融
阿闍梨
(
あじゃり
)
が重病で死に
瀕
(
ひん
)
した。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
あちらの寝殿を御堂に直すことを
阿闍梨
(
あじゃり
)
に命じて来ました。お許しを得ましてから、他の場所へ移すことにも着手させましょう。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
阿闍梨
(
あじゃり
)
、よけいなことは仰せられずに、一同の疑問について、
疾
(
と
)
く、
糺
(
ただ
)
されい」と、誰かがどなった。四王院は、うなずいて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に下女は睡ったまま死んだという(コックスの『民俗学入門』四三頁)。本邦でも『太平記』に見えた
頼豪
(
らいごう
)
阿闍梨
(
あじゃり
)
、『四谷怪談』のお岩など冤魂が鼠に化けたとした。
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お前も、いずれは子をひりだす
洞穴
(
ほらあな
)
を持っているわけだが、おなじ生むなら、聖人になるような立派な子を生むがいい。父が自分の娘を知ると、生れて来る子供はかならず
阿闍梨
(
あじゃり
)
になる。
無月物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
すると先程からこの様子にみかねたのか、
西塔
(
さいとう
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
で、
祐慶
(
ゆうけい
)
という、名うての荒法師が、白柄の
大長刀
(
おおなぎなた
)
を杖について、七尺の長身を波うたせながら、人の列をかきわけて前に出てくると
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
この村の農民治右衛門が家に金屋神と題する一軸の巻物がある。本文は
梵字
(
ぼんじ
)
をもって記し末に江州文宮導人廻国時示之、伝燈大
阿闍梨
(
あじゃり
)
重盛判、授者雪下正家伝之、慶長二年神无月吉日とある云々。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
引連れて功徳院肥後
阿闍梨
(
あじゃり
)
皇円の
許
(
もと
)
に入室させた。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
阿闍梨
(
あじゃり
)
にもなっていいだけの資格がありそうだね。名誉を求めないで修行一方で来た人なんだろう。それで一般人に知られなかったのだ」
源氏物語:05 若紫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「勧進の連名に、光秀が名をかしては、安土の君にたいして、畏れあるが、
阿闍梨
(
あじゃり
)
に会うてつかわすぐらいは、べつに
憚
(
はばか
)
ることもあるまいが」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
醍醐
(
だいご
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
さんの世話に手がかかりましてね、仕立て物が間に合いませんでした上に、毛皮なども借りられてしまいまして寒いのですよ」
源氏物語:23 初音
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「何ですかじゃあないっ。おまえ達は、
阿闍梨
(
あじゃり
)
さまのお次に大人しく控えていて、ご用を承らなければいけないじゃないか」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
他の人に
物怪
(
もののけ
)
を移し、どんなものがこうまで人を苦しめるかと話をさせるため、弟子の
阿闍梨
(
あじゃり
)
がとりどりにまた加持をした。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「いや、その栄位も捨てて、
遷化
(
せんげ
)
する心だという者がある。四王院の
阿闍梨
(
あじゃり
)
や、青蓮院の僧正などは、それでひそかに、心配しているらしい」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
阿闍梨
(
あじゃり
)
も
音問
(
おとずれ
)
の使いはおりおり送っても、宮のおいでにならぬ山荘へ彼自身は来てもかいのないこととして顔を見せない。
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
嵯峨
(
さが
)
の
仁和寺
(
にんなじ
)
に、
麿
(
まろ
)
の
親身
(
しんみ
)
な
阿闍梨
(
あじゃり
)
がわたらせられるほどに、ひとまずそれへお
越
(
こ
)
し
召
(
め
)
されて、しばらくは天下の
風雲
(
ふううん
)
をよそに、世のなりゆきを見ておわせ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧都は
弟子
(
でし
)
を呼んだ。はじめに宇治でこの人を発見した夜の
阿闍梨
(
あじゃり
)
が二人とも来ていたので、それを座敷の中へ来させて
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
起
(
た
)
ったのは、妙光坊の
阿闍梨
(
あじゃり
)
玄尊だった。「はっ」と
答
(
いら
)
えて、前へすすみ出で、両親王の床几へ
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧都は親しくてよい
弟子
(
でし
)
としている
阿闍梨
(
あじゃり
)
を付き添わせてやったのであって、仏像、経巻の供養を初瀬では行なわせた。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ふつう、はれの日に出る騎者たちは、おのおの、日ごろ信仰する僧家へ行って、
阿闍梨
(
あじゃり
)
や上人たちから、
鞭加持
(
むちかじ
)
をしてもらい、そのあと、親類朋友をあつめて、
大振舞
(
おおぶるまい
)
をするのが例になっている。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朝立った霧が終日山を
