“敦厚”の読み方と例文
読み方割合
とんこう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも巍の誠を尽し志を致す、其意と其げんと、忠孝敦厚とんこうの人たるにそむかず。数百歳の後、なお読む者をして愴然そうぜんとして感ずるあらしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
日本の辺鄙へんぴ福岡地方の能楽を率いて洋風滔々の激流に対抗し、毅然としてこの国粋芸術を恪守かくしゅし、敬神敦厚とんこうの美風を支持したのは翁一人の功績であった。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
……睡鳳ずいほうにして眼底に白光びゃっこうあるは遇変不眊ぐうへんふぼうといって万人に一人というめずらしい眼相。……天庭に清色あって、地府に敦厚とんこうの気促がある。これこそは、稀有けうの異才。
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)