松本まつもと)” の例文
「いや、ジウラを死なしちや、お前ばかりか、わしの責任ぢや。早く城へつれて行つて、松本まつもと先生に手当をしてもらはなけりや」
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
この時こう云う声を挙げたのは表門おもてもんの前に陣取った、やはり四五人の敵軍である。敵軍はきょうも弁護士の子の松本まつもとを大将にしているらしい。
少年 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
もうトップリ日がくれた松本まつもと渡船場とせんばへきてあわただしく、そこの船小屋ふなごやの戸をたたいていたのは、加賀見忍剣かがみにんけんであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
松本まつもとかつしやる? あゝ/\本道ほんだうぢや、なにね、此間こなひだ梅雨つゆみづてとてつもないかは出来できたでがすよ。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
少年の時から武芸に志して体格も屈強、ことに柔術は最も得意で、所謂いわゆる怖いものなしと云う武士であるが、一夕例の丸腰で二、三人連れ、しば松本まつもと町を散歩して行くと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
遂られよと申送りしかば松本まつもと理左衞門も餘儀よぎなくかしこまるおもむ返答へんたふに及びおき夫より三五郎を呼出し汝支配しはいの奉行を差越さしこし御家老外記げき殿へ直訴ぢきそに及び候段不屆至極ふとゞきしごくの奴なりと眼玉めだま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……豆府屋とうふや通帳かよひちやうのあるのは、おそらく松本まつもといへばかりだらうとつたものである。いまのながしもよく退治たいぢる。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
取せ相良さがらの城下へ引立行き郡奉行役所の白洲しらすへ引出したり此時上座には松本まつもと理左衞門下役手代左右にならび理左衞門發打はつたにらみコリヤ九助おのれが伯父九郎兵衞の訴へに依ば其方儀昨夜下伊呂村に於て惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
……なにかんがへたか、いづれ周章あわてたまぎれであらうが、神田かんだ從姉いとこ——松本まつもとながしあね口説くどいて、じつ名古屋なごやゆきにてゐた琉球りうきうだつて、月賦げつぷ約束やくそくで、その從姉いとこかほ
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
松本まつもと左衞門
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處そこで、暑中休暇しよちうきうか學生がくせいたちは、むしろ飛騨越ひだごえ松本まつもとけんをかしたり、白山はくさんうらづたひに、夜叉やしやいけおく美濃路みのぢわたつたり、なかには佐々成政さつさなりまさのさら/\ごえたづねたえらいのさへある。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(おいおい、松本まつもとへ出る路はこっちだよ、)といって無造作むぞうさにまた五六歩。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(おい/\、松本まつもとみち此方こつちだよ、)といつて無雑作むざふさにまた五六
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)