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ぶえんりょ
ふりがな文庫
“
無遠慮
(
ぶえんりょ
)” の例文
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に縁側に腰かけて、微笑したあの顔。丹波の小柄をかわして、ニッとわらった不敵な眼もと……なんという涼しい
殿御
(
とのご
)
ぶりであろう!
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
あっさりとさばけた
態度
(
たいど
)
で、そう
言
(
い
)
われましたので、
私
(
わたくし
)
の
方
(
ほう
)
でもすっかり
安心
(
あんしん
)
して、
思
(
おも
)
い
浮
(
うか
)
ぶまま
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
にいろいろな
事
(
こと
)
をおききしました
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
品川
(
しながわ
)
の駅で、すぐ前の席へ、その
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
なお客さんが乗り込んで来ると、クルミさんは、すっかり元気をなくしてしまった。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
わたくしは此不体裁にして甚だ
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な行動の原因するところを
詳
(
つまびらか
)
にしないのであるが、其実例によって考察すれば
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
痛いきずは、どんなに用心ぶかくさわられても痛いのに、まして、そのきずに気がつかないで、
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
にさわられては全くたまったものではないのだ。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
▼ もっと見る
そのかわりみんなが
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に十何本もの消息子でもって僕の
腋
(
わき
)
の下でも
咽喉
(
のど
)
でも足の裏でもお構いなしにさわるので、くすぐったくてやりきれなかった。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
病気のためしばらく休むといったとき、小ツルなど、胸もとに手を入れるような
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
さで、ぬけぬけといった。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
と声をかけ、
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に腰障子を足でガラリッと押開け、どっこいと
蹌
(
よろめ
)
いて入りましたのは長二でございます。
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その
容子
(
ようす
)
が余り
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
すぎたせいか、吉井は陳の
後姿
(
うしろすがた
)
を見送ったなり、ちょいと両肩を
聳
(
そび
)
やかせた。
影
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
勝負が終えて気がついた門弟連が、こちらから
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に首を突き出して見ると、お供の男を一人つれて、見事に
装
(
よそお
)
うた若い婦人の影が植込の間からちらりと見えました。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
顔も大きいが
身体
(
からだ
)
も大きくゆったりとしている上に、職人上りとは誰にも見せぬふさふさとした
頤鬚
(
あごひげ
)
上髭
(
うわひげ
)
頬髯
(
ほおひげ
)
を
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に
生
(
は
)
やしているので、なかなか立派に見える中村が
鵞鳥
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
四角四面の
地主
(
じぬし
)
屋敷に
生
(
お
)
い立って、一人ぼっちの
生真面目
(
きまじめ
)
な教育を受けてきた少年のわたしは、こうしたらんちき騒ぎや、ほとんど
狂暴
(
きょうぼう
)
ともいうべき
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な浮かれ気分や
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
ゆえにすでに自分に所信あれば反対を受くる覚悟をもってこれを実行するに
力
(
つと
)
めねばならぬ。もちろんかくいったからとて何事につけても
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に勝手放題に
傍若無人
(
ぼうじゃくぶじん
)
に行えというにあらぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
あなたが
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に私の腹の中から、
或
(
あ
)
る生きたものを
捕
(
つら
)
まえようという決心を見せたからです。私の心臓を立ち割って、温かく流れる血潮を
啜
(
すす
)
ろうとしたからです。その時私はまだ生きていた。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
或
(
あ
)
る人達が、わめきちらす、女子選手達のお
尻
(
しり
)
についての
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な評言を、ぼくは
堪
(
た
)
えられないような弱い気になって、聞くともなく聞いていると、いちばん
後
(
おく
)
れてあなたが、うち
萎
(
しお
)
れた姿をみせた。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
彼の心が
焦
(
あせ
)
れば焦るほど、延びることを待っていられないような眼に見えないものは意地の悪いほど
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な勢いを示して来た。一日も、一刻も、与えられた時を猶予することは出来ないかのように。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
流しふうふう云い出した元来が自分免許の芸でおだてられているうちはよいが意地悪く
突
(
つ
)
っ
込
(
こ
)
まれたらアラだらけであるそこへ
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な
怒罵
(
どば
)
が飛ぶから稽古に事寄せて
隙
(
すき
)
もあらばと云うようなだらけた心では
辛抱
(
しんぼう
)
しきれず次第に横着になりいくら熱心に教えてもわざと気のない弾き方を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
昨夜
(
さくや
)
起ったそのパチノ墓地事件の知らせは、雁金検事からの電話となって、ジリジリと
喧
(
やかま
)
しく鳴るベルが、課長のラジオ体操を
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に中止させてしまった。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
心から
可笑
(
おか
)
しくてたまらないように、とうとう
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に、喬之助は大声をあげて笑い出している。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
仁太ばかりはれいのとおりの
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
さで、あいさつぬきだった。彼は父親を手つだって石けん製造をしているという。
経済的
(
けいざいてき
)
には一ばんゆとりがあるらしい仁太は、新調の国民服をきていた。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ぼくが同じ立場にいたとしたら、ぼくはおそらく
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に
恋
(
こい
)
を打ちあけたでしょう。それがぼくにとっては自然なような気がします。むろん
拒絶
(
きょぜつ
)
されたら、その時にはさっぱりあきらめますがね。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
大きな体で
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に、黙ったままドシンと腰掛けたのであった。
香水紳士
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「何者か、この
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な人は」とふりかえると、なんのこと、それは探検隊長のセキストン伯爵だった。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
徹太郎はその上に
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
にあぐらをかきながら
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
という
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な泰軒の声。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そうですかね……それにあの学生さんたちが
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に僕のからだをいじりまわすので
閉口
(
へいこう
)
しました」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「あッはッはッ」と人垣のうしろの方から、
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な爆笑の声がひびいた。フョードル参謀の声で。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
怪青年矢部は、つらにくいほど、ゆっくりした語調でいって、
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に宮川の横にかけた。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかも臭気はますます
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に、住民たちの鼻と口とを襲った。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「うわッはッはッ」北外は
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
に笑い出した。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、三階席から
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な声が飛んだ。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、
無遠慮
(
ぶえんりょ
)
な問いを発した。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“無遠慮”の意味
《名詞》
遠慮がないさま。無作法なさま。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
慮
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
“無遠慮”で始まる語句
無遠慮勝