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湯治
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たうぢ
ふりがな文庫
“
湯治
(
たうぢ
)” の例文
湯治
(
たうぢ
)
を
幾日
(
いくにち
)
、
往復
(
わうふく
)
の
旅錢
(
りよせん
)
と、
切詰
(
きりつ
)
めた
懷中
(
ふところ
)
だし、あひ
成
(
な
)
りませう
事
(
こと
)
ならば、
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
のうちに
修善寺
(
しゆぜんじ
)
まで
引返
(
ひきかへ
)
して、
一旅籠
(
ひとはたご
)
かすりたい。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
路用から
湯治
(
たうぢ
)
の雜用を併せて三兩二分ばかり、あとに殘つたのは、煙草入に女房のお靜が入れてくれた、たしなみの
小粒
(
こつぶ
)
が三つだけです。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これと同じ内の
玉龍
(
たまりよう
)
といふお酌と、新橋のお酌の若菜といふのと、それから梅龍の内の女中のお富といふのと、斯う五人で箱根へ
湯治
(
たうぢ
)
に行つてゐたのである。
梅龍の話
(旧字旧仮名)
/
小山内薫
(著)
連
(
つれ
)
信州
(
しんしう
)
の
湯治
(
たうぢ
)
に參りしが右妻儀は五歳の時人に
勾引
(
かどわか
)
され江戸へ
參
(
まゐ
)
りしに
肌
(
はだ
)
の守り
袋
(
ぶくろ
)
に生國は越後高田領の
由
(
よし
)
書付
(
かきつけ
)
有しゆゑ
親
(
おや
)
に
對面
(
たいめん
)
致させんとて來りし所
途中
(
とちう
)
にて妻を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
旅空の正月とは云つても、時間と金が、ありあまつて
湯治
(
たうぢ
)
に来てゐる客ではないだけに、二人には、おめでたうと云ひあひながらも、
佗
(
わび
)
しく、つゝましい感情が、心に流れてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
▼ もっと見る
父は五つになる僕を背負ひ、母は
入用
(
いりよう
)
の荷物を負うて、
青根
(
あをね
)
温泉に
湯治
(
たうぢ
)
に行つたことがある。青根温泉は蔵王山を越えて行くことも出来るが、その
麓
(
ふもと
)
を縫うて
迂回
(
うくわい
)
して行くことも出来る。
念珠集
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
お
前様
(
めえさま
)
湯治
(
たうぢ
)
にござつて、
奥様
(
おくさま
)
の
行方
(
ゆきがた
)
が
知
(
し
)
れなく
成
(
な
)
つたは、つひ
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
の
事
(
こと
)
ではねえだか、
坊様
(
ばうさま
)
は
何処
(
どこ
)
で
聞
(
き
)
いて、
奥様
(
おくさま
)
の
言
(
こと
)
づけを
為
(
し
)
たゞがの。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「まだ四十兩殘るが、これはお靜と俺が
湯治
(
たうぢ
)
に行つて、溜めた
店賃
(
たなちん
)
を拂つて、殘つたら大福餅の
暴
(
あば
)
れ
喰
(
ぐ
)
ひでもするか」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
買馴染
(
かひなじみ
)
其空せみは五歳の時人に
勾引
(
かどはか
)
され揚屋町善右衞門口入にて
神田
(
かんだ
)
小柳町松五郎が
姪成
(
めひなり
)
とて三浦屋へ賣込しが
年季明
(
ねんきあけ
)
にて源次郎の妻に致し其主人へ
願
(
ねがひ
)
湯治
(
たうぢ
)
の
暇
(
ひま
)
を
貰
(
もら
)
ひ信州より越後へ
實
(
じつ
)
の
親
(
おや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何
(
なに
)
かな、
御身
(
おみ
)
は
遠方
(
ゑんぱう
)
から、
近頃
(
ちかごろ
)
此
(
こ
)
の
双六
(
すごろく
)
の
温泉
(
をんせん
)
へ、
夫婦
(
ふうふ
)
づれで
湯治
(
たうぢ
)
に
来
(
き
)
て、
不図
(
ふと
)
山道
(
やまみち
)
で
其
(
そ
)
の
内儀
(
ないぎ
)
の
行衛
(
ゆくゑ
)
を
失
(
うしな
)
ひ、
半狂乱
(
はんきやうらん
)
に
捜
(
さが
)
してござる
御仁
(
ごじん
)
かな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「親分が又腕を組んだ、この
雙六
(
すごろく
)
も上がりが近いぜ。ね、お靜さん——おつと
姐御
(
あねご
)
、この秋は少し遠つ走りして、
湯治
(
たうぢ
)
にでも行かうぢやありませんか」
銭形平次捕物控:023 血潮と糠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「御冗談で——三月になつたら箱根へ
湯治
(
たうぢ
)
に行く約束はしましたが、その話を小耳に挾んで、飛んだことを言ひ觸らした者があるのでせう。本當に奉公人達といふものは——」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
急
(
せ
)
かつしやるな。
此
(
こ
)
の
山裾
(
やますそ
)
の、
双六温泉
(
すごろくをんせん
)
へ、
湯治
(
たうぢ
)
に
来
(
き
)
さつせえた
人
(
ひと
)
だんべいの。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「箱根へ
湯治
(
たうぢ
)
に行つた知合ひからお
土産
(
みやげ
)
に貰つたのだよ、昔々、朝鮮の國から、日本の朝廷に御使者が來た時、持つて來た寶の箱に一八と書いてあつた、叩けば開かれる——といふ
謎
(
なぞ
)
だつたと物の本に書いてあるさうだよ」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“湯治”の意味
《名詞》
湯治(とうじ)
温泉に入湯することによって病気を治療すること。
(出典:Wiktionary)
“湯治”の解説
湯治(とうじ)とは、温泉地に長期間(少なくとも一週間以上)滞留して特定の疾病の温泉療養を行う行為である。日帰りや数泊で疲労回復の目的や物見遊山的に行う温泉旅行とは、本来区別すべきである。
(出典:Wikipedia)
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
治
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“湯治”で始まる語句
湯治場
湯治客
湯治塲