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湖畔
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こはん
ふりがな文庫
“
湖畔
(
こはん
)” の例文
彼は幾つかのこの
湖畔
(
こはん
)
の水産に関係ある家に試験所の用事で出入りをしているうち、その家々で二三人の年頃の娘とも知合いになった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そのとき
湖畔
(
こはん
)
につり糸をたれていたガーネットが三人のボートを見るやいなや、さおをすてて洞穴へ走り、三人の帰着をしらせたので
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
画面点景
(
がめんてんけい
)
の
寸馬豆人
(
すんばとうじん
)
そのまま、人も小さく馬も小さくしか見えないが、たしかに流星のごときはやさで
湖畔
(
こはん
)
をはしってくる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(はがき)
今日
(
きょう
)
越後
(
えちご
)
の
新津
(
にいつ
)
を立ち、
阿賀野川
(
あがのがわ
)
の渓谷を上りて
会津
(
あいづ
)
を経、
猪苗代
(
いなわしろ
)
湖畔
(
こはん
)
の霜枯れを圧する
磐梯山
(
ばんだいさん
)
のすさまじき雪の姿を仰ぎつつ
郡山
(
こおりやま
)
へ。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
湖畔
(
こはん
)
五
里余
(
りあま
)
り、
沿道
(
えんだう
)
十四
里
(
り
)
の
間
(
あひだ
)
、
路傍
(
ろばう
)
の
花
(
はな
)
を
損
(
そこ
)
なはず、
樹
(
き
)
の
枝
(
えだ
)
を
折
(
を
)
らず、
霊地
(
れいち
)
に
入
(
い
)
りました
節
(
せつ
)
は、
巻莨
(
まきたばこ
)
の
吸殻
(
すいがら
)
は
取
(
と
)
つて
懐紙
(
くわいし
)
へ——マツチの
燃
(
も
)
えさしは
吹
(
ふ
)
き
消
(
け
)
して
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
そう云えばあの時は宮の下のフジヤホテルに泊り、翌日
蘆
(
あし
)
の
湖畔
(
こはん
)
をドライヴしたりしたので、環境の類似が
自
(
おのずか
)
ら二人を昔の世界へ呼び戻したのであったかも知れない。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
未明に鉄舟寺を辞すると、まず
竜華寺
(
りゅうげじ
)
の日の出の
富士
(
ふじ
)
を
仰
(
あお
)
ぎ、
三保
(
みほ
)
の
松原
(
まつばら
)
で海気を吸い、清水駅から汽車で
御殿場
(
ごてんば
)
に出て、富士の
裾野
(
すその
)
を山中
湖畔
(
こはん
)
までバスを走らせた。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
尻上りのそこの語もきゝなれては、さまでに耳に悪しからず、
晩翠
(
ばんすゐ
)
湖畔
(
こはん
)
花郷
(
くわきやう
)
臥城
(
ぐわじやう
)
など、親しうする友達の情にほだされて、つひうか/\と十日許りを旅館に打ち過ごしたり。
閑天地
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
初めは
湖畔
(
こはん
)
に出て
侵略者
(
しんりゃくしゃ
)
を
迎
(
むか
)
え
撃
(
う
)
った彼等も名だたる北方草原の
騎馬兵
(
きばへい
)
に当りかねて、湖上の
栖処
(
すみか
)
に退いた。湖岸との間の
橋桁
(
はしげた
)
を
撤
(
てっ
)
して、家々の窓を
銃眼
(
じゅうがん
)
に、投石器や弓矢で応戦した。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
同氏は故福川氏の依頼により旅行中のS
湖畔
(
こはん
)
より
急遽
(
きゅうきょ
)
上京の途中、突然行衛不明となったもので、恐らく福田氏殺害犯人の魔手に陥ったのではないかと見られていたが、今や同氏の死体発見され
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
サクラ号から持ってきた、二門の大砲がすえられて、一つは表の川に面する口をまもり、一つは
湖畔
(
こはん
)
に面する口をまもる。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
ひらりと、宮の
縁
(
えん
)
から飛びおりるがはやいか、
湖畔
(
こはん
)
にそびえている
樅
(
もみ
)
の
大樹
(
たいじゅ
)
へ、するするすると、りすの木のぼり、これは、竹童ならではできない
芸当
(
げいとう
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それよりして
奥入瀬川
(
おいらせがは
)
の
深林
(
しんりん
)
を
穿
(
うが
)
つて
通
(
とほ
)
る、
激流
(
げきりう
)
、
飛瀑
(
ひばく
)
、
碧潭
(
へきたん
)
の、
到
(
いた
)
る
処
(
ところ
)
に、
松明
(
たいまつ
)
の
如
(
ごと
)
く、
灯
(
ともしび
)
の
如
(
ごと
)
く、
細
(
ほそ
)
くなり
小
(
ちひ
)
さくなり、また
閃
(
ひらめ
)
きなどして、——
子
(
ね
)
の
口
(
くち
)
の
湖畔
(
こはん
)
までともなつたのは、この
焚火
(
たきび
)
と
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ある日かれらは、
湖畔
(
こはん
)
にそうて一キロメートルばかり北の森のなかにはいってゆくと、そこに人の手をもってほったとおぼしき深い穴がいくつもあるのを見た。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「穴山の残党なら、
湖畔
(
こはん
)
で伊那丸のために討ちもらされた
落武者
(
おちむしゃ
)
だろう。こんなときには、少しのやつも味方の
端
(
はし
)
だ。そのなかからおもだった者だけ二、三人とおしてみろ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも工事の
督励
(
とくれい
)
は急速を極めて、夜も日もあったものでなく、起工以来まだ一年にも満たないまに、
湖畔
(
こはん
)
の一丘には大体その骨組を完成し、
広茫
(
こうぼう
)
な桑田や畑は、新しい城下町と化していた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湖畔
(
こはん
)
の水門から湖上へ浮かび出た
屋形造
(
やかたづく
)
りの一
艘
(
そう
)
がそれだった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湖
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
畔
常用漢字
中学
部首:⽥
10画
“湖畔”で始まる語句
湖畔亭