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もろもろ
ふりがな文庫
“
諸々
(
もろもろ
)” の例文
人間の姿を
諸々
(
もろもろ
)
の幽霊から本当に絶縁しようという大事な根本的な態度を忘れ、多くは枝葉に
就
(
つい
)
て考える時間が多いのではないかと思う。
デカダン文学論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
各人のうちに存在しながら人生の
喧騒
(
けんそう
)
のために聞き漏らされてる、
諸々
(
もろもろ
)
の神秘な力の一世界を、彼はこれまでにない繊細な官能で感得した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
以上の
諸々
(
もろもろ
)
の発明、諸々の進歩はあいともに協同一致の運動をなし、もって著大なる変化を地球上に生じたり。試みに見よ。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
憧憬
(
どうけい
)
と歓喜を与えつつ
否応
(
いやおう
)
なしに我々をひきよせるのだ。その下に
伽藍
(
がらん
)
があり、
諸々
(
もろもろ
)
のみ仏が
在
(
いま
)
す。朝夕多くの善男善女が祈願を
捧
(
ささ
)
げている。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
御行水
(
ごぎょうずい
)
も遊ばされず、且つ
女人
(
にょにん
)
の肌に触れられての
御誦経
(
ごずきょう
)
でござれば、
諸々
(
もろもろ
)
の仏神も不浄を
忌
(
い
)
んで、このあたりへは
現
(
げん
)
ぜられぬげに見え申した。
道祖問答
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
人界以下のものが、
靄
(
もや
)
を通して、人界の
彼方
(
かなた
)
のものをそこに見いだす。われわれ生ある者の知らぬ
諸々
(
もろもろ
)
のものが、夜のうちにそこで互いに顔を合わせる。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
これが、
仙家
(
せんけ
)
の不死の霊薬でござるよ。この一杯の霊酒を服すると、
諸々
(
もろもろ
)
の罪障を
解脱
(
げだつ
)
し、我等の魂は、汚い血肉を捨てて、生きながら浄土の法悦を
享
(
う
)
ける。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は自然界の
諸々
(
もろもろ
)
の物象に比して、人間のはかなさを描き出ずるのである。ここにおいてもまたヨブ記作者の優秀精到なる天然観察者なることを知るのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
諸々
(
もろもろ
)
の道場至らざる処なく、極楽の
七重宝樹
(
しちじゅうほうじゅ
)
の風の響、八功徳池の波の音をおもって風鈴を愛し、それを包み持ってどこへでも行く度毎にそれをかけた、又常に
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その他歳時記に収録された夏冬の諸種の現象は、一々愉快な題材となって我々の目の前に現れて来るのであります。春秋の
諸々
(
もろもろ
)
の現象は
固
(
もと
)
より言うまでもありません。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
挂塔
(
けいとう
)
を
免
(
ゆる
)
されたのが、去年の霜月であったから、
安居
(
あんご
)
はまだ半年に及んだばかりであったけれども、惟念の念頭からは、
諸々
(
もろもろ
)
の妄念が、洗わるるごとくに消えて行った。
仇討三態
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「三
業
(
ごう
)
に悪を造らず、
諸々
(
もろもろ
)
の
有情
(
うじょう
)
を
傷
(
いた
)
めず、
正念
(
しょうねん
)
に空を観ずれば、
無益
(
むやく
)
の苦しみは免るべし」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
わが輩の考うるところでは、一定の真理を土台として厳密なる論理で得られた
諸々
(
もろもろ
)
の結論の総体を一つの科学というのである。この科学の土台になる真理が公理の場合もある。
マルクス主義は科学にあらず
(新字新仮名)
/
山川健次郎
(著)
その女をともかく
一角
(
いつかど
)
の令嬢仕立にするまでお鯉の
手許
(
てもと
)
においた、そして嫁入りをさせて安心したといった。しかしやがて五万円は
諸々
(
もろもろ
)
の人の手によって
手易
(
たやす
)
く失われてしまった。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
この驚きが、他の
諸々
(
もろもろ
)
の驚きや、心痛を打消してしまった程も、ひどかったのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
金玉
(
きんぎょく
)
もただならざる貴重の身にして自らこれを
汚
(
けが
)
し、一点の
汚穢
(
おわい
)
は終身の弱点となり、もはや
諸々
