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異状
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いじやう
然し
私は
少しも
身體に
異状は
無いです、
壯健です。
無暗に
出掛ける
事は
出來ません、
何卒私の
友情を
他の
事で
何とか
證させて
下さい。
昨夕迄は
寐られないのが
心配になつたが、
斯う
前後不覺に
長く
寐る
所を
眼のあたりに
見ると、
寐る
方が
何かの
異状ではないかと
考へ
出した。
千葉家を
負ふて
立つ
大黒柱に
異状が
有つては
立直しが
出來ぬ、さうでは
無いかと
奧樣身に
比べて
言へば、はッ、はッ、と
答へて
詞は
無かりき。
御米は
家中を
一回回つた
後、
凡てに
異状のない
事を
確かめた
上、
又床の
中へ
戻つた。さうして
漸く
眼を
眠つた。
けれども
此震動が、
何時迄經つても
胎兒の
發育に
是といふ
影響も
及ぼさず、
從つて
自分の
身體にも
少しの
異状を
引き
起さなかつた
事が
慥に
分つた
時、
御米は
漸く
安心して