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物寂
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ものさび
ふりがな文庫
“
物寂
(
ものさび
)” の例文
そして
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れて、またあたりが
物寂
(
ものさび
)
しく、
暗
(
くら
)
くなったときは、おじいさんは、こまどりのはいっているかごを
家
(
いえ
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて、
自分
(
じぶん
)
の
仕事場
(
しごとば
)
のそばの
柱
(
はしら
)
にかけておきました。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
入相
(
いりあい
)
の浪も
物凄
(
ものすご
)
くなりかけた折からなり、あの、
赤鬼
(
あかおに
)
青鬼
(
あおおに
)
なるものが、かよわい人を
冥土
(
めいど
)
へ
引立
(
ひきた
)
てて
行
(
ゆ
)
くようで、思いなしか、
引挟
(
ひきはさ
)
まれた
御新姐
(
ごしんぞ
)
は、何んとなく
物寂
(
ものさび
)
しい、
快
(
こころよ
)
からぬ
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ついこの間までは
疎
(
まば
)
らな杉垣の奥に、
御家人
(
ごけにん
)
でも住み古したと思われる、
物寂
(
ものさび
)
た家も一つ地所のうちに
混
(
まじ
)
っていたが、崖の上の
坂井
(
さかい
)
という人がここを買ってから、たちまち
萱葺
(
かやぶき
)
を壊して
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
叩頭馴
(
おじぎな
)
れて、
生
(
うま
)
れついて
車夫
(
くるまや
)
らしいのも、
目
(
め
)
の
薄
(
うす
)
いのが
物寂
(
ものさび
)
しい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つい
此間
(
このあひだ
)
迄
(
まで
)
は
疎
(
まば
)
らな
杉垣
(
すぎがき
)
の
奧
(
おく
)
に、
御家人
(
ごけにん
)
でも
住
(
す
)
み
古
(
ふる
)
したと
思
(
おも
)
はれる、
物寂
(
ものさび
)
た
家
(
いへ
)
も
一
(
ひと
)
つ
地所
(
ぢしよ
)
のうちに
混
(
まじ
)
つてゐたが、
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
の
坂井
(
さかゐ
)
といふ
人
(
ひと
)
が
此所
(
こゝ
)
を
買
(
か
)
つてから、
忽
(
たちま
)
ち
萱葺
(
かやぶき
)
を
壞
(
こは
)
して、
杉垣
(
すぎがき
)
を
引
(
ひ
)
き
拔
(
ぬ
)
いて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
店
(
みせ
)
の
竈
(
かまど
)
の
上
(
うへ
)
で、
笊
(
ざる
)
の
目
(
め
)
を
透
(
すか
)
すまで、あか/\と
日
(
ひ
)
のさした
處
(
ところ
)
は、
燒芋屋
(
やきいもや
)
としては
威嚴
(
ゐげん
)
に
乏
(
とぼ
)
しい。あれは
破
(
わ
)
れるほどな
寒
(
さむ
)
い
晩
(
ばん
)
に、ぱつといきれが
立
(
た
)
つに
限
(
かぎ
)
る。で、
白晝
(
はくちう
)
の
燒芋屋
(
やきいもや
)
は、
呉竹
(
くれたけ
)
の
里
(
さと
)
に
物寂
(
ものさび
)
しい。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
遠山
(
とほやま
)
の
雪
(
ゆき
)
の
影
(
かげ
)
が
射
(
さ
)
すやうで、
夕餉
(
ゆふげ
)
の
煙
(
けむり
)
が
物寂
(
ものさび
)
しう
谷
(
たに
)
へ
落
(
おち
)
る。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
寂
常用漢字
中学
部首:⼧
11画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思