弁護べんご)” の例文
旧字:辯護
「しかし今日きょうは、気分きぶんがわるいのだろう。」と、秀吉ひできちはペスの弁護べんごをしました。あまりあにがおこっていたからでした。
ペスときょうだい (新字新仮名) / 小川未明(著)
「でもぼくたちはぼくたちで自分の食べ物を買う金は取っている」と、わたしはどもりながら弁護べんごしようとした。
若崎は話しの流れ方のいきおいで何だか自分が自分を弁護べんごしなければならぬようになったのを感じたが
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そりやうそだ。おれの細君が、いくら弁護べんごしたつて、うそだ。尤も君はひとわらつても、自分を笑つても、両方共あたまなかる人だから、うそか本当か其辺はしかとわからないが……
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、まちでは病院びょういんのこんな有様ありさまらぬのではく、一そう棒大ぼうだいにして乱次だらしいことを評判ひょうばんしていたが、これにたいしては人々ひとびといたって冷淡れいたんなもので、むし病院びょういん弁護べんごをしていたくらい
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
瘠我慢やせがまん一篇の精神せいしんもっぱらここにうたがいを存しあえてこれを後世の輿論よろんたださんとしたるものにして、この一点については論者輩ろんしゃはいがいかに千言万語せんげんばんごかさぬるも到底とうてい弁護べんごこうはなかるべし。
ぼくはね竹村氏たけむらしけつして悲観ひくわんして洋行やうかうするんぢやないんですよ。」かれ弁護べんごした。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
してこの曲解に対して、わが輩が一々弁護べんごしたところが、最後の反対論として
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「あれで、なかなかひと気持きもちや、はらにかくしているようなことを、よくてるみょうなところがあります。」と、彼女かのじょは、最後さいごに、その特長とくちょうをいって、子供こども弁護べんごしました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかるに勝氏は一身のはたらきを以ていて幕府を解散かいさんし、薩長のに天下を引渡ひきわたしたるはいかなるかんがえより出でたるか、今日に至りこれを弁護べんごするものは、勝氏は当時外国干渉がいこくかんしょうすなわち国家の危機ききに際して
赤犬あかいぬは、やさしい、いいいぬなんだよ。」といって、いつも赤犬あかいぬ弁護べんごをしました。
小さな年ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
とは評論全篇の骨子こっしにして、論者がかかる推定すいていより当時もっとも恐るべきのわざわいは外国の干渉かんしょうに在りとなし、東西開戦かいせんせば日本国の存亡そんぼうはかるべからざるごとくに認め、以て勝氏の行為こうい弁護べんごしたるは
「そんなことはない。」と、きつねは、人間にんげん弁護べんごをしました。
深山の秋 (新字新仮名) / 小川未明(著)