やめ)” の例文
つとめたるも先例せんれいなければ此時忠相ぬしは町奉行をやめられてさらに寺社奉行に任ぜられしなど未だためしなき美目びもくほどこ士庶ししよ人をして其徳を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼は窓を越えて、例の縄梯子をつたわって庭へ下りた。外ではなかなか騒ぎをやめるどころではなく玄関をドンドンと叩いている。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
奧さんの旅行はすぐやめになつた。博士は何もこんな事で、御祭典に參内するのをめないでもいのである。大學に出る日なら、博士も止めるのではない。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
女中なら「御馳走様」位でおやめになるところが、お正は本気で聞いている、大友は無論真剣に話している。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
遅くなれば引返して最前の水のある所で泊るという手段はあるものの、明日の行程を考えると出来るだけ先へ行く方が都合がいいので、根名草山を究めることはやめにしてしまった。
秋の鬼怒沼 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
只私の親切を二十両に買っておくんなさりゃア、是で博奕はやめるから、ねえモシ旦那え
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
よしや居るにしても居るとはいわぬよ、事に由れば余温ほとぼりさめるまで当分博賭ばくちやめるかも知れぬ何うして其様な未熟な事でいける者か、差当り其家へは行かずにほかの所で探偵するのが探偵のいろはだよ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
此度このたび大陰暦たいゝんれきやめ大陽暦たいやうれきとなし、明治五年十二月三日を明治六年一月一日とさだめたるは一年にはかに二十七日の相違さうゐにて世間せけんにこれをあやしものおほからんとおもひ、西洋せいやうしよ調しらべくにおこなはるゝ大陽暦たいやうれき
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
「これでやめにしときませう。もう厭になりましたから。」
たすかり給ひしとはなしければ隱居は今迄面白く聞居きゝゐたりしが彦兵衞がはなしを耳にもいれず勝手へたつて何やらん外の用事をして居るゆゑ彦兵衞もほんやめ煙草たばこのんで色々咄を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
清「やめるたって止めねえたって、何で手紙を盗んだ(又つ)」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ハヽアれは博奕ばくちうった奴がやめると云うのか。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ひきモシ若旦那さういつては「イヤ吾儕わしは花見にはモウゆかぬ是から家へかへるなり」と言捨いひすて足を早めるに和吉は本意ほいなき面地おもゝちにて夫では花見はやめになつたかさうして見ば辨當を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
敵討かたきうちはおやめにして江戸へ帰ります
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)