“ほりもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
刺青42.3%
彫物22.0%
文身16.3%
彫刻10.6%
剳青1.6%
彫刻物1.6%
刺繍1.6%
刺物0.8%
彫青0.8%
箚青0.8%
繍身0.8%
雕物0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
澁紙しぶがみ色にけてさへゐなければ、顏立も尋常ですが、手足と顏の外は、寸地も白い皮膚のない大刺青ほりものの持主と後でわかりました。
丁蘭は彫物ほりものの道にかけては、ずぶの素人だつたが、出来上つた木像を見ると、簡素なうちに母親にそつくりなおもざしがあつた。
火鉢の薬罐やかんに一本ほうりこんで、御意見無用いのち不知の文身ほりものを見せながら、ちょいちょい指さきで摘まみ上げてみては、またズブリと湯へ落しながら
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
純白の大理石より成り、かのポリクレートのみならず、自然もなほ恥づるばかりの彫刻ほりものをもて飾らるゝをみたり 三一—三三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
まずどうするとお思いなさる、……後で聞くとこの蝋燭の絵は、そのおんなが、ひまさえあれば、自分で剳青ほりもののように縫針で彫って、彩色いろどりをするんだそうで。それは見事でございます。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おりにかないてかたことばぎん彫刻物ほりものきん林檎りんごめたるがごとし、という聖書の箴言しんげんを思い出し、こんな優しいお母さまを持っている自分の幸福を、つくづく神さまに感謝した。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「天女の顔の刺繍ほりものして、自分の腰から下はさながら羽衣の裾になってる姿でしょう。退きも引きもならんです。いや、ならんのじゃない、し得なかったんです——お先達、」
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あるいは敵の不意に出でて、ちょっと逃げ出す余裕を作るための方便か知らん。そうすると烏賊いかの墨を吐き、ベランメーの刺物ほりものを見せ、主人が羅甸語ラテンごを弄するたぐいと同じ綱目こうもくに入るべき事項となる。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そう云って両手を差上げたが、両肩から手首近くまで、自来也じらいや彫青ほりものがあるのが、濡れているせいであろうか、巻物をくわえた蝦蟇がまの眼玉がぎろぎろと動いて赤瀬を睨んだように見えた。
糞尿譚 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「黒い白いは別として、豆腐屋は大概箚青ほりものがあるじゃないか」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余は自分の懇意な水夫に繍身ほりものの術を習い自分の腕へ錨の図を繍って入墨した、お浦は羨ましがり自分の腕へも繍って呉れと云うから、余は其の望みに従い
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
雕物ほりものした盆に蜜と粳米うるしねぜて入れたのを食うべきだ、明日また使が来たらこう言いなさい、瓦師は物をらぬと侮って、智馬と知りながら知らぬ真似まねして凡馬の値で買うとはずる