あつ)” の例文
かくて宮の内に召し入れてあつくお惠みなさいました。その老婆の住む家を宮の邊近くに作つて、毎日きまつてお召しになりました。
心にまかせざること二ツ三ツあれば、怨みもし憂ひもするは人の常なるが、心あつげなるこの花に対ひて願はくは憂ひを忘れ愁ひをいやさんかな。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひんすれば、その間に罪悪ざいあくが生じて世が乱れるが、めば、余裕よゆうを生じて人間同士の礼節れいせつあつくなり、風俗も良くなり、国民の幸福を招致しょうちすることになる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
人民豊楽、礼義あつく行はると。今使人の容儀を看るに、はなはだ浄し。に信ならざらんや
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
彼女たちの好みにまかせておれば、スマートな、物わかりのいい、社会的技能のあるような青年がふえても、深みと、あつみのある理想主義の青年などは減っていきそうに見える。
学生と生活:――恋愛―― (新字新仮名) / 倉田百三(著)
そのかた生前せいぜんわたくしたいへんになかかったお友達ともだち一人ひとりで、名前なまえ敦子あつこ……あの敦盛あつもりあつというくのでございます。生家せいか畠山はたけやまって、たいそう由緒ゆいしょある家柄いえがらでございます。
孟軻マウカ氏曰く、伯夷ハクイの風を聞く者は、頑夫もれんに、懦夫だふも志をたつる有り、又曰く柳下恵リウカケイの風を聞く者は、鄙夫ひふも寛に、薄夫もあつしと、吾人は其生涯の行為、磊々落々らい/\らく/\、天の如く、神の如く
やつこ安萬侶やすまろまをさく、それ混元既に凝りしかども、氣象いまだあつからざりしとき、名も無くわざも無く、誰かその形を知らむ
彼長駆してけつを犯さば、何を以てこれふせがん、陛下惑いたもうなかれと。しょう錦衣獄きんいごくに下す。燕王きいおおいに怒る。孝孺の言、まことしかり、而して建文帝のじょう、亦あつしというべし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
よりて宮の内に召し入れて、あつく廣く惠みたまふ。かれその老媼の住む屋をば、宮の近く作りて、日ごとにかならず召す。
其の論、彝倫いりんあつくし、動乱をしずめんというは可なり、斉泰黄子澄を非とするも可なり、たゞ時すでに去り、いきおい既に成るの後に於て、この言あるも、嗚呼ああおそかりしなり。帝ついに用いたまわず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
財をし兵を損して而して功無きものは国に謀臣無きに近しとなし、願わくは斉王をゆるし、湘王をほうじ、周王を京師けいしかえし、諸王世子せいしをして書を持し燕に勧め、干戈かんかめ、親戚しんせきあつうしたまえ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)