葉書はがき)” の例文
しか今更いまさらなんとかとか長文句ながもんく手紙てがみけないものだから、『承諾しようだくい』といた電報でんぱうやう葉書はがきしたんだ、さうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
朝日新聞の「こども風土記」の中に鹿・鹿・角・何本の遊戯のことを書いておいたらわずか七、八日の間に、驚くべし百七十余通の手紙葉書はがきが到着し
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
山猫拝やまねこはいと書いたおかしな葉書はがきが来たので、こどもが山の風の中へ出かけて行くはなし。かなら比較ひかくをされなければならないいまの学童がくどうたちの内奥ないおうからの反響はんきょうです。
「おかみさん。いろ/\ありがたう御在ました。何か御用がありましたら、どうぞ葉書はがきでも。」
羊羹 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし今夜は此等これらの光景も彼を誘引いういんする力が少しもない。机の上に置いてある彼が不在中に来た封書や葉書はがきを手早く調べた。其中そのうちに一通差出人さしだしにんの姓名の書いてない封書があつた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
封筒が二つ、葉書はがきが一つ、差出人は表にはどれもKとあるばかりだが、こちらの封筒の中味には北島春雄きたじまはるおという本名がしるしてある。気味の悪い前科者が又一人事件に加わって来た訳だ。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
それはかれわづかあひだ放浪者はうらうしやおそろしさをおもつて、假令たとひどうしてもその統領とうりやうあざむいて僅少きんせう前借ぜんしやくかねたふほど料簡れうけんおこされなかつたのである。うち張元ちやうもとから葉書はがきた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一枚の葉書はがきの始末に窮して、机の上に置きそれに向ってきちんと正坐してみても落ち附かず、その葉書を持って立ち上り、部屋の中をうろうろ歩き廻ってみても、いよいよ途方に暮れるばかりで
風の便り (新字新仮名) / 太宰治(著)
ねんに一度の葉書はがきも来にけり。
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
くど/\とながたらしいこといた手紙てがみよりか『御返事ごへんじつてります』の葉書はがきの方が、はるかにきみむねをゑぐるちからつてゐたんだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
なんでえゝことあるもんか、うちへなんざあ滅多めつたられやしねえんだぞ、そんであさから晩迄ばんまでみつしら使つかあれて、それどこぢやねえ病氣びやうきつたつて餘程よつぽどでなくつちや葉書はがきもよこさせやしねえ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
生れたといふ葉書はがきみて
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
B あゝ、あれは駄目だめだよ。葉書はがきまいぐらゐの短文たんぶんで、ちよつといた面白おもしろことやう名士めいしいくらもないからな。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)