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藥鑵
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やくわん
ふりがな文庫
“
藥鑵
(
やくわん
)” の例文
新字:
薬鑵
彼
(
かれ
)
の
悲慘
(
みじめ
)
な
狹
(
せま
)
い
小屋
(
こや
)
には
藥鑵
(
やくわん
)
と
茶碗
(
ちやわん
)
とそれから
火事
(
くわじ
)
の
夕方
(
ゆふがた
)
に
隣
(
となり
)
の
主人
(
しゆじん
)
がよこした
新
(
あたら
)
しい
手桶
(
てをけ
)
とのみで、
夜
(
よる
)
の
身
(
み
)
を
横
(
よこた
)
へるのに一
枚
(
まい
)
の
蒲團
(
ふとん
)
もなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
にある
亞鉛
(
とたん
)
の
落
(
おと
)
しの
付
(
つ
)
いた
四角
(
しかく
)
な
火鉢
(
ひばち
)
や、
黄
(
き
)
な
安
(
やす
)
つぽい
色
(
いろ
)
をした
眞鍮
(
しんちゆう
)
の
藥鑵
(
やくわん
)
や、
古
(
ふる
)
びた
流
(
なが
)
しの
傍
(
そば
)
に
置
(
お
)
かれた
新
(
あた
)
らし
過
(
す
)
ぎる
手桶
(
てをけ
)
を
眺
(
なが
)
めて、
門
(
かど
)
へ
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
藥鑵
(
やくわん
)
を持出したり、洗濯物の包をさらつたり、子供の
玩具
(
おもちや
)
を盜んだり、——それも盜みつきりにするわけではなく、少し離れたところへ捨てて行くから變ぢやありませんか
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ぞつとするやうな醜い
年寄
(
としより
)
でございます。まるで
藥鑵
(
やくわん
)
のやうに眞黒で。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
其
(
そ
)
の
藁
(
わら
)
や
粟幹
(
あはがら
)
は
近所
(
きんじよ
)
の
手
(
て
)
から
與
(
あた
)
へられた。
彼
(
かれ
)
は
住居
(
すまゐ
)
を
失
(
うしな
)
つた
第
(
だい
)
二
日目
(
かめ
)
に
始
(
はじ
)
めて
近隣
(
きんりん
)
の
交誼
(
かうぎ
)
を
知
(
し
)
つた。
南
(
みなみ
)
の
女房
(
にようばう
)
は
古
(
ふる
)
い
藥鑵
(
やくわん
)
と
茶碗
(
ちやわん
)
とを
持
(
も
)
つて
來
(
き
)
てくれた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
「いきなりお内儀を殺しては、直ぐ知れる。そこで、町内の物持を五六軒も荒し廻り、泥棒の仕業と見せようとした。
藥鑵
(
やくわん
)
や玩具を盜んで、すぐ捨ててしまつたのはその爲だ」
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
平生
(
へいぜい
)
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
はなかつた
此
(
こ
)
れ
等
(
ら
)
の
器物
(
きぶつ
)
にしみ/″\と
便利
(
べんり
)
を
感
(
かん
)
じた。
彼
(
かれ
)
は
藥鑵
(
やくわん
)
のまだ
熱
(
あつ
)
い
湯
(
ゆ
)
を
茶碗
(
ちやわん
)
に
注
(
つ
)
いで
彼等
(
かれら
)
の
身
(
み
)
を
落
(
お
)
ちつける
唯
(
たゞ
)
一
枚
(
まい
)
の
筵
(
むしろ
)
の
端
(
はし
)
に
憩
(
いこ
)
うた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「何しろ毒に中てられたのが五人もある騷ぎで、其時は誰も側に居てくれません、——私は這ふやうにしてお勝手へ參り、
藥鑵
(
やくわん
)
と湯呑を持つて來て、御新造さんに呑ませましたが——」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その
藥鑵
(
やくわん
)
は何處へやつた、奧にも此處にも見えないやうだが——」
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
藥
部首:⾋
18画
鑵
漢検1級
部首:⾦
25画
“藥”で始まる語句
藥
藥研
藥罐
藥賣
藥味
藥液
藥水
藥取
藥品
藥局