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はいかぐら
ふりがな文庫
“
灰神楽
(
はいかぐら
)” の例文
ぱっと
昇
(
あが
)
った
灰神楽
(
はいかぐら
)
、富五郎が蹴った煙草盆を逃げて跳り上った釘抜藤吉、足の開きがそのまま
適
(
かな
)
ってお玉が池免許直伝は
車返
(
くるまがえ
)
しの構え。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
灰神楽
(
はいかぐら
)
がドッと渦巻き起って部屋中が真白になった。思わず
飛退
(
とびの
)
いた巡査たちが、気が付いた次の瞬間にはモウ銀次と小女の姿が部長室から消え失せていた。
骸骨の黒穂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
といいながら
顛覆
(
ひっくりかえ
)
しましたから、ばっと
灰神楽
(
はいかぐら
)
が
上
(
あが
)
りまして、
真暗
(
まっくら
)
になりました。なれども角力取
等
(
ら
)
は
大様
(
おおよう
)
なもので、
胡坐
(
あぐら
)
をかいたなり立上りも致しません。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
税務署の人はその通りにしましたが、辺り一面
灰神楽
(
はいかぐら
)
になったので、私は布切れで上り口をはたきました。
安吾人生案内:01 その一 〔判官巷を往く〕
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「——でしょう、親分。一と目千両と言われた江戸一番の——いや日本一の綺麗な顔へ、
沸
(
たぎ
)
り返る鉄瓶と
灰神楽
(
はいかぐら
)
と、真っ赤になった炭火の雨が降ったんですぜ」
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
今の騒ぎで
鉄瓶
(
てつびん
)
がくつがえり、大きな
桐
(
きり
)
の
角火鉢
(
かくひばち
)
からは、噴火山の様に
灰神楽
(
はいかぐら
)
が立昇って、それが
拳銃
(
ピストル
)
の煙と一緒に、まるで濃霧の様に部屋の中をとじ込めていた。
灰神楽
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その沸騰の
泡
(
あわ
)
が火の上に落ちて、そこで烈しいちんぷんかんぷんが起り、
灰神楽
(
はいかぐら
)
を立てしめることは、
甚
(
はなは
)
だ不体裁でもあり、不衛生でもあり、第一、またその灰神楽に
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なんとかいう落語家が
事偶
(
ことたま
)
にやったものだというのに、
灰神楽
(
はいかぐら
)
という奴があったそうである。
東奥異聞
(新字新仮名)
/
佐々木喜善
(著)
別れた、女も別れる言うてますと
巧
(
うま
)
く親父を欺して貰うだけのものは
貰
(
もろ
)
たら、あとは廃嫡でも
灰神楽
(
はいかぐら
)
でも、その金で気楽な商売でもやって二人
末永
(
すえなご
)
う
共白髪
(
ともしらが
)
まで暮そうやないか。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
暴風
(
あらし
)
の吹いた後のように、帳場格子は折れ、硯箱はひっくりかえり、薬罐は
灰神楽
(
はいかぐら
)
をあげている店の間を、グルグル廻りながら(娘は?)と佐五衛門は、そのことばかりを思った。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
疾
(
とう
)
のむかし、お別れになって、
灰神楽
(
はいかぐら
)
が
吹溜
(
ふきたま
)
ったような、手づくねの
蝋型
(
ろうがた
)
に指のあとの波の形の
顕
(
あら
)
われたのを、細工盤に載せたのを、半分閉じた目で
熟
(
じっ
)
と見まもって、ただ手は冴えても
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もはや、
鋭利
(
えいり
)
な
錐
(
きり
)
の先をもって
瞼
(
まぶた
)
を
突
(
つ
)
かれても、まばたきをせぬまでになっていた。不意に
火
(
ひ
)
の
粉
(
こ
)
が目に飛入ろうとも、目の前に
突然
(
とつぜん
)
灰神楽
(
はいかぐら
)
が立とうとも、彼は決して目をパチつかせない。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
アンペラを
著
(
つけ
)
た馬が、尾をバサリと振るたびに、
灰神楽
(
はいかぐら
)
をあげたように、黒いのが舞いあがる、この茶屋は車宿をしているが、蚕もやるらしく、桑の葉が座敷一杯に散らかって、店頭には駄菓子
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
眼つぶしを食って
怯
(
ひる
)
むところへ、半七は透かさず飛び込んでその刃物をたたき落とした。葱鮪の鍋の引っくり返った
灰神楽
(
はいかぐら
)
のなかで豊吉はもろくも縄にかかって、町内の自身番へ引っ立てられた。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし——そのことばと一しょに、目のまえの
炉
(
ろ
)
のなかへ、ひとりの
試合役人
(
しあいやくにん
)
が
逆
(
さか
)
とんぼを打って
灰神楽
(
はいかぐら
)
をあげたのを見ると、かれはけつまずきそうになって、
狩屋建
(
かりやだて
)
の小屋の
裏
(
うら
)
へ
逃
(
に
)
げだしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ニュームの凸凹のやかんに、湯は火鉢に噴きこぼれてゐたが、灰が貝殻のやうに固いせゐか、
灰神楽
(
はいかぐら
)
もあがらない。ゆき子は、湯煙を眺めながら、その部屋の佗しさを食ひつくやうにして眺めてゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
かわしながら、左膳がとっさに足にかけた煙草盆の
灰神楽
(
はいかぐら
)
で、左膳自身は早くも壁を背負って立った猪突の陣、独眼火をふいて
疾呼
(
しっこ
)
した。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そこで、一座の連中は
忽
(
たちま
)
ち、以前の通りに席に戻って、身にふりかかる
灰神楽
(
はいかぐら
)
を払おうともせずに、再び座を正して、相変らず弾じつづけている木崎原の一曲に耳を傾けはじめました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
松
(
まつ
)
が
傍
(
そば
)
で
土瓶
(
どびん
)
をひつくりかへして
灰神楽
(
はいかぐら
)
を
上
(
あ
)
げたから、
気
(
き
)
を
附
(
つ
)
けろ、
粗忽
(
そこつ
)
をするなつて
他人
(
ひと
)
さまの
前
(
まへ
)
だから
小言
(
こごと
)
も
云
(
い
)
はうぢやアねえか、すると
彼奴
(
あいつ
)
が
己
(
おれ
)
にむかツ
腹
(
ぱら
)
ア
立
(
た
)
つて、よく
小言
(
こごと
)
をいふ
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その瞬間に、いながらにして跳ね返った左膳は、
煙草盆
(
たばこぼん
)
を蹴倒しながら後ろの壁にすり立って
濛々
(
もうもう
)
たる
灰神楽
(
はいかぐら
)
のなかに左腕の乾雲を振りかぶった左膳の姿が生き不動のように見えた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
燃えさしの火力に
煽
(
あお
)
られて、米友の不在中に沸騰をはじめ、それが下の炉炭中へたぎり落ちて
灰神楽
(
はいかぐら
)
を始めたのですから、このことは人の生命に及ぼすほどのことではなかったのですが
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
灰
常用漢字
小6
部首:⽕
6画
神
常用漢字
小3
部首:⽰
9画
楽
常用漢字
小2
部首:⽊
13画
“灰神”で始まる語句
灰神樂