這
(
は
)
っている日のような暗い気持ちで宮は暮らしておいでになったが、この宇治に聖僧として尊敬してよい
阿闍梨
(
あじゃり
)
が一人いた。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
阿闍梨
(
あじゃり
)
は聞いて
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
修法
(
しゅほう
)
をする
阿闍梨
(
あじゃり
)
たち、
夜居
(
よい
)
の僧などは院の御心痛のはなはだしさを拝見することの心苦しさに一心をこめて皆祈った。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
阿闍梨
(
あじゃり
)
にはずっと以前から御遺言があったことであるから、葬送のこともお約束の言葉どおりにこの僧が扱ってした。
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
夜が明けたので薫は帰ろうとしたが、昨夜遅れて京から届いた絹とか綿とかいうような物を
御寺
(
みてら
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
へ届けさせることにした。弁の尼にも贈った。
源氏物語:51 宿り木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「道もわからなくなりましたからここでごやっかいになりましょう、かないますならこの
御簾
(
みす
)
の前を拝借させてください。
阿闍梨
(
あじゃり
)
の御用が済むまでです」
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
以前の
阿闍梨
(
あじゃり
)
も今は律師になっていた。その人を呼び寄せて
浮舟
(
うきふね
)
の法事のことを大将は
指図
(
さしず
)
していた。念仏の僧の数を増させることなども命じたのであった。
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
阿闍梨
(
あじゃり
)
も
夜居
(
よい
)
の護持僧を勤めていて、少し居眠りをしたあとでさめて、
陀羅尼
(
だらに
)
を読み出したのが、老いたしわがれ声ではあったが老巧者らしく頼もしく聞かれた。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と言い、まず
御寺
(
みてら
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
、それから
祈祷
(
きとう
)
に効験のあると言われる僧たちを皆山荘へ薫は招いた。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
兄の
阿闍梨
(
あじゃり
)
がそこに来ているのだったら、それもいっしょに来るようにと惟光に言わせるのだ。母親の尼さんなどが聞いて気にかけるから、たいそうには言わせないように。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
日が暮れてからは
灯
(
ひ
)
を近くへお置きになり、薫といっしょに研究しておいでになった経文の解釈などについて
阿闍梨
(
あじゃり
)
をも寺からお迎えになって意見をお言わせになったりもした。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
この時節は
河
(
かわ
)
に近い山荘では
網代
(
あじろ
)
に当たる波の音も騒がしくやかましいからとお言いになって、
阿闍梨
(
あじゃり
)
の寺へおいでになり、念仏のため
御堂
(
みどう
)
に七日間おこもりになることになった。
源氏物語:47 橋姫
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
惟光
(
これみつ
)
の兄の
阿闍梨
(
あじゃり
)
は人格者だといわれている僧で、その人が皆引き受けてしたのである。源氏の詩文の師をしている親しい某
文章博士
(
もんじょうはかせ
)
を呼んで源氏は故人を仏に頼む
願文
(
がんもん
)
を書かせた。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
などと言い置き、
御寺
(
みてら
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
にも熱心に
祈祷
(
きとう
)
をするように告げさせて山荘を出た。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
惟光の兄の
阿闍梨
(
あじゃり
)
、乳母の婿の
三河守
(
みかわのかみ
)
、娘などが皆このごろはここに来ていて、こんなふうに源氏自身で見舞いに来てくれたことを非常にありがたがっていた。尼も起き上がっていた。
源氏物語:04 夕顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
あの
阿闍梨
(
あじゃり
)
の所から、
雪解
(
ゆきげ
)
の水の中から摘んだといって、
芹
(
せり
)
や
蕨
(
わらび
)
を贈って来た。
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
それの
叔父
(
おじ
)
にあたる
阿闍梨
(
あじゃり
)
、そのまた親しい
弟子
(
でし
)
、もとから心安い老僧などで忌中を
籠
(
こも
)
ろうとして来ていた人たちなどだけに真実のことを知らせ遺骸のあってする葬式のように繕わせて出す時
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
御寺
(
みてら
)
の
阿闍梨
(
あじゃり
)
の所から
源氏物語:50 早蕨
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
“阿闍梨”の解説
阿闍梨(あじゃり、あざり、sa: ācārya、pi: ācariya、蔵: slob dpon)とは、「先生」の意味。阿舎梨・阿闍梨耶とも音写。と漢訳する。
(出典:Wikipedia)
阿
漢検準1級
部首:⾩
8画
闍
漢検1級
部首:⾨
17画
梨
常用漢字
小4
部首:⽊
11画
“阿闍梨”で始まる語句
阿闍梨性範
阿闍梨真海
阿闍梨祐円
阿闍梨蓮忍
阿闍梨覚淵