トップ
>
緋縅
>
ひをどし
ふりがな文庫
“
緋縅
(
ひをどし
)” の例文
「その中に、
緋縅
(
ひをどし
)
の
鎧
(
よろひ
)
着たる武者三人、
網代
(
あじろ
)
に流れて浮きぬ沈みぬゆられけるを——何とかの
守
(
かみ
)
見給ひて、かくぞ詠じ給ひける。」
武者窓日記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
緋縅
(
ひをどし
)
の鎧や
鍬形
(
くはがた
)
の
兜
(
かぶと
)
は成人の趣味にかなつた者ではない。勲章も——わたしには実際不思議である。なぜ軍人は酒にも酔はずに、勲章を下げて歩かれるのであらう?
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いま
山中
(
さんちゆう
)
に
接
(
す
)
む熊とは違つて、
北海道産
(
ほつかいだうさん
)
で、
何
(
ど
)
うしても多く
魚類
(
ぎよるゐ
)
を
食
(
しよく
)
するから、毛が赤いて。甚「へえー、
緋縅
(
ひをどし
)
の
鎧
(
よろひ
)
でも
喰
(
く
)
ひますか。真「
鎧
(
よろひ
)
ぢやアない、
魚類
(
ぎよるゐ
)
、さかなだ。 ...
八百屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
時鳥
(
ほとゝぎす
)
の
矢信
(
やぶみ
)
、さゝ
蟹
(
がに
)
の
緋縅
(
ひをどし
)
こそ、
血
(
ち
)
と
紅
(
くれなゐ
)
の
色
(
いろ
)
には
出
(
い
)
づれ、
世
(
よ
)
は
只
(
たゞ
)
暗夜
(
やみ
)
と
侘
(
わび
)
しきに、
烈日
(
れつじつ
)
忽
(
たちま
)
ち
火
(
ひ
)
の
如
(
ごと
)
く、
窓
(
まど
)
を
放
(
はな
)
ち
襖
(
ふすま
)
を
排
(
ひら
)
ける
夕
(
ゆふべ
)
、
紫陽花
(
あぢさゐ
)
の
花
(
はな
)
の
花片
(
はなびら
)
一枚
(
ひとつ
)
づゝ、
雲
(
くも
)
に
星
(
ほし
)
に
映
(
うつ
)
る
折
(
をり
)
よ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
萌黄
(
もえぎ
)
、
緋縅
(
ひをどし
)
、
赤縅
(
あかをどし
)
、いろいろの
鎧
(
よろひ
)
の浮きつ沈みつゆられけるは、カンナビ山のもみぢ葉の、
巓
(
みね
)
の嵐にさそはれて……」
武者窓日記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
せめては
狩衣
(
かりぎぬ
)
か、
相成
(
あひな
)
るべくは、
緋縅
(
ひをどし
)
の
鎧
(
よろひ
)
……と
気
(
き
)
がつくと、
暑中伺
(
しよちううかゞ
)
ひに
到来
(
たうらい
)
の
染浴衣
(
そめゆかた
)
に、
羽織
(
はおり
)
も
着
(
き
)
ず、
貝
(
かひ
)
の
口
(
くち
)
も
横
(
よこ
)
つちよに
駕籠
(
かご
)
すれして、もの
欲
(
ほ
)
しさうに
白足袋
(
しろたび
)
を
穿
(
は
)
いた
奴
(
やつ
)
が
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
筑摩川
(
ちくまがは
)
は、あとに
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
く
月見堂
(
つきみだう
)
の
山
(
やま
)
の
端
(
は
)
の
蔭
(
かげ
)
から、
月
(
つき
)
が
投
(
な
)
げたる
網
(
あみ
)
かと
見
(
み
)
える……
汽車
(
きしや
)
の
動
(
うご
)
くに
連
(
つ
)
れて、
山
(
やま
)
の
峽
(
かひ
)
、
峰
(
みね
)
の
谷戸
(
やと
)
が、
田
(
た
)
をかさね、
畝
(
あぜ
)
をかさねて、
小櫻
(
こざくら
)
、
緋縅
(
ひをどし
)
、
萌黄匂
(
もえぎにほひ
)
、
櫨匂
(
はじにほひ
)
を、
青地
(
あをぢ
)
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
緋
漢検準1級
部首:⽷
14画
縅
漢検1級
部首:⽷
15画
“緋縅”で始まる語句
緋縅錣
緋縅蝶