横顔よこがほ)” の例文
煽動あふり横顔よこがほはらはれたやうにおもつて、蹌踉よろ/\としたが、おもふに幻覚げんかくからめた疲労ひろうであらう、坊主ばうず故意こいうしたものではいらしい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三四郎はそれを見当にねらひを付けた。——舞台のはじに立つた与次郎から一直線に二三げん隔てゝ美禰子の横顔よこがほが見えた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれど、五月雨さみだれころとて、淡青ほのあを空気くうきにへだてられたその横顔よこがほはほのかにおもひうかぶ。
桜さく島:見知らぬ世界 (新字旧仮名) / 竹久夢二(著)
ネルけてランプをとも横顔よこがほのやはらかき涙にまじり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
三四郎は自分の方を見てゐない。女はさきへ行く足をぴたりとめた。むかふから三四郎の横顔よこがほを熟視してゐた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
駅員えきゐん一人ひとりは、帽子ばうしとゝもに、くろ頸窪ぼんのくぼばかりだが、むかふにて、此方こつち横顔よこがほせたはうは、衣兜かくし両手りやうてれたなり、ほそめ、くちけた、こゑはしないで、あゝ、わらつてるとおもふのが
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うつむく横顔よこがほうす白粉おしろいあせばませ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
眉毛まゆげながく、睫毛まつげく、彼方むかふうなじに、満坐まんざきやくにして、せなはうは、花輪はなわへだてゝ、だれにもえない。——此方こなたなゝめくらゐな横顔よこがほで、鼻筋はなすぢがスツとして、微笑ほゝゑむだやうな白歯しらはえた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
坊主ばうずは、時々とき/″\まなこひらいて、聞澄きゝすま美女たをやめ横顔よこがほうかゞる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)