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細
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ほっ
ふりがな文庫
“
細
(
ほっ
)” の例文
どう見ても千浪の
細
(
ほっ
)
そりした
型
(
かたち
)
に間違いないので、時やその他の不合理を疑う余裕もなく、すぐ身をひるがえして後を追って行った。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やや小造りで、
細
(
ほっ
)
そりして、総体に青ずんだ感じのするのも、病的というよりは、反ってアブノーマルな魅力を感じさせるのです。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と言って、立ち上って、押入れから、南部柄の丹前を取り出すと、ふうわりと、
細
(
ほっ
)
そりした肩先にかけてやって、火鉢に炭をつぎ足したが
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
消えかかってる炎は、いつにない内心の興奮のために
赧
(
あか
)
くなってるアルノー夫人の
細
(
ほっ
)
そりした顔を、ひらひらと燃えたつごとに照らしていた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
わりに
細
(
ほっ
)
そりとして見える胸部から、ちぎって投げ出されたような円っこい両腕が、手応えのある重みを以てだらりと炬燵の上に置かれていた。
二つの途
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
そこで私は、三本足というて、襟足を三筋塗り残して、襟足を
細
(
ほっ
)
そりみせる花嫁のお化粧をいたしてやりました。
画筆に生きる五十年:――皇太后陛下御下命画に二十一年間の精進をこめて上納――
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
女のようにきゃしゃな
細
(
ほっ
)
そりしたお人だったということと、これから直ぐ汽車に乗るのだと云って、大きな荷物を持っていられたことだけは分りました。
情鬼
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
小柄でいながら
確
(
しっか
)
りした肉付の背中を持っていて、
稍々
(
やや
)
左肩を
聳
(
そび
)
やかし、
細
(
ほっ
)
そりした
頸
(
くび
)
から顔をうつ向き加減に前へ少し乗り出させながら、とっとと歩いて行く。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
お瀧は其れとは打って変って成程
眉目
(
みめ
)
形は美しゅうございますが、
丈
(
せい
)
恰好から
襟元
(
えりもと
)
までお尻の詰った
細
(
ほっ
)
そり姿、一目見ても気味の悪くなるような婦人でございます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
鵬
(
ぼう
)
となる大願発起痴話
熱燗
(
あつかん
)
に骨も肉も
爛
(
ただ
)
れたる俊雄は相手待つ間歌川の二階からふと
瞰下
(
みおろ
)
した隣の
桟橋
(
さんばし
)
に歳十八ばかりの
細
(
ほっ
)
そりとしたるが
矢飛白
(
やがすり
)
の袖夕風に吹き
靡
(
なび
)
かすを
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
そこは街裏の何処か艶めいたすだれや肘かけや
細
(
ほっ
)
そりした煙草盆だのが置かれてある室であった。つめたい
紫檀
(
したん
)
のちゃぶだい、襖のかげから見える長いよく磨かれた廊下などがみえた。
香爐を盗む
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
人に
指点
(
さ
)
す指の、
細
(
ほっ
)
そりと
爪先
(
つまさき
)
に肉を落すとき、明かなる感じは次第に爪先に集まって
焼点
(
しょうてん
)
を
構成
(
かたちづく
)
る。
藤尾
(
ふじお
)
の指は爪先の
紅
(
べに
)
を抜け出でて縫針の
尖
(
と
)
がれるに終る。見るものの眼は一度に痛い。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
聖因寺
(
せいいんじ
)
の前へ行ったところで、中から若い眼のさめるような女が出てきた。十七八に見える
碧
(
あお
)
い着物を着た手足の
細
(
ほっ
)
そりした女で、一人の老婆が後からきていた。その女の眼はちらと彭の顔へきた。
荷花公主
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
細
(
ほっ
)
そりした足の
指頭
(
ゆびさき
)
まで
真紅
(
まっか
)
であった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
その
透
(
す
)
きとおるほど白い顔、その
細
(
ほっ
)
そりした
襟脚
(
えりあし
)
に気がついて、お品は、あ、うっかり悪いことをいったと心の奥で後悔する。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頭の大きなわりに
細
(
ほっ
)
そりとした体躯、
凸額
(
おでこ
)
の中から睥めるように物を見る眼、小鼻の小さな高い鼻、細い腕、長い指、それらが変に不気味だった。
反抗
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
一人は背の高い、がっちりした体格の鳥打帽の男、もう一人は小柄で
細
(
ほっ
)
そりとした色白の細面だった。
深夜の客
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
外で出会うといつも彼女は、食料品を運んでいたり、小さい妹を負ったりしていた。あるいはまた、
細
(
ほっ
)
そりして虚弱で片目である七歳の弟の、手を引いてることもあった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
此方
(
こっち
)
が御無礼で、帰って見ると髷が殺げて髪を結うことが出来ねえんだが、旦那エ実に
私
(
わっち
)
ア驚きやした、あなたは
華奢
(
きゃしゃ
)
な
細
(
ほっ
)
そりした小さい
体躯
(
からだ
)
だから、実はお案じ申したんですが
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
斯う話すうちにも、
細
(
ほっ
)
そりした
身体
(
からだ
)
は痛々しく顫えて居ります。
踊る美人像
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
闇太郎の
細
(
ほっ
)
そりした手先は、つと、町家の
庇
(
ひさし
)
にかかる。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
源の
手端
(
てさき
)
に少女の
細
(
ほっ
)
そりとした手が触れた。
緑衣人伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
桃色のドレスの肩から流れ出ている血汐は、
細
(
ほっ
)
そりした白蝋のような腕を伝わり、赤い一筋の線を描きながら、白いゴム・マットの上に滴り落ちて、窪んだ処へ溜っている。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
気まぐれらしい
頤
(
あご
)
、
隅
(
すみ
)
がやや
脹
(
ふく
)
れてる利発な逸楽的な口、パルメジアニノ式の純潔な小半獣神みたいな微笑、それから長い
細
(
ほっ
)
そりした首、ほどよく痩せた身体をもっていた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
“細”を含む語句
仔細
細君
詳細
繊細
細々
心細
細流
委細
細作
細部
細螺
目細
細語
細工
細面
巨細
細目
細胞
細腰
細竹
...