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まどかけ
ふりがな文庫
“
窓掛
(
まどかけ
)” の例文
代助は
一寸
(
ちよつと
)
話
(
はなし
)
を
已
(
や
)
めて、
梅子
(
うめこ
)
の
肩越
(
かたごし
)
に、
窓掛
(
まどかけ
)
の
間
(
あひだ
)
から、奇麗な
空
(
そら
)
を
透
(
す
)
かす様に見てゐた。遠くに大きな
樹
(
き
)
が一本ある。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
白い
蚊帳
(
かや
)
のついた
寝台
(
ねだい
)
と
籐編
(
とうあみ
)
の椅子と鏡台と洗面器の外には何もない質素な一室である。壁には
画額
(
ゑがく
)
もなく、窓には
木綿更紗
(
もめんさらさ
)
の
窓掛
(
まどかけ
)
が下げてあるばかり。
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
二階
(
にかい
)
に
稍
(
や
)
や
體裁
(
ていさい
)
よき
三個
(
みつつ
)
の
室
(
へや
)
、
其
(
その
)
一室
(
ひとま
)
の
窓
(
まど
)
に、
白
(
しろ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
が
風
(
かぜ
)
に
搖
(
ゆる
)
いで
居
(
を
)
る
所
(
ところ
)
は、
確
(
たしか
)
に
大佐
(
たいさ
)
の
居間
(
ゐま
)
と
思
(
おも
)
はるゝ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
……かわいいのに目がないから、春も秋も
一所
(
いっしょ
)
だが、晴の
遊戯
(
あそび
)
だ。もう
些
(
ちっ
)
と、
綺麗
(
きれい
)
な
窓掛
(
まどかけ
)
、
絨毯
(
じゅうたん
)
を飾っても
遣
(
や
)
りたいが、庭が狭いから、羽とともに散りこぼれる
風情
(
ふぜい
)
の花は沢山ない。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも細君に対する疑惑は薄らがなかったさ、それから五六日して、夕方
芝口
(
しばぐち
)
を散歩していると、
背後
(
うしろ
)
から一台の自動車が来たが、ふと見ると、それには深ぶかと青い
窓掛
(
まどかけ
)
を垂れてあった
雨夜草紙
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
その岸とも
謂
(
いつ
)
つべき
張出
(
はりだし
)
の
欄干近
(
らんかんぢか
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
病院の窓の
窓掛
(
まどかけ
)
は
垂
(
た
)
れて動かず。
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今宵
(
こよひ
)
もおなじ
樣
(
やう
)
に、
白
(
しろ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
の
搖
(
ゆる
)
ぐほとりに
倚子
(
ゐす
)
を
並
(
なら
)
べた
時
(
とき
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
は
稍
(
や
)
や
眞面目
(
まじめ
)
に
私
(
わたくし
)
に
向
(
むか
)
つて。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
K君の部屋は美くしい
絨氎
(
じゅうたん
)
が敷いてあって、
白絹
(
しらぎぬ
)
の
窓掛
(
まどかけ
)
が下がっていて、立派な安楽椅子とロッキング・チェアが備えつけてある上に、小さな寝室が別に附属している。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
病院の
窓掛
(
まどかけ
)
は
垂
(
た
)
れて動かず。
心の姿の研究
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
是を蝋
燭
(
そく
)
立
(
たて
)
と見たのは三四郎の臆断で、実は何だか
分
(
わか
)
らない。此不可思議の蝋燭
立
(
たて
)
の
後
(
うしろ
)
に
明
(
あき
)
らかな
鏡
(
かゞみ
)
がある。光線は
厚
(
あつ
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
に遮ぎられて、充分に這入らない。其上天気は曇つてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
湯から上ったら始めて
暖
(
あ
)
ったかになった。
晴々
(
せいせい
)
して、
家
(
うち
)
へ帰って書斎に這入ると、
洋灯
(
ランプ
)
が
点
(
つ
)
いて
窓掛
(
まどかけ
)
が下りている。火鉢には新しい
切炭
(
きりずみ
)
が
活
(
い
)
けてある。自分は
座布団
(
ざぶとん
)
の上にどっかりと坐った。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
下女の方は案外真面目である。しかも
恭
(
うやうや
)
しい。一旦奥へ這入つて、又
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、丁寧に御辞儀をして、どうぞと云ふから
尾
(
つ
)
いて
上
(
あ
)
がると応接間へ通した。
重
(
おも
)
い
窓掛
(
まどかけ
)
の
懸
(
かゝ
)
つてゐる西洋室である。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
窓
常用漢字
小6
部首:⽳
11画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“窓掛”で始まる語句
窓掛け
窓掛棒