トップ
>
白蓮
>
びゃくれん
ふりがな文庫
“
白蓮
(
びゃくれん
)” の例文
着物を洗う水の音がざぶざぶとのどかに聞こえて、隣の
白蓮
(
びゃくれん
)
の美しく春の日に光るのが、なんとも言えぬ平和な趣をあたりに
展
(
ひろ
)
げる。
少女病
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
国境の山、赤く、黄に、
峰
(
みね
)
嶽
(
たけ
)
を重ねて
爛
(
ただ
)
れた奥に、
白蓮
(
びゃくれん
)
の花、玉の
掌
(
たなそこ
)
ほどに白く
聳
(
そび
)
えたのは、
四時
(
しじ
)
に雪を頂いて
幾万年
(
いくまんねん
)
の
白山
(
はくさん
)
ぢや。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
荒れはてているが、古ぶすまの
白蓮
(
びゃくれん
)
には
雲母
(
きらら
)
のおもかげが残っていた。古風な院作りの窓から青い月影がしのびやかに洩れている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
カラハシは
勿論
(
もちろん
)
カラコキバシの省略で、あたかもツルウメモドキをツルモドキ、
白木蓮
(
びゃくもくれん
)
を
白蓮
(
びゃくれん
)
と謂うのと同様の変化である。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そういう点で、いまは
宮崎龍介
(
みやざきりゅうすけ
)
氏夫人であるもとの
筑紫
(
つくし
)
の女王
白蓮
(
びゃくれん
)
女史の
燁子
(
あきこ
)
さんは幸福だ。
明治大正美人追憶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
向日葵
(
ひまわり
)
と
白蓮
(
びゃくれん
)
とが、血を含んで陽の中にふるえているようだ。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
伊藤
白蓮
(
びゃくれん
)
のかけおちをノラの如しと書いている。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
白蓮
(
びゃくれん
)
を
剪
(
き
)
らんとぞ思ふ僧のさま
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
彼の大きな姿が
塞
(
ふさ
)
がるように
厨子壇
(
ずしだん
)
の前に坐ったとき、障壁の
紅蓮
(
ぐれん
)
白蓮
(
びゃくれん
)
も、ゆらめく仏灯も、
悉
(
ことごと
)
く
瞋恚
(
しんい
)
の
焔
(
ほむら
)
のごとく、その影を赤々と
隈
(
くま
)
どった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
戸張
(
とばり
)
を垂れた
御廚子
(
みずし
)
の
傍
(
わき
)
に、
造花
(
つくりばな
)
の
白蓮
(
びゃくれん
)
の、気高く
俤
(
おもかげ
)
立つに、
頭
(
こうべ
)
を垂れて、
引退
(
ひきしりぞ
)
くこと二、三尺。心静かに
四辺
(
あたり
)
を見た。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは、
白蓮
(
びゃくれん
)
さんが失踪して間もなくで、世上の悪評の的になっているときだった。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
白蓮
(
びゃくれん
)
を
剪
(
き
)
らんとぞ思ふ僧のさま
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「——あの蓮花が、なんで美しかろう。わしの眼には、
紅蓮
(
ぐれん
)
も
白蓮
(
びゃくれん
)
も、無数の民の
幽魂
(
ゆうこん
)
に見えてならない。一花、一花
呪
(
のろ
)
い、恨み、
哭
(
な
)
き
戦
(
おのの
)
きふるえているような」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今夜の
貴方
(
あなた
)
の御声というものは、実に
白蓮
(
びゃくれん
)
の花に露が
転
(
まろ
)
ぶというのか、こうその
渓川
(
たにがわ
)
の水へ月が、映ると申そうか、いかにも
譬
(
たと
)
えようのない、清い、澄んだ、
冴々
(
さえざえ
)
した
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『白孔雀』の巻末に、柳原
白蓮
(
びゃくれん
)
さんが書いているから、すこし引いて見よう
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
ホラ、ホラ、ホラ、下は
紅蓮
(
ぐれん
)
白蓮
(
びゃくれん
)
の花ざかりですよ。観音様のオシッコみたいでさ。蓮の花や葉の上に、
瑠璃白玉
(
るりしらたま
)
となって、オシッコがすぐ
成仏
(
じょうぶつ
)
しているでしょ。ネ……お坊ッちゃま。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
乃至
(
ないし
)
一草一木の
裡
(
うち
)
、あるいは鬼神力宿り、あるいは観音力宿る。必ずしも
白蓮
(
びゃくれん
)
に観音立ち給い、必ずしも
紫陽花
(
あじさい
)
に鬼神隠るというではない。我が心の照応する所境によって変幻極りない。
おばけずきのいわれ少々と処女作
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
火の国
筑紫
(
つくし
)
の女王
白蓮
(
びゃくれん
)
と、誇らかな名をよばれ、いまは、府下中野の町の、細い小路のかたわらに、低い垣根と、粗雑な建具とをもった
小屋
(
しょうおく
)
に暮している
燁子
(
あきこ
)
さんの
室
(
へや
)
は、日差しは晴やかな
家
(
うち
)
だが
柳原燁子(白蓮)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
消え残る夕焼の雲の
片
(
きれ
)
と、
紅蓮
(
ぐれん
)
白蓮
(
びゃくれん
)
の
咲乱
(
さきみだ
)
れたような
眺望
(
ながめ
)
をなさったそうな。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
次の間の
帳
(
とばり
)
を引けば、当然、山僧が
孤床
(
こしょう
)
の寝台は、五
戒
(
かい
)
三
帰
(
き
)
の
菩提
(
ぼだい
)
の夢、雲冷ややかなはずであるが、どうして、
迦陵頻伽
(
かりょうびんが
)
の
刺繍
(
ぬい
)
の
襖
(
ふすま
)
、
紅蓮
(
ぐれん
)
白蓮
(
びゃくれん
)
の
絵障屏
(
えぶすま
)
も
艶
(
なまめ
)
かしく、巧雲は顔を
袂
(
たもと
)
にくるんだまま
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雪の
肌
(
はだえ
)
に
滴々
(
てきてき
)
たる水は
白蓮
(
びゃくれん
)
の露をおびたる
有
(
あり
)
さま。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
蓮
漢検準1級
部首:⾋
13画
“白蓮”で始まる語句
白蓮華
白蓮教
白蓮花
白蓮事件