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川岸
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かし
ふりがな文庫
“
川岸
(
かし
)” の例文
つい此間の大雨の晩、おつさんは何處かで引かけてふらふら歸つて來る
川岸
(
かし
)
つぷちで、正に身を投げようとする女を抱きとめた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
折々
聞
(
きこ
)
ゆるは
河鹿
(
かじか
)
の
啼声
(
なきごえ
)
ばかり、只今では
道路
(
みち
)
がこう西の山根から致しまして、
下路
(
したみち
)
の方の
川岸
(
かし
)
へ附きましたから五六町で
往
(
い
)
かれますが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うすい灯のいろが、ゆうべのように
川岸
(
かし
)
の夕ぐれの中に
滲
(
にじ
)
んで、客もないのか、打ち水に濡れた石のいろが、格別にきょうはわびしかった。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
川岸
(
かし
)
女郎
(
じょろう
)
になる気で
台湾
(
たいわん
)
へ行くのアいいけれど、
前借
(
ぜんしゃく
)
で
若干銭
(
なにがし
)
か取れるというような洒落た訳にゃあ行かずヨ、どうも我ながら
愛想
(
あいそ
)
の尽きる仕義だ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
斯んなことで、大した收獲もなく、もう一度主人榮之助に逢ひ、仇つぽい新造のお淺に送られて、相生町の通り、
川岸
(
かし
)
つぷちを囘向院の方へたどりました。
銭形平次捕物控:251 槍と焔
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
これからは些と
川岸
(
かし
)
をかへて、よし原の方へ乘り出さうではございませんか。品川へは兎角にさういふ亂暴ものが入り込んで、とんだ係り合ひになりますからな。
正雪の二代目
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
川岸
(
かし
)
の
椅子
(
パン
)
に坐って、しばらくは言葉もなく差し控えていると、その前を、
氷斧
(
アックス
)
をかかえた三人連れの登山者が、談笑しながら登山鉄道の乗り場の方へ歩いて行った。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
二人
(
ふたり
)
は
同時
(
どうじ
)
に、
川岸
(
かし
)
へドンと
怪
(
け
)
し
飛
(
と
)
んだ。
曲角
(
まがりかど
)
に(
危險
(
きけん
)
につき
注意
(
ちうい
)
)と
札
(
ふだ
)
が
建
(
た
)
つてゐる。
深川浅景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大分
晩
(
おそ
)
うなったが
如何
(
どう
)
だろうと云うと、主人が気を
利
(
き
)
かして屋根舟を用意し、七、八人の客を乗せて、六軒堀の
川岸
(
かし
)
から市中の川、
即
(
すなわ
)
ち
堀割
(
ほりわり
)
を通り、行く/\
成島
(
なるしま
)
は
柳橋
(
やなぎばし
)
から
上
(
あが
)
り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
時
(
とき
)
はあるもの
飯田町
(
いひだまち
)
の
學校
(
がくかう
)
より
歸
(
かへ
)
りがけ、
日暮
(
ひく
)
れ
前
(
まへ
)
の
川岸
(
かし
)
づたひを
淋
(
さび
)
しく
來
(
く
)
れば、うしろより、
掛
(
か
)
け
聲
(
ごゑ
)
いさましく
駈
(
か
)
け
拔
(
ぬ
)
けし
車
(
くるま
)
のぬしは
令孃
(
ひめ
)
なりけり、
何處
(
いづく
)
の
歸
(
かへ
)
りか
高髷
(
たかまげ
)
おとなしやかに
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
終日読書をする。
霽
(
は
)
れた夜には大砲の様な望遠鏡で星の世界を研究する。曇天か或は雨の夜には、空中飛行船の発明に苦心する。空腹を感じた時は、電話で
川岸
(
かし
)
の洋食店から上等の料理を取寄る。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
川岸
(
かし
)
は
荷車
(
にぐるま
)
の
轣轆
(
れきろく
)
に
震
(
ふる
)
ひ
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
川岸
(
かし
)
に上つて、橋袂の氷
店
(
みせ
)
で、しきりに辭退する娘を強ひて
氷菓
(
アイスクリーム
)
を喰べ、わざと時間を消して宿に歸つた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
新橋の
汐留
(
しおどめ
)
の
川岸
(
かし
)
から船が出ると、跡から芸者か丈助さん/\という声がするから、其の中に丈助さんという奴が居たので、丈助と云うのは手掛りの名だから
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何? 庭には、
川岸
(
かし
)
の往来に向いた木戸より
外
(
ほか
)
に入口も出口もねえ、——銭湯へ行ったと言う、与次郎が疑われるわけだな、足跡の様子では下駄は、女物か、男物か」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大きな聲で呼びかける目の下の
川岸
(
かし
)
にしやがんで、洗濯をしてゐるのは教會の眞向の家の娘だつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
真っ暗な
川岸
(
かし
)
伝いに両国へ若い女の夜道は楽ではありませんが、お静は
側目
(
わきめ
)
もふらずに急ぎます。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉原へ繰込みましては
川岸
(
かし
)
遊びにヤッと熱を
冷
(
さま
)
しておりました。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宵とはいってもこの大雪に、往来の方へ向いた、入口の
格子
(
こうし
)
を叩くならまだしも、
川岸
(
かし
)
へ廻って、庭の木戸から縁側の雨戸を叩く者があるとすると、全く
唯事
(
ただごと
)
ではありません。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川岸
(
かし
)
っぷちを
相生町
(
あいおいちょう
)
の方へ少し行くと、物蔭から不意にガラッ八が飛出します。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川岸
(
かし
)
ツぷちを
相生町
(
あひおひちやう
)
の方へ少し行くと、物蔭から不意にガラツ八が飛出します。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ちょうどその時、幸三郎は、
川岸
(
かし
)
っぷちを、フラフラと歩いておりました。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「え、祈祷所とちょうど背中合せで、
川岸
(
かし
)
っぷちの家ですよ」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「木戸の向うは
川岸
(
かし
)
っ
縁
(
ぷち
)
の往来ですね」
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
“川岸”で始まる語句
川岸縁
川岸端
川岸筋