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検非違使
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けびいし
ふりがな文庫
“
検非違使
(
けびいし
)” の例文
旧字:
檢非違使
ははあ、こやつも楮幣に不服なのか。ならばなぜ、
折檻
(
せっかん
)
などせず、表向きに、
検非違使
(
けびいし
)
ノ庁へつき出さんか。——この良忠から一
札
(
さつ
)
を
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
検非違使
(
けびいし
)
には、やっとこれだけの事がわかった。そうして、阿濃は、罪の無いのが明らかになったので、さっそく自由の身にされた。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
隆房大納言
(
たかふさだいなごん
)
が、
検非違使
(
けびいし
)
(警視庁と裁判所をかねたもの)の別当(長官)であった時の話である。白川のある家に、
強盗
(
ごうとう
)
が入った。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
検非違使
(
けびいし
)
さえも、法令の禁ずる
摺衣
(
すりごろも
)
を着けて、白昼の大道を踊り歩いた。
蓬壺
(
ほうこ
)
の客もまた一団となって繰り出した。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
これを聞いた、山門の幹部達が事の子細を、朝廷に直訴にやってくると聞いた関白は、再び、武士、
検非違使
(
けびいし
)
に先手を打たせ、都に入らぬ先に、追い返してしまった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
却って
検非違使
(
けびいし
)
となって水戸に臨んだ、そこから本枝離反が生じた、しかしそれは表面の事実にすぎない、その裏にこそ真の理由がある、……時代の苦悶だ、
昏迷
(
こんめい
)
とあがきだ
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
検非違使
(
けびいし
)
の吟味が厳しいので盗賊の噂も絶えた。火事も少なかった。嵐もなかった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
追捕
(
ついぶ
)
の
検非違使
(
けびいし
)
は、宗府生久経、領送使は左衛門の府生武次であった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
……今回の勲功いやちことあって、凄いようなご褒美いただいた上に、
私設
(
わたくし
)
の女
検非違使
(
けびいし
)
——のようなものにご任官だ! ……待ったり、任官はちとおかしい。官位を貰ったんじゃアないからなあ。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
即時、家人を八方へ派して、心当りを尋ねるやら、密々、
検非違使
(
けびいし
)
の手まで借りて捜査したが、男女の行方は、
杳
(
よう
)
として分らない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
考えれば、まだきのうのように思われるが、実はもう一年
前
(
まえ
)
になった。——あの女が、盗みの
咎
(
とが
)
で、
検非違使
(
けびいし
)
の手から、右の
獄
(
ひとや
)
へ送られる。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この人は、広沢に住んでいたが、同時に
仁和寺
(
にんなじ
)
の別当をも兼ねていた。別当というのは、
検非違使
(
けびいし
)
の長官をも云うのだが、神社仏寺の事務総長をも云うのである。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その飛報が、京の六波羅を驚かして、まだ、軍備も整わないうちに、第二報は、彼らの思いもしなかった木曾の
検非違使
(
けびいし
)
から来て
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
検非違使
(
けびいし
)
たちが
目
(
ま
)
のあたりに、気を失って倒れたのを見て
居
(
お
)
るのでございますから、
御簾
(
みす
)
の内も御簾の外も、水を打ったように声を呑んで、僧俗ともに誰一人
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
正直で、利口な一郎次の事ですから、グングン出世しまして、十年経つか経たないうちに、
検非違使
(
けびいし
)
という役になりました。そして名も
左衛門尉清経
(
さえもんのじょうきよつね
)
と改めました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
検非違使
(
けびいし
)
の武者が、つじをかため、万一に備えている様子から見て、罪人は、
家人
(
けにん
)
も持っている、しかるべき身分の者と、おもわれた。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あの
物盗
(
ものと
)
りが仕返ししにでも来たものか、さもなければ、
検非違使
(
けびいし
)
の
追手
(
おって
)
がかかりでもしたものか、——そう思うともう、おちおち、
粥
(
かゆ
)
を
啜
(
すす
)
っても居られませぬ。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
義仲以下の首を、六条の河原に
梟
(
か
)
けるため、
検非違使
(
けびいし
)
等の役人は、まだ暗いうちから獄門の場所へ来て、指図をしていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一度罪を犯したからは、正直に暮らすのも、あぶない世渡りをしてゆくのも、
検非違使
(
けびいし
)
の目には、変わりがない。どうせ死ぬくらいなら、一日も長く生きていよう。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
思いつつ、彼は、刑部卿だの、
検非違使
(
けびいし
)
だの、別当だの、大中小判事などの公卿が衣冠をつらねている前では、思いの半分も、陳述できなかった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なぜと申せ。」と、若殿様は言葉を御継ぎになって、「予を
殺害
(
せつがい
)
した暁には、その方どもはことごとく
検非違使
(
けびいし
)
の目にかかり次第、
極刑
(
ごっけい
)
に行わるべき奴ばらじゃ。 ...
