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ほりもの
ふりがな文庫
“
文身
(
ほりもの
)” の例文
幸
(
さいは
)
ひお前の
文身
(
ほりもの
)
を洗ひ落す
序
(
ついで
)
に、一皮
剥
(
は
)
いでやらうぢやないか、石原の利助を三助にするなんざア、お前に取つちや一代のほまれだ
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
火鉢の
薬罐
(
やかん
)
に一本ほうりこんで、御意見無用いのち不知の
文身
(
ほりもの
)
を見せながら、ちょいちょい指さきで摘まみ上げてみては、またズブリと湯へ落しながら
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
荷物を其処へ置いて木剣作りの小脇差を
帯
(
さ
)
したなりで、つか/\と出て来て見ると、
文身
(
ほりもの
)
だらけのでッぷりと
肥
(
ふと
)
った奴が、腰の処へ襦袢
様
(
よう
)
なものを巻き附け
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
般若
(
はんにゃ
)
の
留
(
とめ
)
さんというのは背中一面に般若の
文身
(
ほりもの
)
をしている若い大工の職人で、大タブサに結った
髷
(
まげ
)
の
月代
(
さかやき
)
をいつでも
真青
(
まっさお
)
に剃っている凄いような美男子であった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「このとおり、ふたりとも
蜘蛛
(
くも
)
の
文身
(
ほりもの
)
を
彫
(
ほ
)
りあって、おれは海で
一旗
(
ひとはた
)
あげるし、呂宋兵衛は山に立てこもって、おたがいに天下をねらおうとちかって別れた仲なのだ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
着物の破れ目からは、恋の殿堂や炎を出してる心臓やキューピッドなどの
文身
(
ほりもの
)
が見えていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
文身
(
ほりもの
)
の様に
雲竜
(
うんりゅう
)
などの
模様
(
もよう
)
がつぶつぶで記された型絵の
燗徳利
(
かんどくり
)
は女の左の手に、いずれ
内部
(
なか
)
は
磁器
(
せともの
)
ぐすりのかかっていようという
薄鍋
(
うすなべ
)
が
脆
(
もろ
)
げな
鉄線耳
(
はりがねみみ
)
を右の手につままれて出で来る。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その女は腕に
文身
(
ほりもの
)
などしていた。
繻子
(
しゅす
)
の
半衿
(
はんえり
)
のかかった軟かものの
半纏
(
はんてん
)
などを引っ
被
(
か
)
けて、
煤
(
すす
)
けた障子の外へ出て来ると、お庄の手に小遣いを
掴
(
つか
)
ませたり、菓子を懐ろへ入れてくれたりした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
風呂の中で
歌祭文
(
うたざいもん
)
を唄つてゐる
嚊
(
かかあ
)
たばね、上り場で手拭をしぼつてゐるちよん
髷
(
まげ
)
本多
(
ほんだ
)
、
文身
(
ほりもの
)
の背中を流させてゐる
丸額
(
まるびたひ
)
の
大銀杏
(
おほいてふ
)
、さつきから顔ばかり洗つてゐる
由兵衛奴
(
よしべゑやつこ
)
、
水槽
(
みづぶね
)
の前に腰を据ゑて
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
お角は背中の
文身
(
ほりもの
)
を質においても、奉納の額に入れ上げる決心らしい。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
文身
(
ほりもの
)
だらけの
屍
(
かばね
)
隅田川に浮きしとふ
記事
(
きじ
)
も身に沁む山の夜ふけに
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
文身
(
ほりもの
)
だらけの町の
破落戸
(
ごろつき
)
と緒方の書生ばかりが得意の
定客
(
じょうきゃく
)
だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ガラツ八の
踝
(
くるぶし
)
の桃などは、あまりケチなんで吹き出させてしまひましたが、不思議なことに錢形平次の
文身
(
ほりもの
)
は一寸當てました。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なるほど、そういうお絃の右の手の甲には、御意見無用、いのち
不知
(
しらず
)
と、二行に割った
文身
(
ほりもの
)
が読めるのだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
川添いの
小家
(
こいえ
)
の裏窓から、いやらしい姿をした女が、
文身
(
ほりもの
)
した
裸体
(
はだか
)
の男と酒を
呑
(
の
)
んでいるのが見える。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ひとたび、花和尚がこう
呻
(
うな
)
ると、たちまちその満面も、背の
文身
(
ほりもの
)
の
緋桜
(
ひざくら
)
のようになる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
勘太ッてえ奴も
矢張
(
やっぱ
)
りそうなんで、脊中に墨染の
文身
(
ほりもの
)
をしているからでございます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
風呂の中で
歌祭文
(
うたざいもん
)
を
唄
(
うた
)
っている
嚊
(
かかあ
)
たばね、上がり場で
手拭
(
てぬぐい
)
をしぼっているちょん
髷本多
(
まげほんだ
)
、
文身
(
ほりもの
)
の背中を流させている
丸額
(
まるびたい
)
の
大銀杏
(
おおいちょう
)
、さっきから顔ばかり洗っている
由兵衛奴
(
よしべえやっこ
)
、
水槽
(
みずぶね
)
の前に腰を
据
(
す
)
えて
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
十二支組の女首領で、頭の地へ鼠の
文身
(
ほりもの
)
をしているお珊が誰の手を借りたか、見事に縄を切って逃げ出してしまったのです。
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いのち不知と二行の
文身
(
ほりもの
)
の読めるお絃の右手が伸びて来て、つと右近の耳を
掴
(
つか
)
んだ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
人足が
法被
(
はっぴ
)
を腰に巻き附け、小太い竹の息杖を突き、
胴中
(
どうなか
)
を
細引
(
ほそびき
)
で縛った長持を二人で
担
(
かつ
)
ぎ、
文身
(
ほりもの
)
といっても
能
(
よ
)
い
文
(
かざ
)
りではございません、紺の木綿糸を噛んで吐き附けた様な
筋彫
(
すじぼり
)
で
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
言わないのね、じゃ、私が高橋八寿雄に代って告白しましょう。——諸君、わたくし、高橋はですね、実は
掏摸
(
すり
)
でございます。うそだと思うなら、
襦袢
(
じゅばん
)
の袖をめくッて、二の腕の
文身
(
ほりもの
)
を
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これから覗いて見ようと想ふんだが、
蚤
(
のみ
)
が
螫
(
さ
)
した程でもいゝから、身體に
文身
(
ほりもの
)
のない者は入れないことになつて居る」
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鳩尾
(
みぞおち
)
の釘抜の
文身
(
ほりもの
)
をちらちらさせて、上り
框
(
がまち
)
にしゃがんでいたのだった。
釘抜藤吉捕物覚書:13 宙に浮く屍骸
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
文身
(
ほりもの
)
があるかということだよ、——実は今日両国の『
種村
(
たねむら
)
』に“文身自慢の会”というのがあるんだ」
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
昔の裁判はズボラなようで誠に味のあったもの、時は嘉永二年秋、桜の
文身
(
ほりもの
)
をして居たという名奉行、遠山左衛門尉
景元
(
かげもと
)
の逸話、按摩の仇討という話はこれです。
禁断の死針
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「考えたってこれが判るわけはねえ、足の裏に
文身
(
ほりもの
)
のある人間は親分——」
銭形平次捕物控:007 お珊文身調べ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“文身”の意味
《名詞》
(ブンシン、いれずみ) 体に針や刃物などで傷をつけて、墨汁や朱などの色素を塗りこんで文字や絵を描きこむこと。
(出典:Wiktionary)
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“文身”で始まる語句
文身庄
文身自慢
文身御法度
文身体