花壇くわだん)” の例文
もんまでわづか三四けん左手ゆんでほこらまへ一坪ひとつぼばかり花壇くわだんにして、松葉牡丹まつばぼたん鬼百合おにゆり夏菊なつぎくなど雜植まぜうゑしげつたなかに、向日葵ひまはりはなたかはすごと押被おつかぶさつて、何時いつにかほしかくれた。
星あかり (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あいちやんはうかしてこのくらあなからて、うつくしい花壇くわだんや、清冽きれいいづみほとり徜徉さまよひたいとしきりにのぞみました、が其戸口そのとぐちからはあたますことさへも出來できませんでした、可哀相かあいさうあいちやんは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
やあ、滅茶苦茶めちやくちやだ、そら、鳥の巣も花壇くわだんも。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
それからあいちやんはきのこめて(衣嚢ポケツトなかつたもう一かけの)ほとんど一しやくばかりの身長せいになつて、そのちひさなみちくだつてき、やがて——あいちやんはつひ赫灼かくしやくとしてあやなる花壇くわだん
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
差覗さしのぞのききずりの垣根越かきねごしくら廂合ひあはひまで、けばみな花壇くわだんがあつて、なかにはわすれたやうな、植棄うゑすてたかとおもふ、なんよくのないのさへえて、いつくしくしづかなは、派手はで大樣おほやうなる紅白こうはく
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)