活気かっき)” の例文
旧字:活氣
生々せいせい又生々。営々えいえいかつ営々。何処どこを向いてもすさまじい自然の活気かっき威圧いあつされる。田圃たんぼには泥声だみごえあげてかわずが「めよえん」とわめく。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しかし、彼女かのじょのものの考え方には、どことなく面白おもしろいところがあったので、うちなかのつまらない仕事しごともそのために活気かっきづき、うるおいがしょうじた。
母の話 (新字新仮名) / アナトール・フランス(著)
町は一どきに目がさめたように活気かっきづき、町の人々はむねがわくわくして仕事など手につかず、みんな往来おうらいへ出て、目をみはって行列を見ています。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
たいくつした見物人の話声が一時いちじんで、場内は夜の明けたような一種の明るさと一種の活気かっきを添えた。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
心貫流しんかんりゅう丸目文之進まるめぶんのしんだろう。イヤ、吉岡流よしおかりゅう祇園藤次ぎおんとうじだろう。なアに諸岡一羽もろおかいちうなら慈音じおんとちょうどいい勝負、などと衆人しゅうじん下馬評げばひょうからして、このほう活気かっきが立つ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いままで、さびしかったむらは、きゅう活気かっきづいてあかるくなり、にぎやかになりました。煙突えんとつから、くろけむりがり、トロッコは、あちらのさかおとをたててはしりました。
ケーがこの世界せかい旅行りょこうしたことがありました。あるかれ不思議ふしぎまちにきました。このまちは「ねむまち」というがついておりました。ると、なんとなく活気かっきがない。
眠い町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
などとその小屋にはいちいち木札きふだがうってあって、各所かくしょものものしいありさま、すでに明日あすとせまってきた大講会広前だいこうえひろまえ試合しあいのしたくやなにかに活気かっきだっていたが、いま、天下大半たいはんのあるじ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まれわるという信仰しんこうが、どれほど味気あじけない生活せいかつ活気かっきをつけたかしれません。「」ということがこんなに、このときほど意義いぎのあることにおもわれたかわかりません。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
と、活気かっきづけるようにいった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしどのふねもなんとなく活気かっきづいていました。天気てんきになるのをって、またなが波路なみじってかけようとするので、そのまえにこれを機会きかい骨休ほねやすみをしているようにられました。
カラカラ鳴る海 (新字新仮名) / 小川未明(著)