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
以後は、
検非違使
(
けびいし
)
の手の者が、夜となく昼となく洛中を徘徊して、あだかも、六波羅の放免(密偵)組にたいする宮方の諜報陣のごとき観を呈した。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
可笑
(
おか
)
しいよりは何となく空恐しい気が先に立って、
朝夕
(
あさゆう
)
叔母の尼の案内がてら、つれ立って奈良の寺々を見物して歩いて居ります間も、とんと
検非違使
(
けびいし
)
の眼を
偸
(
ぬす
)
んで
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
検非違使
(
けびいし
)
の者から小松谷へ知らせがあり、仲時殿はじめ、私たちも、仰天したけれど、かいもくその当時は、
母御
(
ははご
)
の藤夜叉さんの方は分らずじまいでした……。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それを聞くと御門の中は、またざわめきたちましたが、さすがに
検非違使
(
けびいし
)
たちばかりは、思いもかけない
椿事
(
ちんじ
)
に驚きながらも、役目は忘れなかったのでございましょう。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
惟方は
検非違使
(
けびいし
)
ノ
別当
(
べっとう
)
です。そのほか一味の貴紳はみな若年で、縁類か、不平か、野望の友です。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
己
(
おれ
)
は
検非違使
(
けびいし
)
の庁の役人などではない。今し方この門の下を通りかかった旅の者だ。だからお前に
縄
(
なわ
)
をかけて、どうしようと云うような事はない。ただ、今時分この門の上で、何を
羅生門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だのに、母に
迷
(
は
)
ぐれた不知哉丸は、その夕、
検非違使
(
けびいし
)
から小松谷の仲時の邸にとどけられていた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女の
太政大臣
(
だいじょうだいじん
)
、女の
検非違使
(
けびいし
)
、女の
閻魔王
(
えんまおう
)
、女の三十番神、——そういうものが出来るとすれば、男は少し助かるでしょう。第一に女は男狩りのほかにも、
仕栄
(
しば
)
えのある仕事が出来ますから。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
辻見張
(
つじみはり
)
は、即夜に行われ、
検非違使
(
けびいし
)
の手もうごき、刑部付きの
放免
(
ほうめん
)
(後の
目明
(
めあか
)
しの類)も、洛外の山野、部落まで、
嗅
(
か
)
ぎあるいているが、なんの手がかりも、もたらさない。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
検非違使
(
けびいし
)
に問われたる
木樵
(
きこ
)
りの物語
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
検非違使
(
けびいし
)
ノ別当だったので
大理卿
(
だいりきょう
)
とも、ただ
平大納言
(
へいだいなごん
)
ともいわれている。年五十七、八。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義経の人間、義経の功労に対して、先に、
検非違使
(
けびいし
)
へ補任との恩命があったが、義経は
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこで、
検非違使
(
けびいし
)
の
包待制
(
ほうたいせい
)
のごときは、
施薬院
(
せやくいん
)
の
医吏
(
いり
)
をはげまし、また、自分の俸給まで投げだして、必死な救済にあたっておりますが、いかんせん、
疫痢
(
えきり
)
の
猖獗
(
しょうけつ
)
にはかてません。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
きょうの
午
(
ひる
)
ごろ、洛内洛外の境、
羅生門
(
らしょうもん
)
の守りについていた
検非違使
(
けびいし
)
の手の者と、佐藤義清の使いの男とが、
喧嘩
(
けんか
)
して、義清の召使は、
拉致
(
らち
)
されて行ったということを——たった今、耳にしたのだ。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正成のわすれがたみ楠木正行を、
検非違使
(
けびいし
)
ノ
尉
(
じょう
)
帯刀
(
たてわき
)
に任官させて
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それなる酒屋のおやじ同様、
検非違使
(
けびいし
)
の牢へぶち込んでくれる
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼が、
検非違使
(
けびいし
)
の前職にあった頃とか。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あっ——
検非違使
(
けびいし
)
だっ」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“検非違使”の解説
検非違使(けびいし、けんびいし)は、日本の律令制下の令外官の役職である。「非違(不法、違法)を検察する天皇の使者」の意。検非違使庁の官人。佐と尉の唐名は廷尉。京都の治安維持と民政を所管した。また、平安時代後期には令制国にも置かれるようになった。
(出典:Wikipedia)
検
常用漢字
小5
部首:⽊
12画
非
常用漢字
小5
部首:⾮
8画
違
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
使
常用漢字
小3
部首:⼈
8画
“検非違使”で始まる語句
検非違使庁
検非違使尉
検非違使佐
検非違使尉代
検非違使志代
検非違使沙汰
検非違使安倍資成
検非違使別当左衛門督