巖石がんせき)” の例文
新字:巌石
次第しだい/\に鐵車てつしや曳上ひきあげ、遞進機ていしんき螺旋形揚上機らせんけいやうじやうきとは反對はんたいに、後方こうほう巖石がんせき支臺さゝへとして、彈力性だんりよくせい槓桿こうかん伸張しんちやうによつて、無二無三むにむさん鐵車てつしや押上おしあげるのである。
ともなひ山中さしていたる事凡一ばかりなりこゝは名におふ地獄谷ぢごくだにとて巖石がんせき恰も劔の如きは劔の山に髣髴さもにたり樹木生茂りてそこも見え分ぬ數千丈の谷は無間むげん地獄とも云なるべし何心なき二人の小姓こしやう師匠ししやうことばに從がひ爰こそ名に高き地獄谷なり能々御覽ごらんあれと巖尖いはかどに進て差示せば三人は時分じぶん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この瓶もし千尋ちひろの海底に沈まずば、この瓶もし千丈の巖石がんせきに砕けずんば、この地球上にある何人なにびとかは、何時か世界の果に、一大秘密の横たわる事を知り得べし
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
搖上ゆりあ搖下ゆりおろされ今にも逆卷さかまくなみに引れ那落ならくしづまん計りなれば八かんねつ地獄ぢごくの樣もかくやとばかりおそろしなんどもおろかなり看々みる/\山の如き大浪おほなみは天神丸の胴腹どうはらへ打付たればあはれやさしも堅固けんごしつらへし天神丸も忽地たちまち巖石がんせきに打付られ微塵みぢんなつくだけ失たり氣早きばやき吉兵衞は此時早くも身構みがまへして所持の品は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この高山かうざんは、風景ふうけいきわめてうるはしく、吾等われらたつしたるいたゞきは、三方さんぽう巖石がんせき削立せうりつして、自然しぜん殿堂でんどうかたちをなし、かゝる紀念塔きねんたふつるには恰好かつこう地形ちけいだから、つひ此處こゝ鐵車てつしやとゞめた。