(
もろもろ
)
の私徳に注意するの
穎敏
(
えいびん
)
を失い、あたかも精神の
痲痺
(
まひ
)
を催してまた私権を
衛
(
まも
)
るの気力もなく
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして僕にはほとんどこの愛が、たとい
諸々
(
もろもろ
)
の
国人
(
くにびと
)
の言葉と
御使
(
みつかい
)
の言葉とを語り
得
(
う
)
とも、もし愛なくば鳴る鐘、響く
鐃鈸
(
にょうはち
)
のごとしと書いてある、あの愛と同じものであるように思われるのです。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
「
諸々
(
もろもろ
)
の力が上昇し、下降して、黄金の
吊籠
(
つるべ
)
を渡し合う。」
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
文学とか哲学とか宗教とか、
諸々
(
もろもろ
)
の思想というものがそこから生れて育ってきたのだ。それはすべて生きるためのものなのだ。
教祖の文学:――小林秀雄論――
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
だがはじめてみた
諸々
(
もろもろ
)
の古仏は、「教養」を欲する乞食に見向きもしなかったということ——これは私のつねに感謝して想起するところである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
◯続いて十四節はいう「地は変りて土に印したる如くになり、
諸々
(
もろもろ
)
の物は
美
(
うる
)
わしき
衣服
(
ころも
)
の如くに
顕
(
あら
)
わる」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
かくのごとく武士は高等武士を
趁
(
お
)
うて集まり、輜重部は武士を趁うて集まり、
諸々
(
もろもろ
)
の貨物は輜重部を趁うて集まり、ここにおいてか一城下には必ず一の
市邑
(
しゆう
)
を生じ
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
止められたが毎日毎日
諸々
(
もろもろ
)
の著述物の本軍談また御当家の事実いろいろと見たが昔より皆々名大将勇猛の諸士に至るまで事々に天理を知らず諸士を扱うこと又は世を
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
歓喜の叫びを発して飛び歩いてる、夜警らの声で眼を覚ます、
諸々
(
もろもろ
)
の都市——思想、熱情、音楽的形象、勇荘な生活、シェイクスピヤ式の幻覚、サヴォナロラ式の予言
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
喜三郎は看病の
傍
(
かたわら
)
、ひたすら
諸々
(
もろもろ
)
の仏神に甚太夫の快方を祈願した。病人も夜長の枕元に薬を
煮
(
に
)
る煙を
嗅
(
か
)
ぎながら、多年の本望を遂げるまでは、どうかして生きていたいと念じていた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自然界人事界の
諸々
(
もろもろ
)
の現象を描いてそれによって知らず
識
(
し
)
らずの間に作者の志を知るというようなものになると、雨が土に浸透するように心に
沁
(
し
)
みこんでいつか作者と同じ所に立っているようになる。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
故郷の海辺も山国の若葉も忘れられないが、春がくるとつい大和へ旅立つようになった。塔と
伽藍
(
がらん
)
と
築地
(
ついじ
)
と、その奥に
佇立
(
ちょりつ
)
する
諸々
(
もろもろ
)
のみ仏が私を
否応
(
いやおう
)
なしに招くのだ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
天皇制だの武士道だの、耐乏の精神だの、五十銭を三十銭にねぎる美徳だの、かかる
諸々
(
もろもろ
)
のニセの着物をはぎとり、裸となり、ともかく人間となって出発し直す必要がある。
堕落論〔続堕落論〕
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
飈風
(
ひょうふう
)
、吹き荒れる風、飛び去る人生の暗雲——喜悦や悲痛や
憤怒
(
ふんぬ
)
に酔った
諸々
(
もろもろ
)
の民衆、その上に
翔
(
かけ
)
る、温和に満ちたキリスト平和の主宰者——その足音で世界を揺がす聖なる婚約者の前に
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
まことに、日本は天皇の国にして百姓の国
也
(
なり
)
。天皇は親にして百姓は子也。関白、将軍、国主、郡司、
諸々
(
もろもろ
)
の門閥は皆後世この百姓の間より出でて、或は国家に功あり、或は国家に害を
為
(
な
)
す。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
諸
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小6
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