をつ)” の例文
うしろの土手どて自然生しぜんばへおとゝ亥之いのをつて、びんにさしたるすゝきまね手振てぶりもあはれなるなり。
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
持程のそんはなし夫故我は妻をも持ず世繼よつぎには人がほねをつ養育やういくした子をもらへば持參金ぢさんきんも何程かつくなり縱令たとへ放蕩はうたうを仕たればとて無した金は持參金より引去ひきさり離縁りえんさへすれば跡腹あとばら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ごろりところげてだいなり、坐團布ざぶとん引寄ひきよせてふたつにをつまくらにしてまた手當次第てあたりしだいほんはじめる。陶淵明たうえんめい所謂いはゆる「不甚解くらゐいがときに一ページむに一時間じかんもかゝることがある。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「そんな奴等やつら交際つきえゝしたにやかぎりはねえが、すみはうにちゞまつてりやなんともゆはねえな」勘次かんじがついてあひだにおつぎは枯粗朶かれそだをつ火鉢ひばちおこした。勘次かんじ火箸ひばしわたしていわしつばかりせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)