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しぶちや
ふりがな文庫
“
澁茶
(
しぶちや
)” の例文
新字:
渋茶
と投出すやうに謂ツて
湯呑
(
ゆのみ
)
を取上げ、冷めた
澁茶
(
しぶちや
)
をグイと飮む。
途端
(
とたん
)
に
稽古
(
けいこ
)
に來る
小娘
(
こむすめ
)
が二三人
連立
(
つれだ
)
ツて格子を啓けて入ツて來た。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「此間から、神明の水茶屋の、お常の
阿魔
(
あま
)
に熱くなりあがつて、毎日入りびたつて、
澁茶
(
しぶちや
)
で腹をダブダブにしてやがつたよ」
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
聲
(
こゑ
)
きくよすがも
有
(
あ
)
らざりければ、
別亭
(
はなれ
)
に
澁茶
(
しぶちや
)
すゝりながら
夫
(
それ
)
となき
物語
(
ものがたり
)
、この
四隣
(
あたり
)
はいづれも
閑靜
(
かんせい
)
にて、
手廣
(
てびろ
)
き
園生
(
そのふ
)
浦山
(
うらやま
)
しきものなり、
此隣
(
このとな
)
りは
誰樣
(
たれさま
)
の
御別莊
(
ごべつさう
)
ぞ
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
崖
(
がけ
)
の
上
(
うへ
)
の
觀音樣
(
くわんのんさま
)
には
茶店
(
ちやみせ
)
がありました。
密柑
(
みかん
)
やたまご 、
駄菓子
(
だぐわし
)
なんどを
並
(
なら
)
べて、
參詣者
(
おまへりびと
)
の
咽喉
(
のど
)
を
澁茶
(
しぶちや
)
で
濕
(
しめ
)
させてゐたそのおばあさんは、
苦勞
(
くらう
)
しぬいて
來
(
き
)
た
人
(
ひと
)
でした。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
……それよりして、
倶利伽羅
(
くりから
)
に
掛
(
かゝ
)
る、
新道
(
しんだう
)
天田越
(
あまたごえ
)
の
峠
(
たうげ
)
で、
力餅
(
ちからもち
)
を……
食
(
た
)
べたかつたが
澁茶
(
しぶちや
)
ばかり。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
人に
勝
(
すぐ
)
れしかど
容體
(
なりふり
)
もなく
缺茶碗
(
かけぢやわん
)
に
澁茶
(
しぶちや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あれから毎日お常の茶屋に入り浸つて、
澁茶
(
しぶちや
)
に駄菓子で納まらなくなると、奧へ
入
(
はひ
)
り込んで、一本付けさせ、お常の酌で遲くまで飮んだりするやうになりました。
銭形平次捕物控:013 美女を洗ひ出す
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
辛
(
から
)
うじて
腕車
(
くるま
)
を
潛
(
くゞ
)
らしたれば、
網
(
あみ
)
の
目
(
め
)
にかゝつたやうに、
彼方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
を、
雀
(
すゞめ
)
がばら/\、
洞
(
ほら
)
に
蝙蝠
(
かうもり
)
の
居
(
ゐ
)
るやうだつた、と
車夫同士
(
くるまやどうし
)
語
(
かた
)
りなどして、しばらく
澁茶
(
しぶちや
)
に
市
(
いち
)
が
榮
(
さか
)
える。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
厚く申
陳
(
のべ
)
澁茶
(
しぶちや
)
ながら
汲
(
くみ
)
て出しければ長兵衞はコレ/\
御構
(
おかま
)
ひなさるな時に今日は
出初
(
ではじ
)
めなるが長八樣はお
歸
(
かへ
)
りかと云に
女房
(
にようばう
)
未
(
ま
)
だ
宿
(
やど
)
では
歸
(
かへ
)
りませんと云へば長兵衞夫は大そう
遲
(
おそ
)
い事だ如何して居らるゝやと
噂
(
うはさ
)
の
折
(
をり
)
から長八は
歸
(
かへ
)
り來りしが
親分
(
おやぶん
)
長兵衞の來て居るとは
夢
(
ゆめ
)
にも知らずオイお
梅
(
うめ
)
や
今
(
いま
)
歸
(
かへ
)
りたりヤレ/\
今日
(
けふ
)
は初めてとは
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
其處で編笠を借りて冠つて、厄介な荷物は預けて、吉原へ繰り込むのですが、
澁茶
(
しぶちや
)
一碗の設備もあり、店には美しい娘などを置いて、客を呼ぶにおろそかはありません。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
婆
(
ばあ
)
さんに
澁茶
(
しぶちや
)
をくんでもらひながら
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は荒物屋の女房の好意で日蔭にも
澁茶
(
しぶちや
)
にも有り付きましたが、氣のきかない野良犬のやうに、
小日向
(
こびなた
)
の草原に潜り込んだガラツ八は、眞上から初夏の陽に照りつけられて
銭形平次捕物控:003 大盗懺悔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
澁
部首:⽔
15画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
“澁”で始まる語句
澁
澁々
澁紙
澁谷
澁面
澁太
澁柿
澁皮
澁團扇
澁色