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年季
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ねんき
ふりがな文庫
“
年季
(
ねんき
)” の例文
「一日も早くというて、それが今年か来年のことか。ここの
年季
(
ねんき
)
は丸六年、わたしのような
孱弱
(
かよわ
)
い者は、いつ煩ろうていつ死ぬやら」
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
やがて
年季
(
ねんき
)
があけて、いよいよ国ぐにをまわって
修業
(
しゅぎょう
)
して歩こうというときになりますと、
親方
(
おやかた
)
が小さなテーブルをこのむすこにくれました。
「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
平次一代の大
縮尻
(
しくじり
)
だ——せめてお時のところへ行つて、
詫
(
わび
)
でも言つて來ることだ。百兩の金が本當にお時のものなら、
年季
(
ねんき
)
奉公しても返す工夫をするよ
銭形平次捕物控:183 盗まれた十手
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
道子
(
みちこ
)
は
小岩
(
こいは
)
の
色町
(
いろまち
)
へ
身売
(
みうり
)
をした
時
(
とき
)
の
年季
(
ねんき
)
と、
電話
(
でんわ
)
の
周旋屋
(
しうせんや
)
と一
緒
(
しよ
)
に
暮
(
くら
)
した
月日
(
つきひ
)
とを
胸
(
むね
)
の
中
(
うち
)
に
数
(
かぞ
)
へ
返
(
かへ
)
しながら
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
其方
(
そのはう
)
へ
屹度
(
きつと
)
預
(
あづ
)
くる間吉原勤め
年季
(
ねんき
)
だけは汝が方へ差置べし若此娘の儀に付
異變
(
いへん
)
之有
(
これあら
)
ば早速此方へ訴へ
出
(
いで
)
よと申渡されければ七右衞門は此事を
聞
(
きく
)
より
彌々
(
いよ/\
)
有難く思ひ聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
勘次
(
かんじ
)
は
奉公
(
ほうこう
)
の
年季
(
ねんき
)
を
勤
(
つと
)
めあげて
歸
(
かへ
)
つたと
成
(
な
)
つた
時
(
とき
)
、
卯平
(
うへい
)
とは
一
(
ひと
)
つ
家
(
うち
)
で
竈
(
かまど
)
を
別
(
べつ
)
にすることに
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
村ではこれと今までの
小昼
(
こびる
)
や
小
(
こ
)
ジュウハンと、べつべつに見ている人もまだ多いが、農家にもおいおい
年季
(
ねんき
)
の
奉公人
(
ほうこうにん
)
がすくなく、
日雇
(
ひやと
)
いの働き手を入れるようになると、食べさせる物も一つになり
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
年季
(
ねんき
)
を
入
(
い
)
れた
一
(
いつ
)
ぱしの
居職
(
ゐじよく
)
がこれである。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
報
(
はう
)
ぜんと思ひ一人の娘を新吉原江戸町一丁目玉屋山三郎方へ身の
代金
(
しろきん
)
五十兩にて
年季
(
ねんき
)
勤
(
つと
)
めに遣はし右五十兩の中二十五兩を大橋の方へ持參仕り候處文右衛門儀
武士
(
ぶし
)
の
意氣地
(
いきぢ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いかほど
抱主
(
かゝへぬし
)
に
歩割
(
ぶわり
)
を
取
(
と
)
られても、
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
では
使
(
つか
)
ひ
切
(
き
)
れないくらいで、三
年
(
ねん
)
の
年季
(
ねんき
)
の
明
(
あ
)
ける
頃
(
ころ
)
には
鏡台
(
きやうだい
)
や
箪笥
(
たんす
)
も
持
(
も
)
つてゐたし、
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
貯金
(
ちよきん
)
も
万
(
まん
)
以上
(
いじやう
)
になつてゐたが、
帰
(
かへ
)
るべき
家
(
うち
)
がないので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
年季
(
ねんき
)
がおわったとき、親方がいいました。
「テーブルよ、ごはんの用意」と、金貨をうむロバと、「こん棒、ふくろから」
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
喜八に
渡
(
わた
)
し別れてこそは歸りけれ
偖
(
さて
)
此喜八は古河吉右衞門が方に十年の
年季
(
ねんき
)
を
首尾能
(
しゆびよ
)
く
勤
(
つと
)
め
上
(
あげ
)
吉右衞門より金五十兩
貰
(
もら
)
ひて
穀物店
(
こくもつみせ
)
を江戸へ出しけるが二年の
間
(
あひだ
)
に三度
類燒
(
るゐせう
)
なし
資本
(
もとで
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
“年季”の意味
《名詞》
年季(ねんき)
奉公人を雇用する年限。
「年季奉公」のこと。
(出典:Wiktionary)
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
季
常用漢字
小4
部首:⼦
8画
“年季”で始まる語句
年季奉公
年季明
年季職人