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金鍔
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きんつば
ふりがな文庫
“
金鍔
(
きんつば
)” の例文
つまらない、
廃
(
よ
)
せばいいのにと思った。気の毒だと思った。それでも清は可愛がる。折々は自分の
小遣
(
こづか
)
いで
金鍔
(
きんつば
)
や
紅梅焼
(
こうばいやき
)
を買ってくれる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……
余程
(
よっぽど
)
曳船へ廻りたかった。堅豌豆ぬきの精進揚か、いや、そんなものは東海会社社長の船には積むまい。豆大福、
金鍔
(
きんつば
)
か。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
塩梅
(
あんばい
)
に児供の時分から少し変っていたので、二葉亭を可愛がっていた
祖母
(
おばあ
)
さんは「この子は
金鍔
(
きんつば
)
指
(
さ
)
すか
薦
(
こも
)
被
(
き
)
るかだ、」
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
其代りね、
金鍔
(
きんつば
)
を髮結錢位と思つて買つてやるんですが、それがどれ程いゝ心持なんですかね、其の嬉しい容子を見ちやなんでなくつても買つて遣るのが惜しかありませんね。
おふさ
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
男の名は
金鍔
(
きんつば
)
次兵衛の通り名で日本全土に知られてゐたが、その本名は誰も知らない。
わが血を追ふ人々
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
たとえばやはり同じ『
灰汁桶
(
あくおけ
)
』の巻で、芭蕉の「
蛭
(
ひる
)
の
口処
(
くちど
)
をかきて気味よき」や「
金鍔
(
きんつば
)
」や「加茂の社」のごときはなかなか容易に発見されるような歯車の連鎖を前々句に対して示さない。
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
金鍔
(
きんつば
)
をもう一つというので、定公め、なかなか腰を上げないのだが、べつに急ぐこともないので、幸吉もついそのまま、のんべんだらりと茶店に根を生やしていると……めずらしい晴天だから
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
金鍔
(
きんつば
)
は
二錢
(
にひやく
)
で
四個
(
よんこ
)
あつた。
四海
(
しかい
)
波
(
なみ
)
靜
(
しづか
)
にして
俥
(
くるま
)
の
上
(
うへ
)
の
花見
(
はなみ
)
のつもり。いや
何
(
ど
)
うも
話
(
はなし
)
にならぬ。が
此
(
こ
)
の
意氣
(
いき
)
を
以
(
もつ
)
てして
少々
(
せう/\
)
工面
(
くめん
)
のいゝ
連中
(
れんぢう
)
、
誰
(
たれ
)
か
自動車
(
じどうしや
)
……
圓
(
ゑん
)
タクでも
可
(
い
)
い。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
袂
(
たもと
)
からおみやげの
金鍔
(
きんつば
)
と焼き
栗
(
ぐり
)
を出して余のノートを読んでいる机のすみへそっとのせて、便所へはいったがやがて出て来て青い顔をして机のそばへすわると同時に急に
咳
(
せき
)
をして血を吐いた。
どんぐり
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
四人目のトメイ次兵衛は
金鍔
(
きんつば
)
次兵衛(又は次太夫とも云ふ)の名によつて当時天下を
聳動
(
しょうどう
)
させた人物で、神出鬼没を極め、切支丹伴天連の妖術使ひと信じられて、九州諸大名の軍勢数万人を飜弄した。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
小銅五厘
也
(
なり
)
、交番へ届けると、このお
捌
(
さば
)
きが面白い、「
若
(
おはん
)
、
金鍔
(
きんつば
)
を食うが
可
(
よ
)
かッ。」勇んで飛込んだ菓子屋が、立派過ぎた。「
余所
(
よそ
)
へ行きな、金鍔一つは売られない。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そのうへ、
金鍔
(
きんつば
)
次兵衛が登場したとも言はれてゐる。
島原の乱雑記
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
いささか
気障
(
きざ
)
ですが、うれしい悲しいを通り越した、辛い涙、渋い涙、鉛の涙、男女の
思迫
(
おもいせま
)
った、そんな味は覚えがない、ひもじい時の、芋の涙、豆の涙、
餡
(
あん
)
ぱんの涙、
金鍔
(
きんつば
)
の涙。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
淺草
(
あさくさ
)
でも、
銀座
(
ぎんざ
)
でも、
上野
(
うへの
)
でも——
人
(
ひと
)
の
往來
(
ゆきき
)
、
店
(
みせ
)
の
構
(
かま
)
へ、
千状萬態
(
せんじやうばんたい
)
、
一卷
(
ひとまき
)
に
道中
(
だうちう
)
の
繪
(
ゑ
)
に
織込
(
おりこ
)
んで——また
内證
(
ないしよう
)
だが——
大福
(
だいふく
)
か、
金鍔
(
きんつば
)
を、
豫
(
かね
)
て
袂
(
たもと
)
に
忍
(
しの
)
ばせたのを、ひよいと
食
(
や
)
る、
其
(
そ
)
の
早業
(
はやわざ
)
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ついでにお茶請の御註文が、——栄太楼の
金鍔
(
きんつば
)
か、
羊羹
(
ようかん
)
も
真平
(
まっぴら
)
だ。芝の
太々餅
(
だいだいもち
)
芳
(
かん
)
ばしくって歯につかず、ちょいといいけれど、
路
(
みち
)
が遠いから気の毒だ。岡野のもなかにて御不承なさるか。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここに
金鍔
(
きんつば
)
屋、荒物屋、
煙草
(
たばこ
)
屋、損料屋、場末の
勧工場
(
かんこうば
)
見るよう、狭い店のごたごたと並んだのを通越すと、一
間
(
けん
)
口に看板をかけて、丁寧に絵にして
剪刀
(
はさみ
)
と
剃刀
(
かみそり
)
とを
打違
(
ぶっちが
)
え、下に五すけと書いて
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“金鍔(きんつば)”の解説
きんつば(金鍔)は、きんつば焼きの略称で、和菓子のひとつである。
(出典:Wikipedia)
金
常用漢字
小1
部首:⾦
8画
鍔
漢検準1級
部首:⾦
17画
“金鍔”で始まる語句
金鍔燒