彫刻物ほりもの)” の例文
なんわし顱巻はちまきしても、かよふ、あたゝか彫刻物ほりもの覚束おぼつかないで、……なんとかべつ工夫くふうたのむだ、なものは
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おりにかないてかたことばぎん彫刻物ほりものきん林檎りんごめたるがごとし、という聖書の箴言しんげんを思い出し、こんな優しいお母さまを持っている自分の幸福を、つくづく神さまに感謝した。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
極楽ごくらくから剰銭つりせんとしで、じやうぬまをんなかげ憂身うきみやつすおかげには、うごく、はたらく、彫刻物ほりものきて歩行あるく……ひとりですら/\と天守てんしゆあがつて、魔物まものねや推参すゐさんする、が、はり意地いぢいてるぞ
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
五体ごたい満足まんぞく彫刻物ほりものであつたらば、真昼間まつぴるま、お前様めえさまわしとが、つら突合つきあはせた真中まんなかいては動出うごきだしもすめえけんども、つき黄色きいろ小雨こさめ夜中よなか、——ぬしいまはなさしつた、案山子かゝし歩行あるなかれたら
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)