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敦厚
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とんこう
ふりがな文庫
“
敦厚
(
とんこう
)” の例文
しかも巍の誠を尽し志を致す、其意と其
言
(
げん
)
と、忠孝
敦厚
(
とんこう
)
の人たるに
負
(
そむ
)
かず。数百歳の後、
猶
(
なお
)
読む者をして
愴然
(
そうぜん
)
として感ずるあらしむ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
日本の
辺鄙
(
へんぴ
)
福岡地方の能楽を率いて洋風滔々の激流に対抗し、毅然としてこの国粋芸術を
恪守
(
かくしゅ
)
し、敬神
敦厚
(
とんこう
)
の美風を支持したのは翁一人の功績であった。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
……
睡鳳
(
ずいほう
)
にして眼底に
白光
(
びゃっこう
)
あるは
遇変不眊
(
ぐうへんふぼう
)
といって万人に一人というめずらしい眼相。……天庭に清色あって、地府に
敦厚
(
とんこう
)
の気促がある。これこそは、
稀有
(
けう
)
の異才。
顎十郎捕物帳:01 捨公方
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
それよりもあの素朴な態度と
敦厚
(
とんこう
)
な人情、不自由に安んじて物に屈托しないゆったりした心がまえ、それらをこそ何と勝手にも私どもは、常に山村の人達に期待し要求している。
奥秩父
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
和気清麻呂
(
わけのきよまろ
)
の第五子参議和気
真綱
(
まつな
)
は、資性忠直
敦厚
(
とんこう
)
の人であったが、或時法隆寺の僧
善愷
(
ぜんがい
)
なる者が少納言
登美真人直名
(
とみまひとのじきな
)
の犯罪を訴え、官はこれを受理して審判を開くこととなった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
▼ もっと見る
又この稜を厭うてカマボコ形に円味でおとす場合もある。これは
敦厚
(
とんこう
)
な感じである。
書籍の風俗
(新字新仮名)
/
恩地孝四郎
(著)
温良
敦厚
(
とんこう
)
な紳士、数々の配慮を受けたことは深謝に堪えない。私たちには立派な性格の人として永く記憶に残った。順天は古い都城で、今でもかなりな町だ。幸にも幾分旧態が残る。
全羅紀行
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
もはや、電気以前の
朦朧
(
もうろう
)
たる録音に耳を澄ますまでもなく、我らは名匠アドルフ・ブッシュの
敦厚
(
とんこう
)
荘重な魂と、堅実無比な技巧に接し、名残なく
瑰麗
(
かいれい
)
な美しさを味わうことが出来るようになった。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
なんとなれば
諺
(
ことわざ
)
にも、「
世
(
よ
)
は
情
(
なさ
)
け」という通り、人情が
敦厚
(
とんこう
)
なれば、——もっと
砕
(
くだ
)
いていえば親切とか思いやりとか誠とかがあると、人世は
美
(
うる
)
わしきもの、生ける
甲斐
(
かい
)
あるもののように思われる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
諸将の
中
(
うち
)
に於て年最も
少
(
わか
)
しと
雖
(
いえど
)
も、善戦有功、もとより人の敬服するところとなれるもの、身の
長
(
たけ
)
八尺、年三十五、
雄毅開豁
(
ゆうきかいかつ
)
、孝友
敦厚
(
とんこう
)
の人たり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この山本大膳は江戸駿河台鈴木町に住んでおって、累代御代官を勤め、その人となり
敦厚
(
とんこう
)
にして、忠孝を勧め、勤倹を励まし、治水に功績あるなど、当時頗る令名のあった人である。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
高巍
(
こうぎ
)
の説は、
敦厚
(
とんこう
)
悦
(
よろこ
)
ぶ
可
(
べ
)
しと雖も、時既に
晩
(
おそ
)
く、
卓敬
(
たくけい
)
の言は、明徹用いるに足ると雖も、勢
回
(
かえ
)
し難く、朝旨の酷責すると、
燕師
(
えんし
)
の暴起すると、実に
互
(
たがい
)
に
已
(
や
)
む
能
(
あた
)
わざるものありしなり。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
“敦厚”の意味
《名詞》
敦厚(とんこう)
正直で人情に厚いこと。
(出典:Wiktionary)
敦
漢検準1級
部首:⽁
12画
厚
常用漢字
小5
部首:⼚
9画
“敦”で始まる語句
敦賀
敦盛
敦圉
敦
敦忠
敦仁
敦子
敦賀津
敦睦
敦煌