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尋常
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なみ
ふりがな文庫
“
尋常
(
なみ
)” の例文
男「えお嬢さん、お見かけ申せば何うも
尋常
(
なみ
)
ならぬ御様子でげすが、何処へいらしッたのでげす、今お
帰
(
けえ
)
りになるんでげすかえ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夜眼にハッキリとは解らないが、家の造り方も
尋常
(
なみ
)
と
異
(
ちが
)
い、きわめて原始的のものらしく、ひときわ眼立つ一軒の
大厦
(
たいか
)
は、部落の長の邸であろう。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
常には左のみに心も留まらざりし結城の
風采
(
やうす
)
の今宵は何となく
尋常
(
なみ
)
ならず思はれて、肩巾のありて脊のいかにも高き處より、落ついて物をいふ重やかなる口振り
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
米友の
身体
(
からだ
)
は
小兵
(
こひょう
)
な上に背が低いことは申すまでもありませんが、
肉附
(
にくづき
)
だとて
尋常
(
なみ
)
の人よりは少し
痩
(
や
)
せているくらいですから、夜なんぞは誰でもみんな子供だと思っています。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
和歌山近在、矢宮より出す守符は妙に蝮に
利
(
き
)
く。蝮を見付けてこれを
抛
(
な
)
げ付くると、麻酔せしようで動く能わずというが、予
尋常
(
なみ
)
の紙を畳んで抛げ付けても、暫くは動かなんだ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
その間嫂は平生の冷淡さに引き換えて、
尋常
(
なみ
)
のものより
機嫌
(
きげん
)
よく話したり笑ったりした。けれどもその裏に不機嫌を
蔵
(
かく
)
そうとする不自然の努力が強く潜在している事が自分によく解った。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
常にはさのみに心も留まらざりし結城の
風采
(
やうす
)
の
今宵
(
こよひ
)
は何となく
尋常
(
なみ
)
ならず思はれて、
肩巾
(
かたはば
)
のありて背のいかにも高き処より、落ついて物をいふ重やかなる口振り
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
小姓「此の儘押出せと、
尋常
(
なみ
)
の人間より大きいから一人の
手際
(
てぎわ
)
にはいかん、
貴方
(
あなた
)
そら尻を押し給え」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
蛙が
呻
(
うめ
)
くを聞き、
就
(
つ
)
いて見ると
尋常
(
なみ
)
の青大将が、蛙一つ
銜
(
くわ
)
え喉へ
嚥
(
の
)
み下すたびに呻くので、その傍に夥しく蛙がさして、驚いた気色もなく遊び
游
(
およ
)
ぎ居るを、蛇が一つ呑みおわりてまた一つ
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
常
(
つね
)
には
左
(
さ
)
のみに
心
(
こゝろ
)
も
留
(
と
)
まらざりし
結城
(
ゆうき
)
の
風采
(
やうす
)
の
今宵
(
こよひ
)
は
何
(
なん
)
となく
尋常
(
なみ
)
ならず
思
(
おも
)
はれて、
肩巾
(
かたはゞ
)
のありて
背
(
せ
)
のいかにも
高
(
たか
)
き
處
(
ところ
)
より、
落
(
おち
)
ついて
物
(
もの
)
をいふ
重
(
おも
)
やかなる
口振
(
くちぶ
)
り
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
兎
(
と
)
ても
尋常
(
なみ
)
の人に成れんぞ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
必
(
かな
)
らず
深
(
ふか
)
き
子細
(
しさい
)
ありて
尋常
(
なみ
)
ならぬ
思
(
おも
)
ひを
振袖
(
ふりそで
)
に
包
(
つヽ
)
む
人
(
ひと
)
なるべし、
扨
(
さて
)
もゆかしや
其
(
その
)
ぬば
玉
(
たま
)
の
夜半
(
よは
)
の
夢
(
ゆめ
)
。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
つらからば一筋につらかれ、とてもかくても
憂身
(
うきみ
)
のはてはとねぢけゆく心に、神も仏も敵とおもへば、恨みは誰れに訴へん、
漸々
(
やうやう
)
尋常
(
なみ
)
ならぬ道に
尋常
(
なみ
)
ならぬ思ひを馳せけり。
琴の音
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さらば
噂
(
うは
)
さも
嘘
(
うそ
)
にはあらず、
嘘
(
うそ
)
どころか
聞
(
き
)
きしよりは
十倍
(
じふばい
)
も
二十倍
(
もつと
)
も
美
(
よ
)
し、さても、
其色
(
そのいろ
)
の
尋常
(
なみ
)
を
越
(
こ
)
えなば、
土
(
つち
)
に
根生
(
ねお
)
ひのばらの
花
(
はな
)
さへ、
絹帽
(
しるくはつと
)
に
挾
(
はさ
)
まれたしと
願
(
ねが
)
ふならひを、
彼
(
あ
)
の
美色
(
びしよく
)
にて
何故
(
なにゆゑ
)
ならん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
漸々
尋常
(
なみ
)
ならぬ道に
尋常
(
なみ
)
ならぬ思ひを馳せけり。
琴の音
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
尋
常用漢字
中学
部首:⼨
12画
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
“尋常”で始まる語句
尋常事
尋常一様
尋常科
尋常人
尋常茶飯
尋常外
尋常漢
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尋常時