貴女きぢよ)” の例文
なぜなれば真の貴女きぢよこれ等多数の低級なるうして美質に満ちた婦人の間から将来ます/\発生する事を期待するからである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
その調しらべがすむと、たちまくづるゝごと拍手はくしゆのひゞき、一だん貴女きぢよ神士しんしははやピアノだいそばはしつて、いましづかに其處そこくだらんとする春枝夫人はるえふじん取卷とりまいて、あらゆる讃美さんびことばをもつて
……幽暗ほのくら路次ろじ黄昏たそがれいろは、いま其処そことほごとに、我等われら最初さいしよ握手あくしゆの、如何いか幸福かうふくなりしかをかた申候まをしそろ貴女きぢよわすたまはざるべし、其時そのとき我等われら秘密ひみつてらせるたゞ一つの軒燈けんとうひかりを……
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
灼熱しやくねつてんちりあかし、ちまた印度インド更紗サラサかげく。赫耀かくえうたるくさや、孔雀くじやく宇宙うちうかざし、うすもの玉蟲たまむしひかりちりばむれば、松葉牡丹まつばぼたん青蜥蜴あをとかげひそむも、刺繍ぬひとりおびにして、おごれる貴女きぢよよそほひる。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
貴女きぢよも飲むリキユルの季節。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
必ず真の貴女きぢよは本来の美質に富むこれ等多数の婦人からおこつて来る事を疑ひません。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
白髪しらがまじれる金髪の老貴女きぢよ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
貴女きぢよとは今日及ぴ将来に於て最早もはや爵位や物質的の富によつて定まるもので無く、家庭及び社会に貢献する実蹟じつせきよつて決するものである以上、又優秀なる教育の必要がます/\一般婦人に自覚せられてく以上
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
小柄な支那しな貴女きぢよ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)